新刊ラジオ第1585回 「万能鑑定士Ｑの短編集?」
大人気「万能鑑定士Qシリーズ」の最新作にして初の短編集が登場！シリーズ初期の研ぎ澄まされたテンポの良さや精緻なプロット、巧みなトリックに立ちかえり、主人公・凜田莉子の本来の魅力が溢れる快作、感動作揃い！初めて読む人も、一冊に一つのエピソードでは物足りなかった人も、最高に楽しめる“面白くて知恵がつく、人の死なないミステリ”の決定版！！
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
みなさんは「鑑定士」というとどんな人を思い浮かべますか？
和服を着て「いい仕事してますね〜」という人だったり、古美術なんかを鋭い目つきで観察する人といったイメージでしょうか？
どちらにしても、年配の方のイメージがあるかと思います。
また、ものすごく深い専門知識を持っているので、頭の良さそうな印象もあるのではないでしょうか？
今回は、「鑑定士」が主人公の大人気シリーズの小説を紹介しようと思いますが、主人公は、「年配で頭が良さそう」というイメージとはちょっと……いや、だいぶ違います。
さて、どんな「鑑定士」が出てくるんでしょうか？
◆著者プロフィール 松岡圭祐（まつおか けいすけ）さんは、1997年に小説家としてデビュー。そのデビュー作『催眠』がミリオンセラーになりその後シリーズ化。1999年に発表した『千里眼』は大藪晴彦賞候補作に上がり、こちらもシリーズ化。累計628万部を超える人気作となりました。その後も『ミッキーマウスの憂鬱』などのヒット作を出し、2010年からは『万能鑑定士Ｑの事件簿』に始まる「Ｑシリーズ」を開始。わずか1年半で200万部を超えた大ヒットとなっています。
あらすじ
今回紹介するのは、シリーズ最新作にして初の短編集となる作品。
今まで「Ｑシリーズ」を読んだことがない方でもわかるような内容になっているので、まずはこの作品からＱシリーズを読んでみるのもいいかもしれません。
テンポの良さや精緻なプロット、巧みなトリックが特徴ですが、「面白くて知恵がつく、人の死なないミステリ」というキャッチコピーの通り、殺人事件がまったく起きないミステリ作品というのも、このシリーズの大きな特徴になっています。
＜あらすじ＞ 主人公は、沖縄の波照間島に育ち、高校までは万年学年最下位だった、底抜けに明るい性格で天然の美少女・凜田莉子（りんだ りこ）。
彼女は、上京したのをきっかけにその奔放な感受性を生かした勉強法を伝授され、たちまち広範囲の知識を身につけます。
そしてディスカウントショップ買い取りコーナーの花形鑑定員となり、２０歳で独立。
「万能鑑定士Ｑ」という名前の店を持つようになります。
やがて23歳になった莉子は、そこに持ち込まれる多種多様な依頼品の鑑定を発端として事件解決に乗り出す……。
というのがシリーズを通しての基本設定となっています。
「万能鑑定士Ｑ」というのは店の屋号で、本人は特別な資格をもっているわけではありません。
しかし、絵画、骨董、宝石、ブランドものはもちろん、漫画や映画など、幅広いジャンルの知識が豊富で、どんなものでも即座に鑑定することができる、まさに「万能鑑定士」なんです。
また「天然の美少女」と言いましたが、その天然っぷりがすごいです。
就職面接ではカバンを忘れ、傘一本だけで現れた結果、その場、で不合格になったり、英語の筆記試験のときに「Nice to meet you」を「いい肉をあなたに」と訳すほどの抜けっぷりです。
しかし、いざ鑑定となると、バシバシと正確な目利きをしていく。
このあたりのギャップが、莉子の魅力ですね。
で、今回は、短編の２つ目「水晶に秘めし詭計」の一部をドラマにしました。
舞台は、代官山にある「ジャック・オブ・オールトレーダーズ」という質屋。
年配で強面の店長の香河崎慧（かがわざき さとし）と、香河崎の甥でもある駒澤直哉。
あとは、数人の従業員で切り盛りしているこの質屋に、凜田莉子は臨時の鑑定士として出向してきました。
そこにシリーズでお馴染みの「あの人」がやってくるのですが……。
今回はラジオドラマでご紹介いたしますので、 続きは音声版でお楽しみ下さい！
 | 万能鑑定士Ｑの短編集?
|
