だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1555回 「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」

もし、いま、悩みや不安で頭がモヤモヤしているのならば、それは、「自分の人生はどこかおかしい」「世界はどこかおかしい」と気づいているからなのです。頭がモヤモヤしている状態をスッキリさせたいのならば、ゴールを設定して、頭の中にあるゴミを全て捨ててしまうのが一番です。認知科学者の著者がその方法を全て伝授していきます。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今日は“頭が常にモヤモヤしている人”におすすめの本をご紹介します。

“モヤモヤ”っていうのは例えば……。

「同僚が先に出世して落ち込んでいる」とか、 「日曜日の午後になると、仕事のことを思ってうつになる」とか、 「実力を出し切っていない感じがいつもしている」とか。

そういうモヤッとした不安、思い当たりませんか?

“やりたい気持ちはあるんだけど、やりきれない” “頑張りたいんだけど、頑張れない”

そんなことが続くと、自分が嫌いになってしまったりするかもしれませんが、 その前に、ぜひ今日の一冊を読んでみて欲しいと思います。

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◆今日の一冊 『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』 (苫米地 英人/著 徳間書店/刊)

◆著者について 1959年東京生まれ。認知科学者。計算機科学者。 マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ 入社。2年間の勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院へ留学。 同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピューター科学の分野で 世界最高峰と呼ばれるカーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科に転入。 全米で4人目、日本人としては初の計算言語学の博士号を取得しました。

頭のモヤモヤををすっきりさせる

今回の本は、「頭の中のゴミを掃除してしまおう!」というものです。

「頭の中がゴチャゴチャしていて、晴れた気分にならない」 「集中しなきゃいけないときに、すぐにほかのことを考えてしまう」 「頭の中の雑念を消したい!」 「物事を論理立てて考えていると、途中で頭がゴチャゴチャしてくる」 「ものすごく嫌な人がいる。いつもそいつの嫌な記憶が頭の片隅にいて、  怒りが頭の中から消えない」

こんな悩み、ありませんか? それらは、全て「頭の中にあるゴミ」が原因なのだそうです。

集中力、思考力、生産性、生きる充実感を低下させているのが、 「頭のゴミ」だとしたら、そのゴミを取り除けば、仕事や勉強が集中でき、 思考が冴え、アイデアが湧き出る頭になるということです。

● では、どうすれば「頭の中のゴミ」を掃除できるのでしょうか。

本書では、8つのstepによって「頭の中のゴミ」を捨てていきます。

1.イライラ、怒り、嫉妬・・・ 生産性を下げる「感情のゴミ」を捨てる 2.満たされなさと焦燥感・・・ 「他人のモノサシ」というゴミを捨てる 3.変わりたいけど変われない・・・ 「これまでの自分」というゴミを捨てる 4.自分に自信が持てない・・・ 「マイナスの自己イメージ」というゴミを捨てる 5.「なりたい自分」になるためにまずは「我慢」というゴミを捨てる 6.やりたいことが分からない・・・ 「自分中心」というゴミを捨てる 7.失敗するのが怖い・・・ 「恐怖」というゴミを捨てる 8.「論理へのとらわれ」というゴミを捨て「きらめき脳」を手に入れる

視点を高くすると感情から受ける営業が抑えられる

● 続いて、具体的には何をすればよいのでしょうか。

“イライラ、怒り、嫉妬・・・ 生産性を下げる「感情のゴミ」を捨てる” の章から少し紹介していきます。

「頭のゴミ」を根元からごっそり捨ててしまう方法があるそうです。 世の中には、本能的な恐怖や嫌悪、悲しみなどの感情をある程度コントロール できる人と、簡単に左右されてしまう人がいます。

感情の支配を受けている状態を「感情にひたる」と言いますが、 この「感情にひたる」状態こそ、ムダなことなのだそうです。 振り回される感情に支配されてしまっているのです。

これを回避する方法として、苫米地さんは「視点を高くする」ことを挙げて います。視野が狭いからイライラしてしまうのだそうです。今、この瞬間の ことしか見えていないということなのです。

例えば上司と何かトラブルがあったとします。 ここでイライラしてしまうと、感情に頭の先までつかってしまいます。 これが感情に支配されてしまった状態です。

ここで、「視点を高く」する必要があります。 職場から、部門、会社・・という風に視界を広げていくのです。 「オレが感情的だと部下の教育に悪い。しっかりしなきゃ」、と思うと 「この部門にはオレよりもっと頑張っている人がいる」と考え、 「会社の経営状況が厳しいから、みんなイライラしがちだ。 俺がムードメーカーにならなきゃ」

といったように、「視点を高く」すると、感情から受ける影響を抑えられると いうことなのです。

頭のゴミを捨てる方法

そして、この「視点を高く」することと、「頭のゴミ」を捨てることに欠かせない ことがあります。

それは、『ゴールを持つこと』。

常にゴールのために行動することなのだそうです。ゴールとは、自分が重要だと 考えている目的や目標のこと。目的や目標があれば、それに合わせて視点が あがってくるからなのです。そうすれば、そのゴールの実現にマイナスな感情が 振り回されることもなく、嫌なことに気分が引きずられてしまうようなことも なくなり、気分の切り替えがうまくでき、自分自身のことに集中できるように なるということなのです。

つまり、ゴールに関係ない感情は全てゴミだと言い切ってしまいます。

このように、なりたい自分になるためにはゴールが必要で、それを実現させる ためには、「頭の中のゴミ」を排除するのが不可欠であり、その「頭の中のゴミ」 を排除する方法を提案していきます。

各章の内容が細かく書かれているので理解しやすく、かつ実践的であると思います。 まずは自分自身のゴールを設定すること、ここからはじめてみませんか?

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!