不動産投資の最適解
~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~
著者:大石 啓太
出版:パノラボ
価格:1,650円(税込)
著者:大石 啓太
出版:パノラボ
価格:1,650円(税込)
国の主導で「貯蓄から投資へ」という流れができ、これまで投資や資産運用に関心がなかった人も余剰資金を投資に振り向けるようになっている。長いデフレから脱却し、ようやく賃金が上がり始めたとされる日本だが、この賃上げ傾向がいつまで続くのかはわからないし、インフレはインフレで貯蓄の価値を目減りさせる。結局のところ、投資はやらざるをえないのかもしれない。
投資先としては、積立NISAをはじめとする株式ばかりが注目されるが、忘れてはいけないのが不動産である。不動産はインフレに強く、安定したキャッシュを生み出す。減税にもなり、団体信用保険を活用した生命保険としての保障効果もある。「普通の勤め人」にとって魅力が多い投資なのだ。
しかし、不動産投資は素人にとっては敷居が高く感じるのも確かである。そして、様々な人がさまざまな成功法を語っており、何が正解なのかもよくわからない。しかし、実際のところ不動産投資の「勝ち筋」はある程度決まっている。
『不動産投資の最適解~家賃収入×節税効果で手取り額を確実に増やす方法~』(大石啓太著、パノラボ刊)は、会社勤めのかたわらで不動産投資をする人に向けての最適解を解説する。
不動産投資をする人の心理としては「大儲けしたい」というよりも「失敗したくない」「できる限りリスクは回避したい」ではないだろうか。コツコツと、しかし着実に資産を増やしていく、ということであれば、正解はある程度定まっている。
本書では、その勝ち筋とは「東京の中古区分マンションを購入すること。それも可能であれば複数購入すること」だとしている。
まず立地だが、人口減少社会の日本でも東京への人口流入は進んでおり、賃貸需要が先細ることは考えにくい。これは安定した収益を得る大前提である。
また、会社勤めをしている人の年収を考えると、アパートやマンションの「一棟買い」は現実的ではないし、戸建て物件は空室リスクが高い。自ずと投資する物件は区分マンション、かつ新築時の割高な価格設定による価値の急落を経験し、今後の価値の下落が起きにくい中古物件、それも単身者の増加により安定した賃貸需要が見込めるワンルームに絞られる。
そして、まず一つの物件に投資をして、それが軌道に乗ったら二つめ三つ目と投資先物件を増やしていくことでリスクの分散ができる。これが、本書で推奨している兼業不動産投資家の勝ち筋である。
ただ、いくらワンルームで、なおかつローンを組めるとはいえ、都心部に不動産を持つのは勇気がいるものかもしれない。実際には、どれほどの自己資金が必要になるのだろうか。
ここで知っておきたいのは、ワンルームマンションに投資する場合、物件価格の100%まで融資を受けられる場合があること。それゆえ、一般的な2000~3000万円ほどの物件も、物件購入費以外の諸費用をまかなえるだけの自己資金があればスタートできるということだ。決して、都心にワンルームを持つことは、「ハードルが高い選択」というわけではない。
◇
一方で、不動産投資は物件を買いさえすれば安定した収益が見込めるほど甘いものでもない。立地選びから運営まで、知っておくべきことは山ほどある。本書では、ここで紹介した「勝ち筋」をより確実なものにするための、細かな知識を授けていく。
「大変そう」「失敗した時のリスクが高い」「お金がかかりすぎる」といったイメージで尻込みしている人は、本書を読めば「あれ?意外とできそうかも」と思えるはず。投資を考えているものの何をすればいいかわからない人や、不動産投資を検討している人にとって絶好の教科書となる一冊だ。
■都内のワンルームマンション投資 毎月の想定収支は?
大石: 私はこの業界で約20年働いていますが、この本で書いたようなやり方で不動産を持ったお客さんで大きなマイナスが出てしまった方はほとんどいませんし、皆さん家賃収入はもちろん、節税効果であったり、生命保険としての機能であったりと、不動産を持つことで得られるものをしっかり得ています。そういう事例を間近で見てきていますので、会社勤めの方にはおすすめできるやり方だと考えています。
大石: バブル当時とは不動産ビジネスのやり方が違う点も重要です。当時は不動産を買ってすぐに売却し、利ザヤを稼ぐという運用の仕方だったのですが、今は賃貸に回して家賃収入を得るという、資産運用目的で不動産を取得する方が主流です。不動産業界には大きな変化はないですが、ビジネスの仕方は当時とは大きく変わっています。
大石: 一番大きいのは「放っておけること」でしょうね。
大石: それもありますが、精神的に放っておけるのも大きいです。不動産投資専用の口座を作ってしまえば、そこに家賃が振り込まれて、引き落としもそこからされて、税金などの還付もそこに入るので、日常生活の収支と切り分けられるわけです。
そうなると、家計からの持ち出しがあるかどうかも、逆にどのくらい収益が出ているのかも一目瞭然なので、普段の生活で気を使わなくていい、という意味で放っておけるんです。
大石: あとは修繕積立金ですかね。ただ、今回の本で紹介しているのはワンルームマンションへの投資なのですが、ファミリー向けの物件と違って、管理費も修繕積立金も毎月1万円ちょっとくらいですから、さほど負担にはならないと思います。
大石: 都内の中古ワンルームマンションですと、家賃からローンと管理費、修繕積立金を差し引くと若干のコストは発生しますが、一般的な会社員の年収であればさして負担にはならない程度です。そこにプラスして固定資産税が年間で7万円から8万円出ていく、という感じですね。
ただ、固定資産税の通知が来るのって6月くらいなんですよ。不動産投資をされている方なら確定申告をしているはずで、期限までに申告していれば還付金は4月か5月には入っているので、固定資産税についてはそれでペイできると思います。
■不動産投資なら貯蓄よりも圧倒的に確実に「老後2000万円」を実現できる
大石: 節税効果という点では、もちろん年収が多ければ多いほどメリットは大きいです。ただ、不動産投資は節税目的だけではなく、資産運用という目的もあるわけで、その意味ではたとえば年収500万円とか600万円の方もやる意味はあると思います。
「老後2000万円問題」というのが以前に話題になりましたが、毎月少しずつ貯金して老後までに2000万円貯めるというのは現実的ではないという方も多いはずです。でも、不動産投資であれば、先ほどの説明にもあったように、家賃収入からローンや管理費を引いて、実質1万数千円の出費で将来的に無借金のマンションを持てるわけです。資産を作るという意味では当然そちらの方が効率がいいので、年収にかかわらず不動産は持っていただいていいのではないかと考えています。
大石: 車でも不動産でも同じですが、「新品」というだけでプレミア価格がつくんですよ。少しでも使ったら、そのプレミア価値はなくなって、そこから先は価値の下落は緩やかになります。ならば、そのタイミングにある物件を買った方がいい、という理屈です。
大石: たとえば築10年で、都心から少し外れた練馬区や板橋区などを探すと、賃貸需要があり、なおかつ手の届く価格帯の物件が見つかりやすいといえます。かならずしも山手線の内側のような「一等地」じゃないと借り手がつかないわけではないんです。むしろ、ワンルームを賃貸する人のボリュームゾーンを考えると、会社勤めをしていて独身の方、しかも平均的な年収の方でしょうから、山手線の外側の方が需要はあるでしょう。
だから、かならずしも東京である必要もなく、都心へのアクセスを考えると、川口や浦和、あるいは川崎などを候補にしてもいいと思います。
大石: 金利が上がればローンの返済額は増えますから、金利問題が不動産投資に与える影響はゼロではもちろんありません。一方で、金利が上がるタイミングってその他のものの物価も上がっているタイミングでもあるので、不動産そのものの価格も上がっていますし、家賃相場も上がっている。となると金利が上がっても同時に家賃収入も増えているケースが多いのではないかと思います。
また、今後もどんどん金利が上がり続けるかというと、個人的には疑問です。投資マンション向けのローンというのは金融機関にとっても大きな収益源ですからね。特に今物価が上がり、家賃が上がって、不動産にとっていい条件が揃っている時期ですから、金融機関からしたら案件をどんどん増やしていきたいはずで、それなのに今金利を上げてしまったら、当然顧客は他の金融機関に行ってしまう。だから自分のところだけ金利を上げる、ということはしにくいですし、上げるとしたらある程度周りと揃えて上げるということになると思います。
大石: 本の中でも書いているのですが、やはりやってみないとわからない、動いてみないと始まらないんですよね。不動産投資ってやはり金額が大きいですから、リスクがすごく高いと思われがちです。
でも、それって業者さんと会ってみたり、自分でシミュレーションをしていない状態で漠然と感じている不安なわけで、物件を探してみたり、業者さんと話してみたらまた違った印象を持つかもしれません。不動産を買う買わないはその後に検討すればいいわけで、興味があるのであれば、一歩踏み出してみていただきたいです。この本がその助けになったらうれしいですね。
大石啓太(おおいし・けいた)
1985年5月生まれ、埼玉県出身。
2011年、株式会社アワジスに入社。以来投資マンションの営業成績において圧倒的な成果を上げ続け、投資マンションの販売数は数百件にのぼる。資産を最大化する最適な戦略立案を強みとし、顧客の長期的な成功を第一に考えることを信条としている。実践で培った確かな目利きと提案力が評価され、2021年に代表取締役に就任。
著者:大石 啓太
出版:パノラボ
価格:1,650円(税込)