だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1285回 「「見える化」勉強法」

世界的戦略コンサルティングファームで「成果を出すコンサルタント」として名を上げた人物は、いつも現場にこだわり続けた“知的体育会系”。氏は、論理思考や仮説思考の他に、“自分だけが実践し続けたコンセプト”を持っていました。本書は、その成功コンセプトのノウハウと、土台を支えた勉強法を伝授する一冊です。

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知的体育会系の勉強法

● 著者について 遠藤功さんは、株式会社ローランド・ベルガー会長。早稲田大学ビジネススクール教授。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を経て、現職。主な著書に、『現場力を鍛える』『見える化』『ねばちっこい経営』などがあります。

現場にこだわり続けた、知的体育会系が教える勉強法

遠藤さんは、これからのビジネスシーンで活躍できる“知的体育会系”は、論理思考・仮説思考を学ぶだけでは不十分だと言います。それよりもむしろ「筋がよい」ことが重要だと強調します。 「筋のよさ」とは、相手が納得するだけの説得力、現実感、迫力が備わっているかどうかということです。論理的なのは当然のことであって、その上で面白いのか、説得力があるか、情熱を傾けられるかだ。そんなメッセージを受取りました。

遠藤さんを支えた勉強は、3つの視点を組み合わせたものでした。

1.基礎を身につける勉強 2.潮流についていく勉強 3.アウトプットを生み出す勉強

次のページで、これらについてご紹介していきます。

注意すべき勉強のポイント

1.基礎を身につける勉強 ビジネスにおいて、必ず成功するセオリーや必勝の定説は存在しません。しかし、知らなきゃ相手にされない、そもそも仕事にならないという、必須の基礎力があります。それは、原理原則・ルール・基本コンセプトの3つです。

・原理原則 時代や環境が大きく変化しても、多くの経営者の心のよりどころとして生き残ってきた、普遍的なものの考え方です。それは、ビジネスの本質を表す「原点」となるものです。

・ルール ビジネスには、会計の知識やコンプライアンスなど、ビジネスを運営する上で知らなければならないルールがたくさんあります。言ってみれば、ビジネスの現場への参加資格とも言えます。細かい専門的な知識まで踏み込む必要はありませんが、キャッシュフローの定義といった基本的なルールは、押えておかなければなりません。

・基本コンセプト 競争戦略や、マーケティング、組織論、人的資源マネジメントといった、経営を様々な切り口からコンセプト化した体型的な知識です。これを学ぶことで、ビジネスへの理解がより深くなります。しかし、コンセプトはあくまでも導入的な知識なので、「知識に溺れないように」と、遠藤さんは注意を促しています。

2.潮流についていく勉強 2つめの勉強は、「潮流についていく勉強」です。ビジネスは生き物と形容されるように、時代の流れとともにどんどん変化していくものです。そのため、常に情勢には敏感でいなければなりませんし、自分自身のアンテナを高くして、鮮度の高い情報や、知識を入れ替えていかなければなりません。 例えば、日経新聞や、経済雑誌を読むのもひとつの方法です。

そのときにポイントとなるのが、自分の専門領域以外の情報にも目を向けることです。畑違いの情報や知識を養っておくと、ときとして固定観念を打ち破ったり、新たな発想が浮かんだり、色んな切り口からものを考えられるようになります。 遠藤さんは、Open Eyes(目を見開く)を心がけているそうです。

3.アウトプットを生み出す勉強 3つめの勉強は、「アウトプットを生み出す勉強」です。具体的な成果物を生み出すことを意識して勉強することで、その効果は何倍にもなります。上の2つは、情報や知識を吸収するインプットの勉強でしたが、知識を自分のものにするには、アウトプットすることが重要です。

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「見える化」勉強法

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世界的戦略コンサルティングファームで「成果を出すコンサルタント」として名を上げた人物は、いつも現場にこだわり続けた“知的体育会系”。氏は、論理思考や仮説思考の他に、“自分だけが実践し続けたコンセプト”を持っていました。本書は、その成功コンセプトのノウハウと、土台を支えた勉強法を伝授する一冊です。