副収入は「ゆるく」「ラクに」稼ぐ
「ゆる副業」のはじめかた

「ゆる副業」のはじめかた

著者:梅田 潤
出版:翔泳社
価格:1,400円+税

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本書の解説

新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちの生活が社会の状況によって大きく左右する、案外もろいものだったということを明らかにした。

特に経済面の影響は甚大だ。航空業界や観光業界のように、これまでの需要が一気に冷え込んでしまえば、その業界で働く人の雇用や賃金への影響は避けられないし、他の業界でも今の状態が続けば、ボーナスがカットされたり、昇給が見送られたり、あるいは雇用自体を減らさざるを得ない企業は増えていくだろう。そうなれば、コロナ前と同じ生活水準を保てない人も、当然増える。

ただ、コロナウイルスは、私たちがこれまで見て見ぬふりをしていたことを、改めて突きつけただけだ。どんなに安定した企業に勤めていたとしても、収入源が一つしかないというのは、やはりリスキーなのだ。おそらく、今ほど「副業」や「自力で稼ぐこと」が注目されてたことはこれまでになかったのではないか。

副業のコツは「がんばらないこと」

「副業といっても何をやればいいのかわからない」という人は、「物を仕入れて売る」という、シンプルなところからはじめてみるのがいいかもしれない。

『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売 時間も手間もセンスもいらないから誰でもできる!』(梅田潤著、翔泳社刊)では、時間もお金も限られた会社員がインターネットを通じたモノの輸入販売で副収入を得る方法を解説している。

副業を長く続けて、安定して稼ぐための秘訣は「がんばらないこと」。本業をしっかりこなしながら、がんばりすぎずに稼ぐために、本書ではこんなアドバイスを送っている。

副業の「輸入販売」で安定して稼ぐために知っておくべき8つのこと

・「守破離」にしたがって行動する
自分の考えや思いはいったん横に置いて、まずはうまくいっている人を徹底的にマネしよう。いきなりオリジナルのやり方を作ろうとするのは遠回りの原因に。

・売上アップのポイントは「在庫」の調整
ネット販売の場合、在庫切れをなくすだけで売り上げはアップする。在庫切れを回避しつつ過剰在庫にならないようなラインを設定する。

一般的には「45日間で販売できる量」が適正在庫とされるため、過去7日間に売れた量にざっくり6を掛けることで設定できる。

・各国の長期休暇に気をつける
国によって、長期休暇の時期が違う。アメリカなら独立記念日とクリスマス前後のそれぞれ10日間ほど、中国なら1月末の春節と10月末の国慶節などをケアしておくことで、販売する商品の納品遅れなどを回避することができる。

・常に売り手目線で考える
プライベートで入ったお店などで、商品やディスプレイなどをよく観察して、どんな人が使う商品で、どんな需要があるのかを考えるクセをつけることで、ビジネス感覚が磨かれる。

・まわりのサポートがあってこそできることに感謝する
自分の力だけでやっていると考えない。謙虚な気持ちを忘れずにいれば、みんなに応援してもらえる。

・「副業」を続けるか「独立」かを考える
副業のゴールは、かならずしも「独立・起業」や「脱サラ」ではない。副業がうまくいったからといって、すぐに独立・起業を考えるのではなく、会社員をやりつつ副業することと、会社を辞めて独立すること、両方のメリット・デメリットを検討して進路を決めよう。

・家族に対して「副業」のルールを決める
副業に対して家族が不安を感じているのなら、それを取り除く努力をする。そして副業よりも家族や大切な人と過ごす時間を優先する。

・絶対に借りてはいけない
物販ビジネスはお金があった方が売り上げを増やしやすいが、借入をしてまでビジネスの規模を拡大させるのは危険で、ストレスもかかる。手持ちの現金が「自分の実力」と心得て、背伸びせずやるのが「ゆる副業」で安定して稼ぐ秘訣だ。



「第二の収入源」を持っておくことのメリットは、経済的な安定だけではない。会社の収入への依存度が下がるため、「無理に会社の意向に従う必要はない」という気持ちの余裕が生まれ、これまで嫌々やっていたことを、断れるようになる。生き方が楽になるのだ。

ここで紹介したことは、どれも副業で人生のバランスを崩すことなく、そして安定して利益を出していくために欠かせない。

そして、本書ではもちろん「インターネットを使った輸入販売って、具体的にどうやってやるの?」という疑問にも答える内容になっている。どの国から、どうやって、どんなものを仕入れて、どうやって売るのか?

収入が給料だけで不安な思いをしている人も、お金を貯めてやりたいことがある人も、少しばかりプライベートの時間を使って、チャレンジしてみてはいかがだろう。

(新刊JP編集部)

インタビュー

梅田 潤(うめだ・じゅん)

■すきま時間でできる サラリーマン向けの副業の筆頭は・・・

まず、本書でいう「ゆる副業」とはどのようなものなのか教えていただければと思います。

梅田: 副業についての本って、昔からたくさん出ていて、それを読むと「月50万円稼げる」とか、けっこう大きな額が書いてあるんですけど、当然そんなに稼げるまでにはかなりの努力が必要です。サラリーマンの傍らでやるにはちょっとハードルが高いんですよね。それに、あまりそっちをがんばりすぎて、家族と一緒に過ごす時間がないということになったりすると本末転倒じゃないですか。

じゃあ、現実的なところで、会社勤めをしつつ、家族や大事な人との時間も持ちつつ、無理なく稼げる額ってどのくらいなのかと考えると、月に10万円くらいかなと。

そのくらいをゆるく稼ぎつつ、会社は会社でしっかりやりつつ、家族との時間も大事にしましょうというのが今回の本で書いた「ゆる副業」です。

「月10万円」はかなりすごいことのように思えます。この10万円のためにどのくらいの時間をかけることを想定していますか?

梅田: 最初だけちょっと時間がかかりますが、軌道に乗ったら1日1時間くらいで十分できます。

今はテレワークをする人が増えて、通勤の時間が浮くケースが多そうです。1時間なら捻出できる気がします。

梅田: そうだと思います。今回の本で紹介している副業法は、通勤時間が浮いた方はその時間でもできますし、インターネット環境があればできるものなので、通勤している方も通勤中にできます。時間や場所を選ばないのが特徴です。

今回の本で梅田さんが紹介しているのは、Amazonやヤフオク!といったプラットフォームを通して、海外から輸入した商品を販売するというものです。この方法は梅田さんも当初は副業として始めたんですか?

梅田: そうです。ただ、私はうまくいったら会社をやめて独立したいとは始めた時から考えていました。

本の中では「ゴールは独立・起業ではない」ということを書かれていましたが、梅田さんはどのタイミングで独立しようと決断できたのでしょうか。

梅田: 結婚していたので妻とも話して、会社員の時の給料を副業で稼げるようになったら独立してもいいということで納得してもらっていました。

それは今回の本の読者の方にも、一般論として言えることですか?

梅田: アドバイスとして言える部分もあります。ただ、大事なのはその人の「ゴール」がどこにあるかということなんです。

副業の本を読むと、「会社勤め=悪・個人で稼ぐ=善」という書かれ方をされていることが多いのですが、私はそんなことは思いません。企業にいないとできないことはまちがいなくあるので、そこでがんばって実現したいことがある人は、ある程度会社に守らってもらいながら会社勤めを続けるべきです。そのうえでプラスアルファの収入を得る手段として副業をすればいい。もちろん、どうしても会社に勤めるよりも、個人でもっと自由に生きたいという人は独立すればいいと思っています。

本書ではインターネットを活用した輸入販売を会社員の副業向きだとしています。この理由はどんな点にありますか?

梅田: さきほどのお話にもありましたが、場所を選ばないというのが大きいです。1時間と言いましたが、一度に1時間でなくても、15分や20分のすきま時間を合わせて1時間くらい時間をつくれれば、月に10万円くらいなら利益を出せるようになります。

もう一つは、元手が少なく始められるというのも会社員向きです。株やFXの場合、少なくとも100万円くらいは元手が必要ですし、不動産投資などはもっと必要です。一方で、今回の本で紹介しているような輸入販売であれば、5万円くらいの元手でできます。そのくらいなら身の回りの不用品を売ったりして作れる額ですよね。私も最初は不用品を売った5万円で始めました。

梅田さんはその5万円でまず何をしたんですか?

梅田: 中国の品物を扱っている輸入代行業者に、仕入れたい商品を伝えて、それを5万円分、買えるだけ買いました。高くても一つ1000円くらいの商品に目をつけていたので、かなりの数になりましたが。

それを売って得たお金で、また仕入れて、ということですね。

梅田: そうですね。それを繰り返してだんだん雪だるまが大きくなっていくという。傾向として、中国からの輸入商品は利益率が大きいので、仕入れて売ってを繰り返すほど儲けが大きくなりやすいです。

具体的に何を売ったのかがすごく気になるのですが・・・。

梅田: 最初に買ったのは顕微鏡とかLEDのキャンドルライトとか、関節が動いて形を変えられる木製のデッサン用の手みたいな商品などです。中国から仕入れて売るとよく売れたんです。

どうしてそういうものに目をつけたんですか?

梅田: それは簡単な話で、Amazonで売れ筋の商品のデータがわかるツールがあるんです。やっぱり今すでに売れているものを自分も売るというのが一番手堅いですね。

今でも月額2000円ほどでそのデータを見られるので、今回の本でもそれを見て仕入られる商品を探し出す方法をお伝えしています。

売れている品物はいろいろな人が手を出すでしょうから、仕入れたとしても自分のところから買ってくれるかはわからないですよね。

梅田: そうですね。だから最初から大量に仕入れるのではなくて、少し仕入れて売ってみて、売れるようなら次はもう少し仕入れの数を増やすとか、競合が入ってきて値下げ合戦が始まっているようなら、別の商品を探すとか、最初はその繰り返しになりますね。

ただ、なかには何年も値崩れを起こさずに売れ続けている商品とか、クリスマスやハロウィンなどのイベントの時期になると毎年たくさん売れ続ける商品もあるんですよ。いわゆる「定番」と呼ばれる商品なのですが、そういうものをいくつか持っておくと、収入の土台になり安定します。

Amazonのデータを調べて、商品を仕入れて売るというのはかなり地味な作業ですが、向いている人と向いてない人はいますか?

梅田: コツコツできる人は向いているというのはもちろんですが、ネットだけでなく雑貨屋さんとかを見て歩いて、商品を見るのが好きな人は向いています。どこにどんな商品があって、何が売れているかにアンテナを常に張っておける人は、やはりうまくいきやすいと思います。

■サラリーマン副業の強い味方 ネット輸入販売でありがちな失敗は?

今回の本では商品の販売先としてAmazonとヤフオク!を挙げられていました。両者の使い分けなどはされていますか?

梅田: 本の中では、アメリカから輸入する商品はヤフオク!で売った方がいいということを書いたのですが、これはヤフオク!のユーザーが「ブランド志向」が強いからです。

「ナイキのあの製品のこの海外モデルが欲しい」と、はっきりと欲しいものがあって探している人が多いので、そういうユーザーの志向に合うものをアメリカから仕入れて売ると利益が出やすいんですね。

わかりやすく言うと、中国から汎用性の高い商品を仕入れて数を捌いて利益を出すならAmazonが向いていて、アメリカから希少性のあるものを仕入れて一つで大きめの利益を出すならヤフオク!が向いているという感じです。

仕入れ元としてアメリカと中国を指定されていましたが、仕入れる商品の性質が違うんですね。

梅田: 全然ちがいます。アメリカから仕入れるものはブランドメーカー品が中心です。たとえば「レゴブロック」とか「トミカ」などの、みんな知っているようなメーカーの海外版とか、昔日本で売っていたけど、今は海外にしかないものを日本で売るという手法です。

中国は逆で、ノーブランド品を仕入れて数を捌くというやり方が主になります。

中国の方が難易度は高そうですね。

梅田: 売れている商品を探すところで少し苦労するかもしれません。ただ、アメリカから仕入れるようなブランド商品って誰でも簡単に調べられるので、価格競争になりやすいんです。だから一長一短だとは言えますね。

中国からは個人が商品を直接輸入することができないため、代行業者を使う必要がある点も注意が必要です。

梅田: そうですね。代行業者を使うのは面倒だと思われがちですが、メリットもあって、不良品や箱が潰れて売り物にならない商品を業者の側が検品して、返品したりしてくれるんです。私としては助かる面の方が大きいと思っています。日本に着いてからでは返品の費用だけで赤字になるため実質返品ができないのと同じだからです。

返品すると、その費用だけで足が出てしまったりするので。

付け加えておくと、代行業者に依頼するといっても、英語や中国語でやりとりする必要はありません。日本の業者があるので日本語でやりとりできます。

1カ月10万円でも給料プラスして得ることができたら、会社員にとってかなり大きいです。月に10万円の難易度について教えていただきたいです。

梅田: 1日1時間程度、きちんとやれば誰でも達成できると思います。仕入れる商品はデータを見るだけなので、特にセンスや才能が試される部分がほとんどないんです。

逆に最初から自分のセンスでやったり、好き嫌いで仕入れてしまうとなかなかうまくいかないと思います。「売れているものを自分も売る」ということをまずはやっていただきたいです。

その他、初心者がやりがちなミスや落とし穴について教えていただきたいです。

梅田: 今お話ししたように、勘や自分の経験に頼って仕入れをしてしまうと言うのが一番大きいのですが、あとは違法なものを見落とすとか、仕入れてはいけないものを仕入れてしまうということもあります。

わかりやすく言うなら、ルイヴィトンのコピー品などです。ルイヴィトンの製品の独特の柄があるじゃないですか。あれを模造したカバンなどを仕入れて販売するのは違法です。「ルイヴィトンのタグやロゴを偽造してつけているわけじゃないので問題ないのでは」と判断してしまいがちなのですが、あの柄にも権利があります。

ルイヴィトンの「本物」を並行輸入するぶんには問題ないわけですよね?

梅田: 本物はほぼ無理だと思った方がいいです。本物かどうかの見分けなんて素人にはできません。

それに、インターネット上では本物の画像を載せて、発送する商品は偽物ということもあります。だから、アメリカから仕入れるのはブランドメーカーの商品が中心とは言いましたが、いわゆる「スーパーブランド」は避けるのが安全です。

最後になりますが、副業を考えているけれどなかなか行動に移せず迷っている方々にメッセージやアドバイスがありましたらお願いいたします。

梅田: この本で紹介した副業の手法について、コンサルティングで教えている生徒さんたちがみなさん言うのは「やってみたらこんなもんだったんだ」ということです。

最初に思っていたものよりは全然簡単だった、というのが大多数の感想だったりするので、一歩踏み出す勇気を持っていただきたいですね。その先にはきっといい世界が待っていますよ。

(新刊JP編集部)

書籍情報

目次

  1. 第1章
    「ゆる副業」をはじめよう
  2. 第2章
    輸入・ネット販売が副業にぴったりな理由
  3. 第3章
    アメリカ輸入で稼ぐきほん
  4. 第4章
    アメリカから商品をもっとうまく輸入する
  5. 第5章
    中国輸入で稼ぐきほん
  6. 第6章
    中国からの商品をオリジナル化してもっと稼ぐ
  7. 第7章
    がんばらないで稼ぐための8のルール

プロフィール

梅田 潤(うめだ・じゅん)
梅田 潤(うめだ・じゅん)

梅田 潤(うめだ・じゅん)

合同会社梅田事務所代表
1977 年生まれ。大阪府出身。大学卒業後、株式会社eSPORTS に入社。Web 最大級のEC サイト「eSPORTS」でオークション事業を立ち上げ、トップクラスのストアに成長させる。2004 年から 4 年連続でYahoo! オークションストアアワードを受賞。2007 年同社を退社し、ブランディング専門のコンサル会社に入社。その後、2009 年に株式会社オークファンに入社。サービス企画や物販のコンサルティングをはじめ、仕入商材情報誌の執筆やセミナー講演などを行う。しかし、結婚や子どもの誕生を機に今の働き方に疑問を感じ、子どもや家族を最優先にするために独立を模索。副業で中国輸入ビジネスを始め、給料以上を稼ぐ事に成功し2014 年に独立。
2015 年には月収で100 万円を突破。現在も現役プレーヤーとして中国輸入ビジネスを展開しながら、子どもや家族との時間を最も大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。
著書に『中国Amazon 輸入 アリババ・タオバオから仕入れる』(あさ出版)、『今すぐ使えるかんたんEx ヤフオク! 本気で儲ける! プロ技セレクション』(技術評論社)がある。

「ゆる副業」のはじめかた

「ゆる副業」のはじめかた

著者:梅田 潤
出版:翔泳社
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