私たちは日々やらなければいけないことでいっぱいだ。仕事に、家事に、育児。趣味も充実させたい。それにスキルアップも。どれも頑張りたいけれど、身は一つ。そんな中で、人生をより豊かにするための勉強の時間を捻出はできない。そう思ってはいないだろうか?
勉強をするために、本を読むにしても、問題集を解くにしても、何かを体験するにしても、目と手は他のタスクで埋まってしまっている。では、どうすればいいのか。
ここで注目すべきなのが「耳」だ。
移動中や運転中をはじめ、意外と日々の生活の中で「耳」が空いている時間は多い。調査によれば1日平均3.7時間、「耳のスキマ時間」があるという(*1)。この「耳のスキマ時間」を活用すれば、より効率的に読書や勉強をすることが可能となるはずだ。
『超効率耳勉強法』(上田渉著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)は“耳で聴く本”「オーディオブック」を活用した、新たな耳勉強法の方法を公開した一冊だ。
実はオーディオブックを通した情報のインプットは、目で文字を追って読む以上の効果を生むことがあるという。
人間は文字を目で見たときに、その文字を頭の中で音声に変換し、言語として理解をする。オーディオブックの場合は「文字を目で見る」というプロセスを飛ばすことができるので、脳にかける負担が軽減される。
さらにリーディング能力は学習によって身についていくものだが、リスニング能力は生まれながらに備わっている。やはりここでも脳の負担軽減につながる。「勉強をしていて頭が疲れる」という感覚になりにくいのが、オーディオブックだと言える。
また、「オーディオブックを聴きながら、その本を読む」という読み方をすると、単なる読書だけのときよりも読解力が上がるというデータが、テキサスA&M大学の研究チームから発表されている。
本を読んでもなかなか理解できない、読書を始めるとすぐに疲れてしまうという人にとっては、こうした読書の方法を取り入れることで理解度を高めることが可能だ。
本書では耳勉強法で得られるメリットとして5つにまとめている。
(1) 言語能力が向上する
リスニング能力が鍛えられることでリーディング能力も向上。その結果、言語能力そのものも高めることができる。
(2)スキマ時間を有効活用できる
移動中、電車の中、散歩中などで「ながら聴き」が有効。本来何もできないはずだった時間が、新たな勉強の時間に生まれ変わる。
(3)本との対話がしやすい
オーディオブックは目での読書と比較すると脳の負担が軽く、聴きながら思考する余裕が生まれる。
(4)手が空く
オーディオブックは手が塞がらないため、聴きながらメモを取ったりすることも可能。「アイデアの創出」と「時間の有効活用」の2つを同時に実現することができる。
(5)想像力が活性化する
聴覚からの情報のみであるため、脳は自然と視覚的なイメージをふくらます。その結果、想像力が活性化することができる。
また、オーディオブックは勉強ツールとして多くの経営者、成功者にも愛用されている。
例えば星野リゾート代表の星野佳路氏は、主に車の中での移動中にオーディオブックを1.5倍速で聴いているという。そして、印象に残るフレーズが出てきた作品については紙の本での購入し、自分で感じたことを該当箇所にメモ。あとで見返すという「学び」の方法を実践しているそうだ。
◇
これまで「勉強したいけれど、なかなか勉強をする時間が取れない」「本を読みたいけれど、読み切る力がない」といった理由からなかなか勉強や読書ができなかったという人は少なくないだろう。
そうした課題を解決できるのが、本書の「耳勉強法」メソッドであり、オーディオブックというツールだ。毎日のスキマ時間を使って効率よく情報をインプットしていくことで、少しずつ毎日も変わっていくはず。オーディオブックはスマホ1台あれば使うことができる。忙しい日々の中でも人生を前進させたい人にとっては、うってつけの勉強法と言えるだろう。
(新刊JP編集部)
*1...耳のスキマ時間は、1日平均3.7時間!コロナ禍で聴いた音声コンテンツは、ラジオ・ポッドキャスト・オーディオブックが上位に。
https://bit.ly/3PQJUpX
■「オーディオブック」で耳から効率よく勉強 そのヒントになった出来事
上田: 苦手ではなく、勉強をやる理由が見いだせなかったんです。
私が通っていた中・高校はいわゆる私立の進学校だったのですが、それは小学生の頃に塾で勉強をすればもらえるシールを目当てにゲーム感覚で勉強をしていったら、いつの間にか受験で受かってしまった学校でした。
ですが、中学に入ると大量の宿題を渡され、なんでこんなことしなきゃいけないのだろうと思うわけです。頑張ったらもらえるシールはもうありませんし(笑)、勉強する意味がないと。先生に質問をぶつけても「勉強しないと大学に入れないし、就職もできない、そして食べていけない。だから勉強をするんだ」と言われ、夢も希望もないと感じました。
上田: そうですね。ほぼボイコットに近いです。そして何が起きたかというと、高校3年生の時に偏差値が30と。毎年の進級も本当にギリギリで先生に土下座をしたりもしていました。
そんなとき、周囲の友人たちに聞いたら、お小遣いが上がるとか、いい大学に行きたいから勉強するというような回答が多くて、ビジョンや目標があってそれを達成するために進学したいと言った友人はわずかしかいませんでした。
自分は中学校に入って以来、勉強のやる意味を見出せなくてやめてしまった。だけれど、実はそういう状況って、中学高校でしっかり勉強してきたけれど、目標やビジョンを持っていない子たちも陥る可能性があるんじゃないかと思ったんです。
本当に勉強する意味をしっかり考えているのは、目標やビジョンを見つけている友人たち。
そして、こういう人たちが少ないのは日本の教育の問題だと考えたんです。
上田: そうです。文部科学省、当時は文部省でしたが、東大出身者が多いので、それならば自分も東大に行って勉強しなければいけないと考えました。ところが偏差値30の高校生がいきなり「東大に行く」と言い出したわけですから、当然、周囲からは「行けるわけないだろう」と言われます。
そうした言葉を跳ね除けて結果を出そうと勉強を始めるのですが、全然解けないんです。現代文の問題を解こうとしても、日本語が理解できない。もともと本は読んでいたので、現代文ならできるだろうと思っていたのですが、全然違いました。
そこでまずは文章を理解するために、音読をしてみたんですね。声に出して読んでみたところ、少し分かりやすくなった気がしました。そして何回も同じ文章を音読していくうちに、その文章が理解できるようになってきたんです。そこで、自分には音読で耳から情報インプットが合うと気づきました。
上田: 音読をした方が明らかに頭に入ってくるんですよね。ただ、音読をし続けるにも喉に限界がありますから、次は頭の中で声を出すということをしました。それがこの本でも書いた「音韻表象」という現象で、意識的に頭の中で黙読をすることでも理解しやすくなったんです。これを私は「黙音読」と名付けました。
さらにカセットやMDに世界史の教科書を音読した音声を録音して、それを移動中に自分で聴いたりもしていました。とにかく音を使って、耳を使って理解をするということを実践したんです。
上田: そうです。もちろん高校3年のときは現代文しか勉強していなかったので東大に合格できませんでしたが、その後、世界史、地理、古文・漢文を耳勉強でほぼマスターし、最後に数学と英語をやって、2浪で東大に入りました。
上田: そうですね。私がオトバンクというオーディオブックの制作・販売を行う会社を創業したきっかけはまた別の理由があるのですが、オーディオブックが勉強にもたらす効果であったり、効率性であったりということに確信が持てているのは、まさに今話したことが原体験にあります。
上田: ケースバイケースではありますが、移動中は100%、オーディオブックを聴いています。また、お風呂に入っているときや運動をしているときにも使っていますね。リモートワーク中にも聴いていますが、主に単純作業のときが多いです。逆にアイデアを考えたりしているときは、外からの音声と頭の中で浮かんでいる音声が混ざってしまうため、耳からのインプットはしていません。
上田: 文芸作品、ビジネス書、ジャンル問わず幅広く聴いていますね。ただ、1冊の本をしっかりと聴き終えるということは意識しています。
弊社が運営する「audiobook.jp」は日本語オーディオブックのラインナップ数が日本一なので、豊富にセレクトすることができます。また、「聴く日経」などのニュースも聴くことができるので、朝の通勤時間は「聴く日経」を聴き、日中はビジネス書を聴き、夜のリラックスタイムは文芸作品を聴くというような使い分けもできますね。
上田: 「聞く、ほぼ日。」です。糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツをオーディオ化したコンテンツなんですが、読んでいても面白いけれど、インタビューのような会話調のコンテンツは耳で聴くとすごく内容が入ってくるんです。
これは大ベストセラーとなった『嫌われる勇気』のオーディオブック版も同様で、「哲人」と若者の対話によって構成されているので、音で聴いたほうが頭に入ってくると思います。
■認知症対策や社員教育にも オーディオブックの幅広い利用方法
上田: これは日本にも言えることなのですが、いわゆる「成功者」といわれる人たちの中には、耳を使った学習を大事にしてきた方々が多くいます。
本書では星野リゾート代表の星野佳路さんをはじめ、神田昌典さん、勝間和代さん、海外ですとヴァージングループ会長のリチャード・ブランドンさん、俳優のトム・クルーズさんといった名前を挙げさせていただきましたが、こういった名だたる方々がオーディオブックを使っています。
ただ、成功者の方々は自分がどんな勉強法を実践しているか、あまり大っぴらに言わないですよね。その意味だと、オーディオブックは「秘密の勉強法」なんです。そして、そのオーディオブックが技術革新によって、一般の方でもスマートフォンとワイヤレスイヤフォンが場所も時間も選ばず、手軽に使えるようになったというのが今という時代です。
この『超効率耳勉強法』は、2009年に出版した拙著『脳が良くなる耳勉強法』という本がベースになっていますが、当時と比較しても日本語のタイトル数は圧倒的増えました。先日、「audiobook.jp」の会員数が累計250万人を突破しましたが、ユーザーの声を聞いても本当に幅広い方に利用されていることを実感します。それはやはりオーディオブックを聴く環境が整ったことが大きいのではないかと思います。
上田: 先日、幣社から「オーディオブックと運動のデュアルタスクに、認知症予防トレーニングと同等の脳血流活性作用を新たに発見」というリリースを発表させていただきましたが、認知症予防のトレーニングにおける新たなツールとして期待できることが分かりました。
脳は楽しいと感じたり、学習意欲が上がっていて、好奇心が満たされていたりする状態だと活性化します。つまり、脳がアクティブに使えている状態ですね。オーディオブックは自分が求めていたり、好んでいたりする情報がまとまっていますから、より興味・関心が持続しやすく、脳がアクティブな状態を継続しやすいといえます。
また、オーディオブックを聴いていると、言葉の理解や表現を司る言語野が刺激され、言語能力が上がるという効果もあります。読解力などのアップにつながるわけですから、当然仕事の能力にもいい影響があると考えられます。
上田: そうですね。私の感覚としても、以前と比較すると本を読むのが苦手な人が増えていると思うんです。動画やSNSの短文に慣れてしまって、長い文章を読むと疲れてしまったりして。
そういう人は、オーディオブックと本を同時に読むということをことしてみてほしいです。比較的スピーディーに読解力が上がっていくはずです。
上田: 最近は、オーディオブックを社員教育の一環として利用する会社が増えています。
やはりインプットなくしてイノベーションは起きませんから、会社を前進させるためには社員が勉強しなくてはいけない。だけれども、他人を勉強させるってそう簡単ではないですよね。
なぜ勉強はつらいのか考えたとき、一つの理由として目を使うからだと思うんです。普段のパソコン仕事で目を酷使している中で、さらに目を使って何かを学ぶ力はもう残っていないのではないでしょうか。
そうであれば、耳がソリューションになるわけです。人が本を読んだとき、目で文字を見てそれを頭の中で音声に変換し、言語として理解します。脳の領域で言うと、視覚野、聴覚野、言語野という3つの領域をフル稼働している状態です。だから、当然脳は疲れます。
でも、オーディオブックの場合は「目で文字を見て、頭の中で音声に変換する」という過程を飛ばすことができるので、脳の負担が軽くなるんです。だから、端的に言うと勉強や読書に対するハードルが一気に下がるんですね。そうなると、勉強に対するモチベーションも変わってくる。
幣社でも「audiobook.jp」の法人版を展開していますが、研修の教科書として本とオーディオブックを同時配布することによって教育効果を上げている会社もあります。また、研修の参考文献や関連図書のオーディオブックを社員に聴いてもらうことで、研修の内容をより深く、そして効率的に理解してもらうことができています。
■「audiobook.jp」創業者がおすすめする「3冊のオーディオブック」
上田: オトバンクを創業したきっかけは、私の祖父が緑内障で失明してしまったことでした。
祖父は私が大学に入る前に亡くなりましたが、とても本が好きで、書斎にはたくさんの本がありました。しかし、私は祖父が読書を楽しんでいる姿を見たことはありません。私が見ていた祖父の姿は、テレビの真横にあったソファに座って、耳でニュースや野球中継を聴いている姿でした。
でも、そんな祖父から「本が読めない寂しさ」というのは感じるわけです。何かしてあげたいという思いもありましたが、何もしてあげられないまま祖父は亡くなり、くすぶった気持ちを抱えていました。
そして、大学3年生になり、就職活動へ向けて自己分析をしたときに、その気持ちを思い出したんです。さっそくNPOを立ち上げて目の見えない方々に朗読する活動をしようと考えたのですが、市場調査をしたり、盲学校、点字図書館に話を聞きにいったりする中で、実は目が見えない人でも本を楽しめる手段があるということを知ったんです。
いわゆる朗読のカセットテープやCDですね。それが点字図書館から借りることができたというんです。ただ、そうしたことを、私を含めて家族は誰も知らなかった。その事実に直面して、仮に自分が朗読NPOを立ち上げても、知られなければ問題は解決できないと気づかされました。
まずは目が見える方々にオーディオブックを広げる必要がある。そうしないと失明した方の家族にも届かない。目が見える方々に聞く文化を広げることによって、その先にいる目が不自由な方々ですとか、困っている方々に届くのではないかと思ったんです。
上田: そうです。会社組織にしたのは、ビジネスとしてしっかり利益を上げていくことで、サービスもどんどん拡充できますし、より広げられると思ったからです。もともと政治家を志していた身ですが、そういう経緯があり、起業家として立身することになりました。
上田: そうですね。創業当初は特に難しかったです。出版社に本をオーディオブックにしたいと提案に行っても、しばらくは相手にされませんでした。
また、日本では1980年代にカセットブックを流行らせようとして、出版業界が失敗したという歴史があります。それから20年経って、その当時の担当者が私の対応をするのですが、年齢も重ねてそれなりに役職もついていらっしゃる方が多くて、大学生の私はよく説教をされました(笑)。
それでも、何度もその人たちの元に通って話を聞いて、少しずつ仲良くなっていって、信頼を築いていきました。そして、会社を創業してから3年目の2007年に、「audiobook.jp」の前身となる「FeBe」をオープンすることになったんです。当時のオーディオブックのタイトル数は1000タイトルくらいでしたが、それから15年で日本語書籍として日本一のオーディオブック書籍ラインナップ数を誇るようになりました。
上田: 「audiobook.jp」のユーザー層から言うと、20代から40代のビジネスパーソンがビジネス書を耳で勉強しているという傾向はありますが、最近ではそういった方々にとどまらず、シニア層のユーザーがかなり増えていますね。コンテンツが拡充していくことで、聴き方も幅広くなっている印象です。
上田: スティーブン・R・コヴィーさんの『完訳 7つの習慣』、ひろゆきさんの『1%の努力』、あとは岸見一郎さんと古賀史健さんの『嫌われる勇気』もロングセラーですね。
また、意外なところでは講談社のブルーバックスのシリーズも人気ですし、シニア層の利用が増えてきたこともあり、養老孟司さんのベストセラー『バカの壁』も聴かれていますね。『サピエンス全史』をはじめとしたユヴァル・ノア・ハラリさんの本も人気があります。こういった作品が人気になっているのは、教養を身につけたいというニーズがあるからではないかと思います。
上田: まずは私の座右の書でもあるミヒャエル・エンデの『モモ』ですね。児童文学ですが、大人が聴いても学びがある。時間の大切さを再認識させられる一冊です。また、子どもの頃に読んだことがあるという人は、ぜひオーディオブック版の『モモ』を聴いてみてほしいです。感じ方が変わっているのではないかと思います。
2冊目はデール・カーネギーの『人を動かす』を挙げます。人を動かす立場にあるリーダー層はもちろんのこと、若手からベテランまで全てのビジネスパーソンにおすすめです。結局仕事というのはコミュニケーションなんですよね。誰かを動かして仕事は進む。その意味では、全ての根幹を成している一冊だと思います。
最後は瀧本哲史さんの『僕は君たちに武器を配りたい』です。瀧本さんはオトバンクの共同創業者であり、社外取締役としてずっと指導していただきました。その瀧本さんの思想の原点がこの本に詰まっています。
この3冊はこれからオーディオブックを使ってみようと思っている人にもおすすめですので、ぜひ選ぶ際の参考にしてもらいたいなと思います。
上田: まずは忙しくて本があまり読めなくなってしまった方、本を読みたいけれどどうしても苦手な方。こういった方々はオーディオブックを即始めたほうがいいですね。間違いなく読めるようになります。
また、仕事柄、目と手を使って耳が空いている方にもおすすめです。ユーザーの声を聞くと、農家の方で農作業をしながら聴いていたり、ランニングが趣味で走っているときに聴いているという方もいます。あとは車の運転時間が多い方も。耳のすきま時間を活用することで、人生は豊かになります。
最後に、高齢者の方にも積極的に使っていただきたいですね。高齢の親御さんがいるという方は、ぜひオーディオブックをすすめていただいて、本の世界を楽しんでいただきたいです。また、先ほどもお話した通り、認知症予防のツールとしても期待されていますから、ぜひ運動と合わせて使ってみてほしいですね。
(了)
■「audiobook.jp」のご案内
気になるあのタイトルがきっとある!
日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」はこちらから
https://www.audiobook.jp
■『超効率耳勉強法』購入特典情報
「audiobook.jp」聴き放題プランが1ヶ月無料で体験可能!本書で紹介されている「耳勉強法」を早速試してみましょう。日本最大級のラインナップから気になるタイトルがきっと見つかります。ぜひ試してみてください。
詳細は本書巻末に掲載されている購入特典ページ及びQRコードより。
上田 渉(うえだ・わたる)
株式会社オトバンク代表取締役会長。
日本オーディオブック協議会常任理事。 Twitter@wataruueda
1980年神奈川生まれ。東京大学経済学部経営学科中退。在学中から複数のNPO(代表例は、かものはしプロジェクト)の立ち上げ・IT企業の経営を経て、2004年にオトバンクを創業し、代表取締役に就任。
私立名門中学に入学したが、挫折し落ちこぼれる。高校3年生の時には全国模試での偏差値が30、教師からも見放されたが、音声を活用した勉強法を駆使し、2浪の後、東京大学に合格。緑内障で失明していた祖父の影響で、目の不自由な人のためにもなる仕事をやりたいと強く思うようになる。自身が受験時代の勉強法として活用した音声学習もヒントに、オトバンクを創業。 日本一のオーディオブック書籍ラインナップ数を配信する「audiobook.jp」を運営し、2022年に会員数250万人を突破。電子出版アワード2021デジタル・インフラ賞、エクセレント・サービス賞ノミネート(日本電子出版協会)など、多数の表彰歴を持つ。公共図書館へのオーディオブックサービスの提供や、社員教育向け「audiobook.jp法人版」も開始。読書バリアフリー法の施行に伴い、日本最大のオーディオブック事業者として「聞く文化」の普及・拡大に努めている。自身もオーディオブックの愛好家として知られ、聴取時間は1万時間を超える。
著書に『脳が良くなる耳勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『勉強革命!』(マガジンハウス)、『ノマド出張仕事術』(実業之日本社)、『20代でムダな失敗をしないための逆転思考』(日本経済新聞出版社)等多数がある。