だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1587回 「かあさんのこもりうた」

東日本大震災でお母さんをなくした小学校3年生の望美ちゃんのもとに届けられた1通の手紙。それは、望美ちゃんがランドセルを購入したときにそえられていたもので、子どもがはじめてランドセルを手にした日の感動や喜びを親や祖父が綴り、1000日後に子ども本人に届けるというものでした。その手紙は、望美ちゃんが小学校に入学をした年の春に、お母さんの由美子さんが書いたものでした。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

こんにちは、今日紹介する絵本は、東日本大震災でお母さんをなくした小学校3年生の望美(のぞみ)ちゃんのもとに届けられた1通の手紙からうまれたものです。

この手紙の消印は、2009年5月8日。

望美ちゃんが小学校に入学した年の春の日付でした。

それは、望美ちゃんが小学校に入る前に買ったランドセルにそえられていた、「未来へつなぐタイムレター」というものでした。

その「タイムレター」とは、子どもがはじめてランドセルを手にした日の感動や喜びを、親や祖父母が手紙につづり、1000日後に子ども本人に届けるというもので、ランドセル会社の協和(きょうわ)さんが行っているものです。

望美ちゃんのお母さん、由美子(ゆみこ)さんの思いをつづった手紙は、投函から2年をすぎて家族のものに届けられたのでした。

そこには、

「入学した次の日から1人で歩いて行き、夜にはつかれてごはんもたべないでねてしまい、おこすとねおきがわるく、だだになってとても手がつけられない子どもでした」

「でもげんきに学校にいってくれるだけでおかあさんは、とてもあんしんしていました」

「このてがみをみんなでよんでいるところをたのしみにして、これからおかあさんはがんばっていきます」

とありました。

避難先に届けられた手紙には、望美ちゃんだけではなく、お兄ちゃんの勝利(かつとし)くん、お姉ちゃんの好美(このみ)さん宛ての手紙も入っていました。

「妹たちにやさしいお兄ちゃんになっているように願っています」

「手伝いにとても感謝していました」

お母さんからの感謝と願いがこめられた手紙でした。

この手紙を読んで、お姉ちゃんの好美さんは、

「口ごたえいっぱいしちゃた。もっと手伝えばよかった」

と涙をながしたそうです。

絵本「かあさんのこもりうた」は、この好美さんの言葉からうまれました。

今回の新刊ラジオは、絵本の一部を朗読でお届けしています。 続きは音声版でお楽しみ下さい!

かあさんのこもりうた

かあさんのこもりうた

かあさんのこもりうた

東日本大震災でお母さんをなくした小学校3年生の望美ちゃんのもとに届けられた1通の手紙。それは、望美ちゃんがランドセルを購入したときにそえられていたもので、子どもがはじめてランドセルを手にした日の感動や喜びを親や祖父が綴り、1000日後に子ども本人に届けるというものでした。その手紙は、望美ちゃんが小学校に入学をした年の春に、お母さんの由美子さんが書いたものでした。