だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1512回 「「見えてる人」になるたった1つの法則 」

グローバル時代を生き抜くためにはどうしたらいいのでしょうか。トップランナーたちには、それが「見えてる」といいます。「見えてる」人になるために必要なことは、“物事を始める習慣をつけること”“始めたことは、最後まで続けること”、このことを実践し続けることでした。本書は、アクティブでポジティブでパワフルな自己啓発書です。

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概要

 こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

 今年が始まって1ヶ月経ちましたが、年始に立てた目標は続けられていますか? 僕は部屋をきれいに使おう! と思っていたのですが、今のところ……orz なんで、ゴミ出しの日ってあんなに眠いんでしょうね……。

 どんな目標でも、辛くなってくる時期はあるものですが、今日は、続けること の大切さを書いた本のご紹介です。

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◆今日の一冊

『人生とビジネスが動き出す!「見えてる人」になるたった1つの法則』 (セス・ゴーディン/著 佐藤可士和/監訳 実業之日本社/刊)

◆この本をひと言でまとめると  「すぐに始めて、続ける習慣をつけるための一冊」

◆著者について  セス・ゴーディンは、マーケター。講演家。作家。元 Yahoo!副社長。全世界 のビジネス・パーソンが注目する、今もっとも影響力のある人物です。デジタル 時代のマーケティングや新しい生き方をテーマとしてのその発言は、シャープで ダイナミックでユニークでパワフル。多くの著作が世界的ベストセラーとなり、 現在35カ国語で翻訳されています。

 監訳の佐藤可士和さんは、アートディレクター。クリエイティブディレクター。 博報堂を経て「SAMURAI」を設立。 国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユ ニクロ、楽天グループ、セブン-イレブン、グローブライト 、今治タオルのクリ エイティブディレクション、NTT docomo「FOMA N702iD / N703iD」のプロダクト デザイン、明治学院大学のブランディングプロジェクト、 NHKテレビ『えいごで あそぼ』のキャラクターデザインと番組アートディレクション、幼稚園や病院の プロデュース等を手がけています。

◆おすすめの読者  ◎あれこれ考えてなかなか動き出せない人  ◎3日坊主を直したい人

始めたことは、最後まで続けること

 今回の本は、世界的なマーケッターで数多くのベストセラーを持つ、セス・ゴ ーディンの最新作を、多方面で大活躍しているアートディレクターの佐藤可士和 さんが監訳をしているという点でも注目の一冊です。

 この本で、セス・ゴーディンが一貫して説き続けているのは、

「さあ、今すぐ自ら行動を起こそう。そして、他者に支配されない人生を歩もう」

 ということです。

 行動を起こすことの大切さ、そうすることで何が変わるのかを、ビジネスをは じめとするさまざまなエピソードとともに紹介していきます。

 こういう言い方はなんですが、この本で一番重要なことをまとめると……。

 「まず、物事をはじめる習慣を付けること」  「はじめたことは、最後まで続けること」

 この2つに集約されます。

 なにをいまさら? 行動を起こす大切さなんて、もうとっくに分かっているよ、 と思われるかもしれませんが、この当たり前のことを実行することがとても難し く、実際にできている人は少ないのではないでしょうか。しかしこの2つを理想 の姿で実行し続ければ、必ず「見えている人」になれると、セス・ゴーディンは 言います。

 では、いったいどうすれば「今すぐ行動を起こす人」「物事を始めることがで き、それを最後まで続けることができる人」になれるのでしょうか? 本の中で は、どうアクションすればいいのか、何が大切なのか、そうすることでその先に はどんな素晴らしい人生が開かれていくのか、といったことが具体的に書かれて います。

今すぐ始めること

 紹介されているエピソードも多彩です。例えば……。

 ・グーグルと競合他社との違いは何か  ・グーグールとヤフーで差がついてしまったのは何故か  ・スターバックスの成功は失敗から始まった  ・ニューポート・フォーク・フェスティバルで会場からブーイングを受けたと   きのボブ・ディランの言葉。  ・ナイキのスローガンがスゴイのはどうしてなのか。

 などなど、著名人や有名企業と魅力的なものばかり収録されています。

 では、「見えてる人」になるために、実践すべき最初の一歩はなんでしょうか。  それは……。

 「自らすぐ始める」

 このことだそうです! うん、当たり前!!

 「考えようと思うんだ」「いつか会って話そう」「アイデアはたくさんある」

 これが駄目だということなのです。素晴らしい思いつきや、高いモチベーショ  ンがあっても「開始」されなかったら、それはないに等しいのだといいます。

 そして、言い訳を作らないことの大切さも書かれています。 仕事を一生懸命やっているのに受け入れられなかったり、失敗したり、思うよう にことが運ばなかったり、ということありますよね。そんなとき、仕方がないか ら、コーヒーブレイクしようか、とか、昼寝しようか、とか、いっそ休んでしま おうか、と考えてしまいませんか??

 アメリカでもっとも有名な著述家である、ジグ・ジグラーが20年も前に言った 言葉があります。それは……。

 「一日を始める前に予定を立てろ。そして立てた予定は必ず守り、  “ちょっとeメールをチェックしなくっちゃ”とか“ちょっとだけ昼寝をしよう”   などという言い訳を、絶対自分にするな」

 と…とても……耳が…痛いです……。

 もしこんな言い訳を一度でも行動に移してしまうと、次からはこの逃げ道を都 合のいいように用意するようになってしまうのだといいます。

失敗、成功、失敗、失敗……

 失敗したっていいんです。こんな一文が載っていました。

 「失敗、成功、失敗、失敗、失敗、やっと成功」

 これが普通なんですね。失敗から得るものはたくさんあります。 自ら進んで物事を始める。人と違ったことをする。失敗を恐れない。 まず始めることがどれほど大切で重要なことかを、この本は教えてくれます。

◆まとめ  この本のポイントとして、佐藤可士和さんの監訳というのは、結構大きいと思 います。海外の翻訳本は表現が冗長になって長くなりがちなんですが、本書はと てもすっきりしていて読みやすいです。

◆編集後記

 はじめること、続けることが大切だという本でしたが、 僕は飽きっぽく、始めるのを怖がることも多いので、実に読んでいて「効く」本 でした。でも、新刊ラジオは1500回を超えてます! これが唯一の継続の誇りか もしれません。好きな事は続く……という事は、もしかして、僕ってギークなん でしょうか?

 ビジネス書を読んで、書いてある事を実行する人は、実はとても少ないそうで す。さらに、その内容をずーっと続ける人は、もっと少ない。なので、ビジネス 書を読んだ人が全て成功者にならない、と。そういう世界なんですね。

 新刊ラジオのリスナーさんも、長く聞いてる人ほど、実践していない・継続で きていない人も多いのでは?(仲間ですね!笑)

 でも、それじゃダメです! お互いに!

 何人かのリスナーさんは、ラジオで知った本を読んで、就活が上手くいったと か、独立起業できました! とか、素晴らしい報告をしてくれています。そうい う風になるためにも、継続は力なり、この本でもう一度確認してみて下さい。

「見えてる人」になるたった1つの法則