26歳の自分に受けさせたいお金の講義
著者:安江 一勢
出版:すばる舎
価格:1,540円(税込)
著者:安江 一勢
出版:すばる舎
価格:1,540円(税込)
お金が理由でやりたいことを諦めなければいけなかった経験は、きっと多くの人が持っているはず。できることなら、そんな経験はしたくないものです。
自分も家族もやりたいことをやる人生をどう手に入れるか。『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』(安江一勢著、すばる舎刊)によると、タイムリミットは26歳。この年齢でお金についての知識を蓄え、お金との付き合い方を覚えれば、今はお金持ちではなくても「お金に左右されない人生」は、きっと手に入ります。
お金のことを考えるということは、人生のことを考えるのと同義です。
26歳でお金のことを考えておくと、その後の人生がとてもラクになります。そして楽しくなります。幸せになることもできます。(『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』P12より)
結婚、転職、出産、起業など、人生には様々な転機があり、多くの選択を迫られます。こうした「選択の時」が多く訪れるのが26歳前後。そして、これらにはいずれもお金が必要です。だからこそ、この年齢でお金について考えておくことがその後の人生に役立つのです。
たとえば、今しきりに「貯蓄から投資へ」ということで、投資の必要性が叫ばれ、投資意識の啓発が行われているのはなぜでしょうか?
もちろん、そこには長年老後の資金の支えとなってきた年金制度が立ち行かなくなっているという事情もあります。ただ、「銀行預金の金利がほとんど0%になり、お金を銀行に預けておいてもお金が増えることはないばかりか、預金引き出しの手数料を考えるとマイナスになってしまう時代になった」という事情も。
また、世の中のモノやサービスの価格は絶えず少しずつ上がっています。今1万円で買えるものは、10年後は1万円では買えない、というのが経済の常識。となると今の預金額の価値は将来的に目減りしていくということです。これが「とりあえず預金を」ではなく「投資で手持ちの資金を増やすことを考えよう」という風潮が世の中に広がっている理由なのです。
・20代は保険をどんな観点で選ぶべきか?
・投資はいつ、どんなものから始めるべきなのか?
・なぜNISAは「国からのプレゼント」なのか?
・なぜ給与明細をチェックするべきなのか?
・給料から税金がどれだけ引かれているのか?
・老後のための貯金は必要なのか?
・リボ払いはなぜ「最悪の借金」なのか?
・クレジットカードの持ちすぎは何がいけないのか?
・奨学金は早めに完済した方がいいのか?
・マイホーム購入は目指すべきなのか?
・マイホームを買うならどんなタイミングで買うべきなのか?
・結婚式にかけるお金は無駄なのか?
・子育てにはどれくらいお金がかかるのか?
・FIREは本当に幸せなのか?
お金と人生にまつわるこんな疑問への自分なりの答えを持っている20代はけっして多くはありません。しかし、これらの疑問について考えて、自分の意見を持つことで、お金との付き合い方は変わっていきます。
本書はお金と人生について考えるのに最適の教材です。
◾️26歳までに「正しいお金の知識」が必要な理由
安江: 税理士なので税金については知識がありましたが、私生活ではまだ結婚していなかったですし、子どももいなかったので、あまりお金について現実感を持って考えることはなかった気がしますね。
投資についても月1万円で投資信託をやっていたくらいです。それも自分で選ぶのではなく人に勧められるままやっていたという感じで。だから26歳の人の平均的な知識しかなかったと思います。税金に詳しかったから給与明細が読めたくらいで。
安江: 26歳というと大卒だと社会人4年目で、高卒だと8年目。転職が視野に入ってきたり、周りの人が次々に結婚したり出産したりと、人生の「次のステージ」が見えてくる時期、という意味で人生の分岐点だと書きました。
そこでどんな選択をするにしても、お金が必ず絡んでくる。だからこそ、このタイミングでお金について知って、お金を通して人生を考えてみようということで今回の本を書きました。
安江: 著者としては、この本を読むことで「今の自分のお金の使い方」を振り返るきっかけになってほしいと考えています。
たとえばですが、「お金について考える」となると、「節約・貯金」という思考になる方が多いのですが、必ずしもそれが正解ではなくて、自己投資など自分のためになることであれば、しっかりお金を使った方がいいとおすすめしています。
じゃあ、お金をどんな基準で使うかという話になるわけですが、これは自分が「どういう人生にしたいか」とある意味で同じ問いです。お金との付き合い方とは、「どういうふうにお金を使っていきたいか」であり、そのためにはどんな人生にしたいかを定める必要があると考えています。
安江: 20代・30代だけでなくて、40代・50代の方にも読んでいただきたいと思っているのですが、やはり主な読者層は若い世代だろうということで、たとえば「介護」のように彼らからするとまだ現実的な問題として捉えるには時間があるだろう話題は入れないようにしました。
また、この世代はまだ潤沢にお金があるわけではないということで、どうしても思考が「貯金」に向いてしまいがちなので、どちらかというとお金を「守る」のではなく、「使える」ようになってほしいという気持ちはありましたね。それこそ自己投資を含めた投資や必要な保険などにお金を配分できるようになってほしいというのがテーマとしてありました。
安江: お金の本なんですけど、お金そのものよりも自分の人生に思いが向かうようには書いています。投資や保険などお金にまつわる様々なトピックを取り上げていますが、興味が湧いたら他の本を読んで深い知識を得るとか、この本をきっかけに関心が広がっていけばいいなと思っています。
◾️貯金の価値は自然に下がっていく!貯蓄から投資に目を向けよ
安江: 投資をしないからダメだということは絶対にないのですが、しないと損をするとは思います。貨幣価値は時間と共に変わり、少しずつ物価は上がっていくので、今日買えたものが一年後は同じ値段で買えなくなることは珍しくありません。
貯金をしても、今の金利では1万円は来年も1万円以上にはならないですし、物価は上がっていく。となると貯金だけではどんどん資産の価値が目減りしてしまうんですね。だから、お金は預金口座に眠らせておくのではなく、投資に回して少しでも増やそうという考えが出てきます。増やせるはずのお金を増やしていないという意味で、投資しないのは「損」なんです。
安江: 極論を言えば独身の方はいらないですし、何かあったときに手持ちの資金で対応できるようなお金持ちの方もいらないと思います。ただ、そんなにお金持ちではなくて、家族がいるのであれば、保険には入った方がいい。
生命保険を例にするなら、自分が亡くなった後のパートナーの生活費、子どもがいるなら子どもの生活費や教育費っていうのは、安く見積もってお子さんと奥さんで1億円くらいは必要になります。死亡時に1億円の保険金が下りる掛け捨て型の保険は、20代なら月に数千円の掛け金であるので、選択肢として考えてもいいのかなとは思います。
安江: まず、奨学金ほど低金利で借りられるお金ってなかなかありません。固定金利だと高くて年利1.5%ほどですからね。変動金利であれば、今は特に金利が低いです。まして無利子の奨学金なんて、もちろん毎月の返済分は返さないといけないわけですが繰り上げ返済したり一括返済する意味はまったくありません。
となると、奨学金はのんびり返していけばいいということになります。少なくとも手元に自由になるお金があるなら、奨学金の返済に回すより投資に回した方がいい。奨学金の借入残高にかかる金利より、投資の利回りの方が高いですよ。
安江: まずはこの本を読んでほしいというのが一番ですね。読んでいただければお金のことがなんとなくわかると思いますし、そこからさらに知識を得たいと思ったら、今は投資の本も税金の本もたくさんありますし、お金の稼ぎ方の本もありますから、個別のテーマごとに知識を深めていけばいい。
この本がお金についての知識を広げていく入り口になってくれればいいと思いますし、今の自分の知識の「答え合わせ」もしてもらいたいと思います。もっと言えば、この本の感想を友達とか家族や同僚と話し合ってもらえたら嬉しいですね。
安江: そうですね。投資にしても保険にしても、友達と話すことはあまりないなかで、「本の感想」であれば、そうしたお金についての話もしやすくなるのではないでしょうか。
もっと気軽にお金の話ができるようになれば、日本人のマネーリテラシーも上がっていくと思います。お金についてフランクに話せないからリテラシーが上がらず、「とりあえず貯金」という価値観がいつまでも残ってしまうわけですし、人に騙されてしまったりもする。自分を守るためにも、きちんとしたお金の知識を身につけていただきたいですね。
安江 一勢
1994年生まれ。税理士。安江一勢税理士事務所代表。株式会社Bright plus代表取締役。
京都の老舗呉服屋の4代目として生まれ、幼少期は裕福な家庭で育つ。しかし3代目の父の代で事業が傾き、多額の借金を背負う。そして呉服屋が倒産をし、生活が一変する。中学2年生で父親が蒸発したことにより、両親が離婚。その際に父親の借金が1億円以上あることがわかり、母と妹の3人で夜逃げをし、母の実家へと行く。母の実家が離島だったこともあり、その離島へと向かう船上で「お金がないと愛も幸せも買えない」ということを感じる。突然失った日常と、別れも告げることなく離れることとなった友人、いつもの家、家族など、「人生、お金がないと、どうしようもない」ということを14歳にして知る。そんな経験から、お金のプロになろうと志す。税理士試験の受験生時代は青春のすべてを勉強に費やし、1日平均15時間の勉強。22歳で合格率2%と言われる難関国家資格の税理士試験に合格し、23歳で税理士登録(当時の九州最年少税理士)。平均年齢60代の税理士業界のなかで、20代の税理士は0.6%しかいない。現在は安江一勢税理士事務所を開業し、税理士として活動をしている。また、税理士業だけでなく、20代向けのコミュニティの主宰やお金のブログ、ラジオ、セミナーなど、若者に対するお金の発信を多くおこなっている。
著者:安江 一勢
出版:すばる舎
価格:1,540円(税込)