だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1306回 「「のび太」という生きかた―頑張らない。無理しない。」

野比のび太の“ゆるさ”が評価される日がやってきました。勉強できない、スポーツ苦手、いじめられっこ。特技といえば、「射撃」と「あやとり」くらい。そんな、のび太の“頑張らない”“無理しない”行動は、実は、夢をかなえるためには理に叶った行動だったのです。本書は、ドラえもん学の研究家が、のび太から学んだ夢の叶え方をまとめた一冊です。むりせず、ゆっくり夢をかなえる方法を知ることができます。

新刊ラジオを購読する方はこちら

読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました

のび太らしい“頑張らない、無理しない”夢の叶え方

●著者について 横山泰行さんは、ドラえもんアナリスト。「ドラえもん」の登場人物が、夢や悩みなどにどのように対応し、解決したかを考え、人生を豊かにする創造的営みを模索する「ドラえもん学」を研究されている方です。現在、富山大学名誉教授で、1999年4月には、単位認定のない自由参加型ゼミ「ドラえもんの世界」を開設されています。

この本は、ドラえもんに頼りながらも、なんだかんだしずかちゃんと結婚するという夢を叶えた、のび太の成功法則「のび太メソッド」をまとめた本です。

のび太というと、勉強もスポーツも苦手で、いつもジャイアンにいじめられて、家では、ぐーたらな毎日を過ごしているという、お世辞にも優秀とは言えない子どもです。しかし、タイムテレビで未来を見てみると、なんだかんだ念願叶ってしずかちゃんと結婚しているし、明るい未来を手にしています。

頑張らない、無理もしないで夢を叶えたのび太には、実にのび太らしいメソッドがあったのです。

そんなのび太のメソッドを分析して、のび太から学びを得ようとするのが本書。 今回は「のび太メソッド」の中から、のび太なりの「夢の叶え方」を紹介します。

のび太の夢の叶え方

■ のび太は、カッコイイ妄想はしても、現実ではかっこつけない。

いつも「カッコイイ自分」を妄想してニヤニヤしているのび太ですが、現実では、あまりカッコつけることはありません。なぜなら、のび太は、自分自身を客観的かつ総合的に見る力(メタ認知能力)が高く、自分の能力をかなり的確にモニターしているからです。

「あべこべ惑星」というお話があります。

(あらすじ)のび太は七夕の日、机の上にあぐらを書いて、釣竿に短冊をつるし、熱心に何かを願っています。短冊には「りこうになりたい」という、ストレートすぎる願いが(竹がなかったから釣竿につるしていたんですね…涙)。 そんな、いじらしいのび太の行動に心を打たれたドラえもんは、(のび太の)夢を叶えるために、何もかもが“あべこべ”の地球そっくりな星を作り出します。そこは、太陽が西から昇り東に沈む。スカートを吐いたジャイアンが、ワンピースを着たスネ夫にいじめられているという世界。その星での のび太は、「天才のび太さん、宿題を教えておくれよぉ。天才のびたさ〜ん」と、みんなからすがりつかれていました。 それを見た地球の のび太は、「しつこく天才、天才というな!」と涙を流しながら抗議しましたとさ。

のび太は、自分の長所や欠点をよく知っています。少しでも難しい問題が発生すると、すぐに人に頼ろうとします。これは、一見ダメなようですが、「自分の能力を自己評価をして、ひとりで問題解決が困難なものは、問題解決能力を持った誰かに相談する」ということなので、判断としては実はいいことなのです。

のび太はこういう性格だからこそ、ドラえもんから適切なサポートを受けることができるのです。困ったことが起こったら、すぐに報告・連絡・相談をするから、ドラえもんはのび太が困っていることにいち早く気づきますし、のび太の性格も把握できるので、的確なアドバイスや道具を出してサポートすることができるのです。

今日の新刊ラジオでは、夢を叶える「のび太メソッド」あと2つ紹介しています。

ラジオを聴く

「のび太」という生きかた―頑張らない。無理しない。

「のび太」という生きかた―頑張らない。無理しない。

「のび太」という生きかた―頑張らない。無理しない。

野比のび太の“ゆるさ”が評価される日がやってきました。勉強できない、スポーツ苦手、いじめられっこ。特技といえば、「射撃」と「あやとり」くらい。そんな、のび太の“頑張らない”“無理しない”行動は、実は、夢をかなえるためには理に叶った行動だったのです。本書は、ドラえもん学の研究家が、のび太から学んだ夢の叶え方をまとめた一冊です。むりせず、ゆっくり夢をかなえる方法を知ることができます。