だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1764回 「銀幕の神々」

大手文具会社の専務、岩瀬修は63歳。彼には昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。銀幕越しに出会った“高倉健”。ひょんなことで知り合った本物のヤクザ“中間のおっちゃん”心臓が悪い従姉妹の“弥生”。あの頃の出会いがあって今の自分がいること思い出す、任侠版『ニュー・シネマ・パラダイス』!

新刊ラジオを購読する方はこちら

読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました

概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

さて、本作を一言で表わすなら、任侠版『ニュー・シネマ・パラダイス』です。

『ニュー・シネマ・パラダイス』と言えば、映画好きの人なら間違いなく知っている名作。

主人公の少年トトと映画技師の老人アルフレードの交流を交えながら、トトの少年時代から青年時代への成長を描いたノスタルジックな映画なんですが、本作は、そのノスタルジックなエッセンスがオマージュされたような、温かくも切ない回想物語となっています。

主人公は「トドック」という文具メーカーの専務、岩瀬修、63歳。

20代で離婚してからはずっと独身生活をしており、週三回はスポーツジムで汗を流し会社を辞めた後は、完全介護してもらえる施設に入って、同類の仲間を見つけて、チェスやビリヤード、トレーニングなどして余生を過ごす、という青写真を描いている男です。

物語の冒頭は、職場の近くのファミレス。

そこで岩瀬は、昔トドックを辞め、映画脚本家に転身した、池田という30代の男と待ち合わせているところから始まります。

そこで池田と映画談議に花を咲かせた岩瀬は、中学生だった60年代に黄金期を 迎えた任侠映画との出会い。

そして、ある男との出会いを思い返します。

一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 山本 甲士さんは、1996年、『ノーペイン、ノーゲイン』で第16回横溝正史ミステリ大賞優秀作に選ばれデビュー。 また、山本ひろしの名義で2004年に『君だけの物語』で第13回小川未明文学賞優秀賞。2005年に『心理捜査』で第1回チュンソフト小説大賞金賞を受賞しております。また、近年では映画のノベライズも手がけている、実力派の作家さんです。

銀幕の神々

銀幕の神々

銀幕の神々

大手文具会社の専務、岩瀬修は63歳。彼には昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。銀幕越しに出会った“高倉健”。ひょんなことで知り合った本物のヤクザ“中間のおっちゃん”心臓が悪い従姉妹の“弥生”。あの頃の出会いがあって今の自分がいること思い出す、任侠版『ニュー・シネマ・パラダイス』!