だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1598回 「墓頭」

失踪した父を捜索する中、祖父である「彼」の存在を知った作家の男。彼は年齢不詳のうさんくさい探偵「新実」とともに調査をし、海外在住の日本人に辿り着く。そこで語られた祖父の過去。それは頭に双子の片割れの死体が入ったこぶを持ち、「墓」と呼ばれた男の数奇な人生だった。

新刊ラジオを購読する方はこちら

読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました

概要

こんにちは。ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

さて、今回は文芸作品の紹介。

主要新人賞を4つ受賞した真藤さんの最新作です。

内容を大まかに説明させていただくと、この物語は二人の人物を中心に描かれています。

一人は、失踪した父を捜索する「作家」の男です。

この作家は父を捜索中に祖父である「彼」の存在を知り、年齢不詳のうさんくさい探偵「新実」に二人の調査を依頼します。

そして新実の調査で祖父のことを知る養蚕家と出会いました。

もう一人は作家の祖父で、養蚕家から「ボズ」と呼ばれる男。

そしてこの人物こそが物語の中核を担うことになります。

本の内容としては、養蚕家から語られた「ボズ」という男の人生を、一代記として作家が書き上げたというお話。

主人公となるのは作家の男ではありますが、本編のほとんどは「ボズ」という人物に焦点が当てられていくわけです。

それでは少しあらすじをご紹介させていただきます。

生まれながらに右額から頭にかけて醜い巨大なこぶを抱えていた少年ボズ。

母のカナエは彼を産んだ時のショックで死に、祖母のフサはその異様な顔を正視できずに命名を禁じます。

そして、ボズを生かさず殺さず鬼の子として土蔵に軟禁してしまうのです。

実父であるヤソイチはボズを屋外へ連れ出す唯一の人物でした。

しかしそれでもボズの顔からは視線をそらし、蔵に閉じ込めることも反対しなかったです。

そしてヤソイチはあきらきれずに世界でも高名な医師アリ・C・プラブハットにこぶの手術を依頼することにしました。

それでは、ここからはドラマとなっておりますので、ぜひ本編で聴いてみてください。

◆著者プロフィール 著者の真藤さんは2008年に「地図男」で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビューしました。また、「庵堂三兄弟の聖職」で第15回日本ホラー小説大賞大賞、「RANK」で第3回ポプラ社小説大賞特別賞、「東京ヴァンパイア・ファイナンス」で第15回電撃小説大賞銀賞といった主要新人賞4賞受賞の快挙を成し遂げたことで注目を集めています。

墓頭

墓頭

墓頭

失踪した父を捜索する中、祖父である「彼」の存在を知った作家の男。彼は年齢不詳のうさんくさい探偵「新実」とともに調査をし、海外在住の日本人に辿り着く。そこで語られた祖父の過去。それは頭に双子の片割れの死体が入ったこぶを持ち、「墓」と呼ばれた男の数奇な人生だった。