未来をイメージできれば人生は変わる
「君しかいない!」と言われる人になる

「君しかいない!」と言われる人になる

著者:今井 孝
出版:イースト・プレス
価格:1,540円(税込)

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本書の解説

変化が激しいと言われる現代において、私たち自身もその変化に対応して、変わっていかなければいけないとされています。

しかし、人間そう簡単に変わることができないということも事実。加えて、新たな感染症であったり、先行き不透明な社会であったり、さまざまな問題がのしかかっています。これでは新たなチャレンジをしようとしても、不安が勝るのは当然のこと。
それでも不安から抜け出して、人生に変化を起こすにはどうすればいいのでしょうか。

マーケティング・コンサルタントの今井孝さんは『「君しかいない!」と言われる人になる 何があっても食いっぱぐれないための起業家的習慣』(イースト・プレス刊)の中で、「イメージできる未来があることが人生を切り拓く」として、未来をイメージできるようになる「起業家習慣」をつくり上げる方法を51のステップを通して伝授します。

ここでは、「人生に変化を起こすためのステップ」という項目から3つ、ピックアップしていきます。

違和感に気づくことから始めよう

最初のステップは「違和感に気づくこと」。
ビジネスで活躍をしている人たちを見ると、やりたいことが明確です。では、やりたいことがない自分はダメなのかというと、そんなことはありません。世の中には、やりたいことがある人よりもない人の方が圧倒的に多いのです。だから、やりたいことがない自分をいけないと思わないでください。

ですが、やりたいことがあった方がイメージは膨らみますよね。それを見つけるにはどうすればいいのか。やりたいことを探す前に、日常でガマンしている嫌なことを見つけましょう。

満員電車に乗ること。事務的な仕事。形式的な打ち合わせ。
嫌なことをガマンしていると、その状態に脳が慣れてしまい、感覚が鈍っていきます。それは同時に楽しさや喜びに対する感度も下げることになります。

その感度を取り戻すのがこの最初のステップ。具体的には日頃感じている小さな違和感を書き出し、自分のエネルギーを吸収しているものを探りましょう。「嫌だと思ってはいけない」と考える必要はありません。「嫌なものは嫌」から人生は変わるのです。

自分がしてきたことに誇りを持とう

「自分なんて大した仕事をしていない」と思っていませんか? 実はこうした自信のなさも人生を変えるための障害になっています。

自分の仕事に誇りを持つことは、人生を変えるために大切なこと。今井さんは「素晴らしい仕事をされていますね」という一言から仕事に誇りを取り戻し、仕事だけでなく様々なことに挑戦を始めたシステムエンジニアの例をあげ、自信を持つことの大切さを教えます。

日々同じことの繰り返しで褒められることも少ないとなると、自分自身を認めづらくなります。ですが、そうなると余計に塞ぎ込んでいくだけ。「自分は置かれた場所で、できる限りの仕事をしているんだろうか」と自問し、仕事に誇りを持てるような姿勢で働くことができるようになれば、その先は大きく変わるはずです。

3年後のプロフィールを書いてみよう

今の自分のプロフィールは書けるでしょう。では、3年後の自分のプロフィールを書くことはできますか?

3年後に理想の仕事をしている自分には、どんどん仕事が舞い込んできます。では、依頼した相手はどんな実績を見て、自分にお願いしようと決めたのでしょうか。困難なプロジェクトを成功させた、SNSのフォロワーが数十万人いるなど、具体的に挙げてみましょう。

未来のプロフィールによって自分の目指す姿が明確化されれば、何をすべきか具体的になります。そして、その未来に突き進んでいくエネルギーも湧いてくるはずですし、今日やる仕事に対する取り組み方も変化が出てくるでしょう。

「自分が行きたい場所があるなら、いまの持ち場で一生懸命に励んで実績をつくることが早道」と今井さん。まずやるべきことは、目の前の仕事で上司や同僚を驚かすことなのかもしれません。

このように本書では、自分の未来をイメージし、行動に移すためのステップがつづられています。

もちろん最初は「3年後のプロフィールを書いてみよう」というような難易度の高いものではなく、「違和感に気づくことから始めよう」「嫌なことをがんばっている自分を褒めてみよう」といった、やりやすいものから始まります。

今の自分を変えたい。でも変えられない。そう悩んでいるのは自分だけではありません。そして、本書は変わるための手助けをしてくれる一冊。少しずつ、だけど着実に前に進むために実践してみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

インタビュー

■理想の自分になるための「秘密のルート」は誰でも辿れる

まず、本書を執筆された経緯から教えてください。

今井: もともと私は、起業やマーケティングに関する本を書いてきたのですが、それらはやりたいことがあって動き始めている人や、すでにビジネスをしている人向けでした。

一方で、そうではない人たち、つまり「動かないといけない」と思いながらも、何をしていいのか分からない人たちもいます。成功者の話を読んでもなかなか自分事にしにくいし、遠い世界のように感じられるじゃないですか。そういった人たち向けの本って実はあまりないと思っていました。

そこで、今やりたいことが見つからない人が、一からやりたいことを見つけて、最終的には「君しかいないんだ」と言われる人になるために、何をやっていけばいいのかが分かる本を書こうと。

おっしゃる通り、人生を変えたいけれどなかなか一歩を踏み出せない人は多いと思います。

今井: そうですね。漠然と日々を過ごしているという人は多いと思います。そうした人たちが、何の足がかりもないところから、自分自身の価値に気づき、やりたいことを見つけていくというステップを踏む手助けになってほしいと思って本書を執筆しました。

この本の読者になるような方が今井さんの周囲にいらっしゃったのですか?

今井: いえ、実は一番の読者ターゲットとしてイメージしたのは過去の自分なんです。

入社1、2年目の頃は、経営者やベンチャー起業家などの憧れの人がいましたが、全く別世界にいるようで、そこに到達できる気がしませんでした。

しかし、年齢と経験を重ねる中でそこに至れる秘密のルートを見つけたわけですが、それは同時に誰でも辿ることができるルートだったんですね。しかも、今日からできることの中に、実はそのルートの一歩目がある。それが最短のルートだったんだと。

この本はそのルートを一歩一歩前進していくための手助けをしてくれる一冊ですね。

今井: そうですね。本書で一番気を付けたのは、必ず今できることが一つ以上はあるのだと示すことです。それを実践してもらいたいなと。

本書には自分の人生を生きていくための51のステップが書かれていますが、そのステップ一つ一つに「小さなことから試してみよう!」という、具体的な行動や習慣を付記しています。

今日でも明日でも、その中からできることを見つけて実際に行動をしてもらいたい。それは実は成功している人たちも実践していたことだったりするんですね。ただ、そういった細かい習慣や行動はあまり書かれることがないので、他の本にはあまり見られないポイントかなと思います。

例えば、「一緒にいると疲れる人を5人リストアップする」とか「普段は観ない映画を1本観てみる」など、すぐにできそうなアクションリストが300個以上載っています。

書籍のサブタイトルにある「起業家的習慣」とは、まさのこの「小さなステップをすぐに行動に移す」ということだと思いますが、この「起業家的習慣」を身につけることで、どんな風に人生は変わるのですか?

今井: 最終的には「君しかいない」と言われて、どこでも食べていける人になることを目指しています。

なぜ「起業家的」と「的」を入れたのかと言うと、この本では起業家になりましょうとは言っていません。会社を辞めて、独立をして自分で食べていってもいいし、中から会社を動かして、自分の好きなことをやってもいい。

つまり、生き方として「起業家的」であることが大切だと思っています。それによって、自分の人生をコントロールできるようになるというのが、最大の利点ですね。

だから、人に指示をされて仕事をしていきたいというのであれば、この習慣は要らないと思います。漠然ながらも自分の生きたい人生があるのであれば、身につけたほうがいいのかなと。

自分の人生をコントロールできるようになるための習慣ですね。

今井: まさに、そういう意味です。

今井さんご自身も起業をされていますが、自分の人生をコントロールできている感覚は持たれていらっしゃるのですか?

今井: そうですね。今は自分の決めたことは必ず達成するということができています。これは成功している人ならその感覚が分かると思うのですが、決めた通りに人生が進んでいるように感じています。

上手くいかないということはないんですか?

今井: もちろん上手くいかないこともありますが、それも想定の範囲でのことです。ある程度の失敗を許容しつつ、決めた通りに進んでいる。だから一つの失敗に精神的ダメージはないですね。

また、自分がコントロールできることとできないことを明確に分けることも重要です。
自分がコントロールでることだけに集中し、コントロールできないことには執着しません。

本書で、この切り分けが分かるので、無駄なエネルギーを使わずに、それこそ最短ルートで理想の未来に到達できるでしょう。

本書には51のステップが書かれています。今井さんもこのステップを辿られたと思うのですが、ご自身で変化を実感できた瞬間はどのステップだったか教えていただけますか?

今井: 基本的には全部のステップで変化を感じられます。例えば、序盤にあるステップ5の「上司からの評価を手放してみよう」などは、とても効果を感じられるでしょう。

やはり良い評価を受けたいと思って、上司の目を気にしながら仕事をする人も多いと思うんですけど、それで空回りしちゃうことも多いですよね。

私はもう割り切って、年間の仕事の計画や会社の目標シートに書かれた仕事以外はしないようにしていました。派手で目立ちそうな仕事も手を出さず、とにかく決めたことをやり抜くということを徹底していたんですね。そうしたら、会社としてはしっかりと仕事をしてくれているし、上司からも目標をしっかり達成できているということで、高い評価をもらえたんです。それに仕事を無暗に増やさないので、自分の時間も増えます。そういうことができましたね。

上司からの評価って、会社員として働いている以上は絶対的だと思うんですね。そこで給料が決まるということもあります。そういう意味では、「評価を手放す」のは怖いことではないかと思います。

今井: 確かにそれはあるかもしれませんね。ただ、まったく評価なんて要らないと投げやりになることではないので誤解のないようにお願いします。

良くないのは、評価されることに意識が行き過ぎることです。上司に評価してもらおうと、あれこれ手を尽くしても空回りしてしまうだけですからね。例えば、残業して頑張っている姿を見せるとか。そういうことをやめると、結果的に評価され認められますので、驚くかもしれません。

■「なりたい自分」がない。そんな時は「自分を知ること」から始めよう

本書の冒頭で「『イメージできる未来』が人生を変える」と書かれていて、5章では自分の理想の未来を想像するステップに入ってきます。この未来へのイメージって、若い人の特権で、ある程度年齢を重ねると輝かしい未来を想像することは結構難しいように感じるんですね。その点についてはどのようにお考えでしょうか。

今井: もちろん、理想の未来をイメージするのに年齢は関係ありません。私のクライアントの多くも、40代、50代から起業・副業を始めています。
ですので、自分の年齢に合わせて、たとえば30代後半だったら40歳にこうなって、50歳にこうなっていたらいいという未来を描いたほうがいいと思います。今から自分はどうなりたいかを制約をつけずに自由にイメージしてみてください。

その「なりたい自分」がない場合はどうすればいいですか? 将来のことをイメージしても、今以上のイメージがあまりできないというか。

今井: それは成功体験が不足しているのだと思います。そうなると大事なのが3章の「自分の価値に気づく」のステップですね。自分の価値に気づいたら「ちょっとできるんじゃないか」と思えてくるので、次に未来をイメージするという流れです。

なるほど。最初から未来をイメージするのではなく、自分を知ることから始める。

今井: そうです。だから、何もイメージができないという人は、1章から順にステップを踏んでいってください。エネルギーが湧いてきて、自分を肯定できるようになれば、未来も拓けてきます。ただ、日々仕事に忙殺されていると、なかなか難しいかもしれません。

そのために2章の「自分のための時間を手に入れる」というステップがあるわけですね。

今井: そうですね。時間を手に入れて、ちょっとでもいいから好きなことをやり始めて、自分が満たされたら未来へのエネルギーが湧いてきます。

そして、次に自分を棚卸して、自分って結構すごいことやってるじゃないかと認めて、そこからです。

今井さんご自身は、起業するときにどんな未来のイメージを持たれていましたか?

今井: 当時は「ナレッジを体系化しよう」という漠然としたイメージでしたね。そこでビジネスができればいいなと思って起業しましたが、紆余曲折あって今に至ります。当時思い描いた通りではありませんが、方向性は同じだなと。人を育てる、人の成長を促すことが好きなので、セミナーや書籍の執筆は自分にとって天職だと思っています。

何でもいいので新しいチャレンジをしたいと思っているけれど、なかなかその一歩が踏み出せないという人に向けて、アドバイスをいただきたいです。

今井: 本書のステップをイチからやっていってもらいたいですね。そして、自分の変化に気づいていってほしいです。

変化に気づくことですか。

今井: 先ほど5章は難しいという話が出ましたが、1章から順にやっていくと、5章が簡単だと思う瞬間が来るはずなんですよね。それは3ヶ月先かもしれないし、半年先かもしれませんが、実践していくうちに後半の章のハードルがどんどん下がっていくんです。だからこそ、1章から着実に進んでいってほしいなと。

この本に書かれているステップの一つ一つに、具体的に試してみることが複数書かれていますよね。これは全部やるべきなのでしょうか。それとも2、3個選んで実践するでもいいのでしょうか。

今井: そのステップができるようになることが大事なので、まずは1個やってみてほしいです。1個行動しただけでガラッと変わると思うんですよね。

また、「小さなことから試してみよう!」に書かれているアクションリストを見ているうちに、「自分はこうしよう」と新たなアクションが思いつくことあると思います。それを実践してみれば良いと思います。

特に漠然とやりたいことがないという人にとっては、「違和感に気づくことから始めよう」「嫌なことをがんばっている自分を褒めてみよう」といった言い方だけでは抽象的で何をしていいのか分からないと思うんです。

だから、例えば、「自分の『嫌いな仕事ランキング(1~5位)』を作ってみる」とか、「出社前に会社に行こうとする自分を褒めてみる」など、かなり具体的に試せることを書いています。これらをやってみることで、「こういうことか!」と腑に落ちると思います。

本書をどのような人に読んでほしいとお考えでしょうか。

今井: 何かをやりたい、人生を変えたいのに、何をしていいのか分からないという人たちにぜひ手に取っていただきたいです。そして今日できることがあるということに気づいてほしいです。

過去の自分を振り返ると、毎日会社と家の往復で、1日1日歳を取っていくのに状況が変わらず、焦っている感じがありました。おそらく、「今日も何もできなかった」という感覚から焦りが募るのだと思います。もしそういう方がいたら、本書を読んで少しでもできることがあると希望を感じてもらえたらすごく嬉しいですね。

ぜひ本書を実践してもらって、変化したことを報告してもらえたら嬉しいです。ステップを一つ一つ実践していったら、こんなに変わりましたとか、やりたいことが見つかりましたとか、そういう感想をいただきたいですね。皆さんがポジティブに、前向きに自分の人生を捉えられたというような、そういう報告が来るのを楽しみにしています。

(了)

書籍情報

目次

  1. 奪われたエネルギーを取り戻す
  2. 自分のための時間を手に入れる
  3. 自分の価値に気づく
  4. エネルギーを湧き上がらせる
  5. 理想の未来を妄想してみる
  6. チャンスを広げていく
  7. 応援してもらえる人になる
  8. 世の中に向けて発信していく

プロフィール

今井 孝(いまい・たかし)
今井 孝(いまい・たかし)

今井 孝(いまい・たかし)

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング 代表取締役。
大手IT企業にて、初年度に年商数億円を超える新規事業を起こし、社内アワードを受賞。その実績をもとに意気揚々と独立したものの、数百万円の赤字でいきなり挫折。その後、10年連続で300人以上が参加するセミナーを主催。トータルでは6,000人以上の参加者を集める。大きな結果を残す一方で、ビジネスの成功だけでは幸せに到達できないことを実感。「本当の成功と幸せとは何か」の探求を始める。そして、「ビジネスを通して誰かのために貢献し続けたい」という思いに到達し、ビジネスを心から楽しめるようになる。それらの経験から、現在はたくさんの経営者・起業家にビジネスの手法とマインドを伝えている。「今井さんの話を聞いたら安心する」「自分もできると思える」「勇気が湧いてくる」と高く支持されている。セミナーや講演の参加者は延べ3万人以上。著書『起業1年目の教科書』シリーズ(かんき出版)は累計発行部数10万部を超えている。
WEBサイト:https://carriageway.jp/

「君しかいない!」と言われる人になる

著者:今井 孝
出版:イースト・プレス
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