矢島
僕は今回、出版元のポプラ社さんのご厚意で、ゲラの段階で作品を読ませて頂いたんですね。
で、ゲラの段階で気付かなかったんですが、上巻が学生編で下巻が社会人編なんですね
タナカ
そうなんです。なにが学生でなにが社会人編かというのを説明するのは非常に難しいんですけど。
矢島
難しいですね(笑)
タナカ
まあ『バカドリル』に「ドリル」ってついてますから。何となく…何でしょう、参考書的な?
天久
そうですね。
タナカ
世の中にハウツー本っていろいろあると思うんですよね。
図解で説明しているものとか。例えば教科書にはサルから人間になるような進化の図が載っていたりしますよね。
あれは猿から人間になったっていう仮定の上じゃないですか。
進化論っていうのは今はとりあえずダーウィンの進化論っていうのが定説となっていますが、
はたして本当にそうなのか、と。
そこにもう一回メスを入れてみたのが『バカドリル』の中のコンテンツにもある「新しい進化論」なんですね。
矢島
えーと、これですね。「モーフィング進化論」。ページを開いてですね…ああ、伝えられないのがすごく悔しい!
タナカ
例えば鶴の求愛から人類になったかもしれない。まぁ、そんなことは多分ないと思いますが。
でも、わからないことって多いじゃないですか。まだまだ宇宙の神秘は解き明かされていませんよね。
だから、びっくりするような進化論があってもおかしくないないってね。
人間以外の「もの」から進化したっていうのも実は僕らの既成概念かも知れなくて、
例えば四の字固めや卍固めから人類になったかもしれない。
そういったアイデアを僕らなりにちょっとピックアップさせていただいて、このドリルの中に収めたと。
もちろんそれが伝わっているかどうかはわからないですけど。
矢島
これはもうね(笑)。本書の絵で見ていただくのが一番ですね。
タナカ
正直、これは買うしかないと思うんです。
矢島
はははは(笑)
タナカ
いや、分からないでしょう。
このインタビュー見ている人は、もやもやがすごくたまると思うんですよ。
これがたった1260円で解決するという。
「なるほど!」と膝をぽんと叩く日がやってくると思うんですよ。
天久
ちょうど最近、国から小遣いが貰える制度がありますよね。それの10分の1位使ったら一冊買えるんで。
矢島
そうですね。
天久
そして、5分の1くらい出せば、セットで買えるんで(笑)
タナカ
そうですね。年収1800万円以下の方はぜひ求めて頂いたらと思いますね。
矢島
まあ流通も動きますからね。国の政策の話になるんですけど、ってそんな話なのかと(笑)。
あともう一つお聞きしたいんですが、気になったのが、
『新しいバカドリル』まさにその通り馬鹿なことがたくさん書いてあるんですけど、
いわゆるこういった面白いもの、特にお笑いの要素とかギャグ要素とか特にギャグ漫画家の人って、
連載を続けていると辛いという話を聞いたことがあるんですね。で、執筆時の苦労話とかはありますか?
タナカ
やっぱり辛いのは高見を目指すからやと思うんです。
面白くなるまで頑張るからだと思うんですよね。もう(思いつくのは)3秒以内ですもんね?
天久
そうですね。アイデアが思いつくんです。あまり苦労ないですよ、本当に。
矢島
おお!
天久
淡々とね。
タナカ
穏やかな表情でね。
矢島
(笑)基本的にはそういうのは絵で浮かぶんですか。
タナカ
いや、この本に関しては全部天久が題割りを決めたんだよね。
天久
はい。ネタが先に、目次を先に決めちゃってました。
タナカ
コンサートで例えると、歌う曲だけはもう決まってて、あと自由に歌えばいいって。
矢島
つまり、歌詞は後からつければいいと。
タナカ
もうそれあとからで出来上がってからでもいいと。
ていうか読者にお任せ? もう想像してくださいって感じでしょうかね。
矢島
(笑)今回新しいバカドリルはとても読みやすかったので、
僕を含め担当ディレクター、担当じゃないディレクターも『あぁバカドリルまた出たんだ』と
言って手にとって見てたんですけど。
タナカ
ありがたい。
矢島
基本的には多種多様なリアクションがありして。どのタイミングで笑うかを観察してたんです。
タナカ
そうですか。
矢島
基本的にページをめくる段階で失笑か爆笑かのどちらかだったんですけど(笑)。
今、だからインタビューをしていて『バカドリル』が目の前にあるにも関わらず、
進化論の他は一切開いてないという。
笑っちゃって危険なので。といったお話でございます。
では最後に、これから読者になるでろう新刊ラジオのリスナーにメッセージをいただければと思います。
タナカ
では、まずタナカからいかせて頂きますけれども、これは読むだけではなくて、
みなさん読んだら自分でも書けると思うんですよね。進化論なんて何から進化させてもいい。
目の前にあるものから人類にどうやってなるかっていうのを思いめぐらせて頂いて、
それを実際に書いて、自分のバカドリルってできると思うんですよ。
矢島
なるほど。
タナカ
やっぱり書いてるだけってつらいんで読みたいね、そろそろ。
天久
そうですね。読者に書いてもらって逆にこっちが読むみたいな。
タナカ
そうなったら幸せですね。
天久
そして、お金は僕たちに入ってくる(笑)。
タナカ
はい、頂きます。
矢島
はははは(笑)
タナカ
もう書くのは面倒くさいんでね、ライセンスビジネスに切り替えたいなと日々思ってるんですよ。
権利関係で食べてきたいなと。
矢島
(笑)これカットしたほうがいいですか?
タナカ
いやもうここだけ音量大で! ずっとリピートしてもいいくらいです。
天久
テクノにしてもらって。踊れる感じでもいいですね。で、本当カツキさんが言っていたように…。
矢島
また同じですか(笑)
天久
はい。読んで自分なりの妄想を走らせてもらえれば、さらに楽しいかなと思うんですよね。
ここで完結するんじゃなくて、自分なりに頭を使って遊んでもらえれば、
『バカドリル』をもっと楽しめるんじゃないかと思います。
あと14年ぶりに出したので、当時中学生とか高校生の人が多かったと思うんですけど、
そういう人も30代になって子を持ち家庭を持っていると思うのですが、
懐かしい感じになっていると思うので、軽く笑っていただければ。
タナカ
お金を出してね(笑)
天久
まあちょっとお金はかかるんですけど、以前のファンの方に書いた気持ちも強いですし。
タナカ
子供も小学校高学年くらいになると理解できますからね。親子で読んで頂ければ。
矢島
テイスト自体は前と変わっていないですしね。
タナカ
そうですね。基本的には変わってないですよ。
矢島
すみません僕がまたお話を伸ばしてしまいました。
というわけで著者のお二人、タナカカツキさんと天久聖一さんでした。
どうもありがとうございました。
両者
ありがとうございました。