『3秒決断思考 やるか、すぐやるか。』
「複業で分業」をテーマに、100種類の事業を同時進行
鬼頭: 金川さんは30代の方だと伺っていたのですが、こうして対面してみると実年齢よりさらにお若く見えますね!
一発で年齢を当てられることはなかなかないですね(笑)。二浪の末に入った大学でも高校生っぽいと言われた事がありますし、監査法人の仕事をしていたときも、そういう固い仕事の人っぽくないと言われたりしました。
鬼頭: 金川さんほど若々しい方で、かつ成功されている方というのは、当番組のゲストとしてはレアなケースなんですけど、普段何か特別なことはされているんですか?
普段は特に何かを意識しているわけでもなく、自然体でいることが多いと思いますね。自分を取り立てて良く見せようとかも考えないですし、そこまでガツガツしたタイプでもないので、あまり経営者っぽく見られないんです。
鬼頭: なんだか新しい時代の社長さんの姿を思わされますね!そのお仕事についてなのですが、普段どのような活動をされているんですか?
まず僕の働き方に関するテーマとして、「複業で分業」という1つの決め事がありまして……。普段は不動産の売買や、広告代理店、出版、スクール関連など、複数の事業を同時に行っています。というのも、カメラマンである父親が、昔写真館を運営していたんですけど、スマートフォンやデジカメが流行るにつれて、売り上げどんどん下がっていってしまったんですね。それを見て僕は、本業を1つに絞るより、複数の事業に携わって「複業」で回していきたいと考えたんです。現在は、1つ1つの規模は決して大きくはないんですが、100種類近い数の事業を掛け持っています。
全科目で70~80点を狙うタイプ
鬼頭: 1つの事業が上手くいかないことをマイナスに捉えてしまう人も多いと思うんですけど、金川さんのように「じゃあ次はこうしてみよう!」という意識が持てると、良い循環が生まれそうですね。
1つの事に過度な期待を持たないからこそ、そう思えるのかもしれません。学業の方でも、全科目のテストで70~80点を狙うタイプでしたし、スポーツも野球やサッカー、ボクシング等を経験していたり、音楽では色々な楽器に挑戦してみたり……。とにかく1つの事に集中するという事があまりないですね。
鬼頭: そういったマルチな才能は、どのように培われてきたんでしょうか?
僕、小学校の頃マジシャンになりたかったんですけど、マジシャンって両手を使う関係で、両利きになった方がいいという事を後に知ったんです。そこで、もともとは右利きだったのを、左手の使い方も練習して、やがて両利きになりました。そんな経験から、手先が器用になったためか、左脳と右脳を上手く動かせるようになったような気がしています。
鬼頭: 同時に複数の事を……という考えは、小さい頃から持たれていたんですね。
そうですね。子供の頃から、とにかく色々な事に手を出してきました。習い事も色々回って、出来そうなことはとことん挑戦してみるタイプの子供でしたね。
理屈よりも「感情の判断」を大切に
鬼頭: 複数の事業を同時に抱えると、結局全てが中途半端でいまいちな結果に終わってしまう……という方は少なくないと思うのですが、金川さんが全体的に成功されている要因というのは一体どこにあるんでしょうか?
おそらく決断が人一倍速いという事と、あとは一回行動したら絶対諦めない事ですかね。どんな事でも最後までやり切るタイプです。途中で挫折したみたいなことが、今までの人生の中ではありませんね。
鬼頭: それは確かに重要な事ですよね。私は結構簡単に諦めてしまうタイプなので、すぐに「これはもういいや、こっちやろう」って思ってしまいます(笑)。決断のスピードについては、今回の本のタイトルに「3秒決断思考」とありますが、この「3」という数字にはどのような意味があるんでしょうか?
単純に「3」という数字が個人的に好きな事と、あとは何かの決断を迫られた時って3秒あれば大体の事は決められるかなぁという感覚的な意味の数字ですね。
鬼頭: なんだか3秒という響きだけ聴くと、とても短く感じますけど、実際に数えてみると意外と考えられそうですね。
そうですね。むしろ僕の場合は、「やりたいか、やりたくないか」で即決してしまいますので、3秒も要らないんじゃないかとも思っています。「出来るか、出来ないか」で考えてしまうと、どうしても3秒を越えてしまうので、僕は理屈よりも感情の判断に身を委ねるようにしています。