だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1341回 「すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法」

読字障害を克服し「速読法のカリスマインストラクター」と呼ばれる著者が、記憶のメカニズムと「ワーキングメモリ」の活用で解説する「超速勉強法」。短期記憶を長期記憶に定着させる方法や、ワーキングメモリを鍛える頭のエクササイズなど、効率よく勉強をしていくための方法が満載です。

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“脳トレ”で記憶力を劇的に高める

「人が一度に覚えられる、個数」っていくつだと思いますか?

アメリカの心理学者、ジョージ・ミラー氏は「マジカルナンバー7±2」という論文の中で、「一度聞いただけで、直後に再生するような場合、日常的なことを対象にする限り記憶容量は7個前後」といいました。脳が瞬間的に覚えられるのは7個前後。7個以上になると覚えにくくなってしまうのですね。

どんなジャンルでも、勉強しようと思うと、たくさんのことを覚えなければなりません。

「すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法」は、記憶のメカニズムを活用して、効率のよい勉強法を解説した本です。

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● 著者は、速読と記憶術のカリスマインソトラクター 園善博さんは、速習セミナーを主宰されていて、「速読法のカリスマインストラクター」とも呼ばれている方です。かつての自身の読字障害を、記憶のメカニズムにあった読書法で克服し、その後、約13ヵ月で日本語、英語を問わず、ビジネスや心理学、脳科学などの書籍250冊以上を読破しました。 その経験を活かし、世界最速で8000人の受講者と著者を輩出するカリスマ講師となりました。そのセミナーはいつもキャンセル待ち状態なんだそうです 現在の蔵書は5000冊を超え、本を読むことのエキスパートです。

● この本のテーマ 書籍からスピーディに知識を得て、しっかりと記憶できる方法

それって速読じゃないの?と思う方がいるかもしれませんが、園さんのメソッドは「速読」ではなく、「速習」です。園さんが提唱している「速習法」は、脳科学と認知心理学に裏付けされた方法論で、本を速く読むだけでなく、本から得た知識をしっかりと記憶できるという特徴があるのです。

その「速習法」のノウハウを活用して、よりスピーディに知識を理解、記憶して、試験で合格点をとるための「剛速球でダイレクトな勉強法」(原文ママ)を伝授してくれるのが本書です。

【脳トレ】暗記力を高める「ワーキングメモリ」を鍛える

まずは、効率のよい勉強をするために記憶のメカニズムを学んでいきます。 ここでポイントになるのは「ワーキングメモリ」というものです。

人間の記憶には、短期記憶、中期記憶、長期記憶という分類があります。 脳にも容量がありますから、興味がないものからどんどん捨てていきます。

例えば、電話番号はアドレス帳に登録した後は忘れてしまいますね。これは短期記憶にメモリーされているからです。短期記憶は、「少しの間だけ記憶に留めておき、その記憶を使って行動したら、そのあと忘れてしまうもの」に使われるのです。 繰り返し使用したり、「これは重要だぞ」と脳が意識した記憶は、短期→中期→長期記憶にインプットされるようになるので、記憶として定着させることができるのです。

こういった「ワーキングメモリ」を鍛えると、暗記する量が増えていきます。すると、勉強の効率がよくなります。短期記憶で忘れていたものを、効率的に長期記憶に持っていくことができるということです。

では、ワーキングメモリの鍛え方をひとつ紹介しましょう。

◆      ◆      ◆      ◆

ワーキングメモリのエクササイズ

このエクササイズで、記憶を呼び起こしたり、知識と知識を繋げたりすることで、ワーキングメモリが効率よく働くようになります。

Q.次に言う言葉の「対義語」は、なんでしょう?

<問題> 1.甘い 2.高い 3.元気 4.過激 5.可能 6.絶対 7.注目 8.睡眠 9.無事 10.玄人

答えは次のページ

【脳トレ】暗記力を高める「ワーキングメモリ」を鍛える

<回答> 1.甘い(辛い) 2.高い(低い・安い) 3.元気(不健康) 4.過激(穏和) 5.可能(不可能) 6.絶対(相対) 7.注目(無視) 8.睡眠(不眠・覚醒) 9.無事(有事) 10.玄人(素人)

どうでしたかっ? 結構、むずかしいでしょ?

では、もう一問。 Q.次に言う言葉の「同音異義語」はなんでしょう?

さあ、いくつ出せるでしょうか?

1.「いどう」 2.「こうせい」 3.「きかん」

↓答えは、こちらを反転させて下さい (マウスで左クリックしながらドラッグ)

******************************* 1.「いどう」   (移動・異動・異同) 2.「こうせい」 (校正・構成・厚生・恒星・後生・公正・攻勢・更正・鋼製) 3.「きかん」  (期間・機関・気管・器官・帰還・既刊・基幹・旗艦・季刊) *******************************

脳トレの問題がたくさんあって、なかなか楽しい本です。 『「超速」勉強法』というタイトルですが、頭の体操で読んでみても楽しめると思います。

ワーキングメモリーを鍛えて、脳の記憶力を上げると、勉強もしやすくなるし、本も読みやすくなります。資格取得の勉強をしていたり、ビジネス書から何かを学ぼうと思って本を読んでいるビジネスマンの方、勉強をはかどらせたいと思っている人はぜひ読んでみてください。

全章チェック

Chapter.1 「記憶のしくみ」がわかると勉強はどんどんわかる

01 見たり、聞いたり、触ったりしても、「興味」がないものは、すぐに忘れてしまう。 ◆ 私たちの脳は、忘れやすくできている ◆ 「興味がないこと」はすぐに捨てられてしまう

02「感情」が動いたときの出来事は、忘れにくく、思い出しやすい。 ◆ 個人的な感情がともなうと、「興味」がわく

03 見たり、聞いたりした情報は、「3つの段階」を経て、「一生ものの記憶」に変わる。 04 「一生ものの記憶」を得る前に「忘れるタイミング」は必ず3回以上おとずれる。 ◆ 情報は「長期記憶」に蓄えられる前に、取捨選択される

05 本は、一気に読み終えない。1冊の本を何回かに分けて読んだほうが、しっかりと記憶に残る。 ◆ 本を一気に読むと、内容を忘れやすい

06 「目」で見るより「耳」で聞いたほうが覚えやすい ◆ 目で見て覚えるより、「聞いておぼえる」ほうが得意

07 「じっと見ただけ」で覚えられる人は、ほとんどいない。 ◆ 心の中で音読したほうが覚えやすい

08 音読を繰り返すと「聞いて覚える力」がどんどん身に付く。 ◆ 「目」よりも「耳」を鍛えたほうが記憶力はアップしやすい

09 「録音した内容を聞くだけ」で難解な単語も長文も、記憶できるようになる。 ◆ 早聞き効果で、記憶力を高める

10 「目の筋肉」を鍛えれば、本を読むスピードを上げることができる。 ◆ 目と耳をいっしょに使えば、さらに記憶は長持ちする

11 「すでに知っていること」と「新しいこと」を関連づけると、考える力が高まる。 ◆ 物事を覚えるときは、いろいろな方向から考える

Chapter.2 「ワーキングメモリ」を鍛えればどんどん暗記できる!

01 マジカルナンバー7±2。人が一度に覚えられるのは、「7個」まで。 ◆ 「かたまり」ごとに覚えたほうが、記憶に残りやすい

02 「知っている言葉」が少ないとかたまり(チャンク)ごとに分けることができない。 ◆ 知っている言葉が少ないと、覚える数が多くなってしまう

03 チャンクを「カテゴリー」分けしていくと、「7個」以上でも覚えておくことができる。 ◆ 共通点ごとにカテゴリー分けして、チャンクの数を減らす

04 知っている知識が多いほどカテゴリーに分けやすい。 ◆ 関連性が見出せないと、カテゴリー分けできない ◆ 知っている知識が多いほど、さまざまな見方ができる

05 ワーキングメモリとは「作業するために必要な記憶」のこと。 ◆ 一時的に情報を覚え、自分の行動に役立てる能力

06 短期記憶=一時的に覚えておく記憶。ワーキングメモリ=行動を起こすときに必要な記憶 ◆ ワーキングメモリの働きが弱い人は、暗記が苦手?! ◆ ワーキングメモリが弱いと覚えておける数が減る?!

07 本を早く読める人ほどワーキングメモリが働いている。 ◆ ワーキングメモリを働かせると、本が速く読める

08 ワーキングメモリを鍛えれば、暗記力がアップする。 ◆ 「エクササイズ」でワーキングメモリを鍛える

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すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法

おもしろい!おもしろい!

すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法

すぐに頭がよくなる!「超速」勉強法

読字障害を克服し「速読法のカリスマインストラクター」と呼ばれる著者が、記憶のメカニズムと「ワーキングメモリ」の活用で解説する「超速勉強法」。短期記憶を長期記憶に定着させる方法や、ワーキングメモリを鍛える頭のエクササイズなど、効率よく勉強をしていくための方法が満載です。