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本が好きっ! 鬼頭あゆみのインタビューラジオ

『本が好きっ!』は、話題の本の著者をゲストに招いてお送りするインタビュー番組です。本についてはもちろん、著者の人となりや、成功体験、考え方、ビジネスのちょっとした気づきやなど、聞いて役立つトークをたっぷりお届けします。

ゲスト: 不動産コンサルタント 福田 郁雄さん

『不動産バブル崩壊! その時こそがチャンス! ! 5%の“勝ち組”投資術』

福田郁雄さん鬼頭あゆみの写真

人は「デメリット」を過剰に感じやすい

鬼頭: 実はこれまで不動産投資系の本を読んだことがなくて、不動産投資というのは正直得体の知れないものだったんですけど、この本を読んだら、不動産にもちゃんと法則があって、もしかしたら素人の私でも関わる事が出来るかも・・・という気になれました!

福田: それは嬉しいですね~。私は普段、プロの方に講演する事が多いんですけど、今回の執筆にあたって、一般の方にも不動産投資をもっとよく知ってもらいたいという思いがあったんですよ。よく「不動産投資ってよく分からない」「不動産投資って職人技じゃないの?」「怖いから関わろうと思わない」とおっしゃる方がいるんですけど、不動産投資自体は投資の「王道」なんです。ですから知っておいて損はないかなぁと思うんですよね。

鬼頭: 不動産投資って株投資やFXより王道なものなんですね。

福田: そうですね。私自身もいろんな投資を行ってきましたが、不動産以外の投資関係は全部「負け」でした。なぜならそれらは「投資」ではなく「投機」だったからなんです。「投機」というのは簡単に言ったら、短期的に勝つか負けるかという世界での取引を言います。株の短期売買やFX、競馬、宝くじなどがそうですね。一方「投資」というのは、その場の勝ち負けではなく、長期に渡る運用により、収入を得ていくための経営手段を指します。

鬼頭: なるほど。では、「投資」についてなんですけど、初心者の方の中で不動産投資について勉強したものの、お金を出すという最後の一歩を踏み出せずにいる方は結構多いと思うんです。それについてはどう思われますか?

福田: 初心者の方はどうしても投資する際のメリットよりデメリットを大きく感じてしまいがちです。ですから、そこで動けなくなってしまう人が多いように思います。デメリットを過剰にイメージすることなく、メリットの方が上回る可能性を「数値」で「冷徹」に判断していく、というのがそもそもの投資の考え方なんですよ。

福田郁雄さん鬼頭あゆみの写真

「上がったら下がる」不動産市況の法則

鬼頭: 続いて現在の不動産市況についてなんですが、素人の私から見ても、価格が高騰している現状はなんとなく分かります。ですが、本のタイトルには「不動産バブル崩壊」とありますよね。これから本当に下落していくんでしょうか?

福田: これまでの不動産市況の法則として、上がったものは必ず下がるようになっているんですよ。そもそもなぜ不動産バブルが起こったかというと「異次元の」金融緩和が決行されたためなんです。初めは企業にお金を流して経済を発展させようという目論見でしたが、企業側はお金をなかなか借りてくれず、新規の投資というのも需要が見えなかったため、その結果、不動産市場にお金がじゃぶじゃぶ流れ込んできました。そして、ある程度価格が上がってくると、「もっと上がるんじゃないかな?」と思う人が出てきて、さらに市場が拡大していったんです。

鬼頭: ということは、現在はもう天井くらいにまで達しているんでしょうか。

福田: 断言は出来ないというのが本当のところなんですけど、不動産投資においても「先行指標」というデータとして取れます。今や不動産は金融商品とほぼ同じなので、指標を取る際、銀行の姿勢が大きく関わってくるんです。銀行が貸し出しを多くしたら不動産市場は大きくなるし、逆にタイトにしたら一気に萎んでいく。不動産市場はこの繰り返しになっています。

鬼頭: なるほど。ではこのバブルが崩壊するタイミングについてなんですが、「2019年」と本の中にありました。崩壊する原因についてはどう考えていますか?

福田: 確率論になりますが、今私の頭の中では3つのシナリオを考えています。1つ目のシナリオは、現在の金融緩和が終了し、デフレ脱却は失敗に終わること。その煽りを受けて、力を失った銀行は不動産への貸出がタイトになり、不動産バブルが崩壊していく・・・。7割くらいの確率でこの流れになると考えています。2つ目は、私の希望でもあるんですけど、今の居心地の良いインフレが進んで、物価が上がり、不動産価格も順調に上がっていくという、政府が狙っているハッピーエンド。これが大体2割ですね。残り1割は、物価が一気に跳ね上がるハイパーインフレ、つまり貨幣価値が急落する可能性です。その時に不動産を持っていた人は、借金額は変わらず、家賃だけ上昇するのでボロ儲け出来ますね(笑)

福田郁雄さん写真

不動産バブル崩壊までにやっておくべき事

鬼頭: バブルが崩壊するという事は、まだ不動産を持っていない人も今後買えるタイミングが来るという事ですよね?

福田: そうなんですよ。逆に給料が上がってもいないのにインフレが進んでしまうと、だんだん買いにくくなってきますよね。だからデフレ自体もそんなに悪い事ではないなぁと思っています。また、金利が下がってくると、不動産価格は上がっていくんですよ。銀行のローンを考えてみてください。金利が下がると、買い手はローンをたくさん借りられるようになります。ローンをたくさん借りられればその分高く売れるので、業者は物件価格を上げる事になります。逆にこれから金利が上がっていくのであれば、不動産価格は下がっていくことになります。

鬼頭: そういう事なんですね。そこで、これから投資をするにあたってなんですけど、今やっておくべき事の1つとして「キャッシュを貯めておく」という事が本の中で挙げられていました。これはどうしてですか?

福田: 先程も似たようなことを言いましたが、不動産市場の動向というのは銀行がどう思うかにかかっているんです。なので、銀行からお金を借りやすい状態にしておくというのがポイントですね。ほとんどの人は自己資金じゃなくて銀行からお金を借りて投資を始めます。リスクが高過ぎるのでオススメは出来ないですけど、中には全額ローンで開始する人もいます。

鬼頭: 全額ローンもできるんですね!?でもお金を借りやすくするには、やはりある程度の資産が必要なんでしょうか?

福田: 資産というのは2種類あって、不動産のような「物の資産」と、「人的資産」というものに分けられます。稼ぐ力のある人に銀行はお金を貸したくなりますよね。なので、今ある物の資産だけではなく、ある程度安定した企業で高所得を得ている資産価値のある人を、銀行は高く評価します。

鬼頭: へぇー!じゃあ一般のサラリーマンの方でもお金を貸してもらいやすい状況というのは作れるんですね。

福田: そうなりますね。ただし、サラリーマンの方が自分の人的資産だけを頼りに・・・というのもやはりリスクはありますよ。今の会社の業績が長続きするとは限らないし、突然リストラされてしまう等、色々な環境の変化が考えられます。なので、本来はある程度の資産背景があった方がリスクヘッジになりますね。とはいえ、資産の少ない一般のサラリーマンで成功している人がいるというのもまた事実なので、少しでもリスクを減らすために、より深く不動産について学んで頂きたいと思います。

鬼頭: まさに、そのために書かれた一冊という訳ですね!

著者プロフィール

福田郁雄

1959年生まれ。ミサワホーム株式会社で教育研修、定期借地権事業の創設、支店経営、資産活用事業の創設などに携わった後、2004年に「株式会社福田財産コンサル」を設立。 資産3億円以上の資産家を対象に、相続対策、不動産、投資の「戦略コンサルティング」を行っている。独立系コンサルとして、フリーな立場で依頼者本位の「資産設計」に強みを持つ。その取り扱い資産総額は1,200億円を超える。(公財)不動産流通推進センターが推進している不動産コンサルタント(公認不動産コンサルティングマスター)育成に協力し、「不動産コンサルティング技能試験 試験アドバイザー」「不動産コンサルティング入門研修 統括講師」「相続対策専門士統括講師」を務めている。

今回のパーソナリティプロフィール

鬼頭あゆみ

1976年、愛知県生まれ。フリーアナウンサー。活動拠点を東京に移す前は、東海テレビ放送のアナウンサーとして、主にニュース番組、プロ野球番組などを担当。フリーに転身後は、TBS「サンデーモーニング」やNHK「探検ロマン世界遺産」などに出演。

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