いつでもどこでも3分で
心のブロックが消える本
著者:栗山 葉湖
出版:河出書房新社
価格:1,540円(税込)
著者:栗山 葉湖
出版:河出書房新社
価格:1,540円(税込)
日々抱えているイライラやモヤモヤ、やりたいことがあるのに踏み出せないジレンマ。そうしたものが心の中からなくなったら、毎日が楽しくなり、人生がより幸せになるのではないでしょうか。
心の中にある、自分自身を制限させてしまうもの。
それを、『いつでもどこでも3分で心のブロックが消える本』(河出書房新社刊)の著者である栗山葉湖さんは「マインドブロック」と呼んでいます。
マインドブロックとは「潜在意識」の中にいわば「思い込み」のような形で刷り込まれているもので、私たちの日々の行動や感情を左右しています。(p.16より引用)
栗山さんによれば、マインドブロックは具体的に言葉としてあらわせるようなものではないようです。潜在意識の中にあり、自分の行動や感情に対して影響を及ぼすモヤモヤしたもの。例えば、「自分はモテないんだ」「お金持ちになるなんて無理」という思いは、それ自体がマインドブロックではなく、自分の中にあるマインドブロックから生まれた具体的な思いです。まさに行動や思考を左右するものと言っていいでしょう。
このマインドブロックによって、私たちは多くの行動や感情が縛られています。時には、幸せになることを阻害されてしまっていることも。
では、それを消していくにはどうすればいいのでしょうか。
それが、『いつでもどこでも1分で心のブロックが消える本』の中で説明されています。
マインドブロックを解除することを「ブロック解除」といいます。
その効用について栗山さんは5つをあげています。
(1)イライラ・モヤモヤが消える
(2)現実が変わる
(3)願いが叶う
(4)人と心地いい関係になれる
(5)ありのままの自分でいられる
例えば、「願いが叶う」とはどういうことでしょうか。「ブロック解除」することで、自分の行動を縛っていた思い込みが消え、アクティブになります。アクティブになるということは、それだけチャンスもめぐってくるということ。潜在意識は強力に現実に作用すると、栗山さんは述べるのです。
また、「ブロック解除」をしていくと、人の目を気にしたり、迎合したりする気持ちがなくなるといいます。自分の思いや願いを遮るものがなくなり、それをサラッと口に出すことができるようになるわけですから、「ありのままの自分」でいられるようになるのです。
では、どうすれば「ブロック解除」できるのでしょうか。
それには4つのステップがあるといいます。一つずつ説明していきましょう。
●ステップ1.「やる気」をなくす(リラックスする)
これは、脱力をして潜在意識とつながるということです。「やる気」がある状態とはすなわち顕在意識がアクティブな状態で、潜在意識は表に出てきません。心身をダラっとさせ、能動的に考えない。そうやって潜在意識を引き出すのです。
●ステップ2.「このブロックは何?」と聞く(ブロックのイメージが浮かぶ)
心身をリラックスさせて何も考えずにいると、頭の中にイメージやビジュアルといった言葉ではない何かが浮かぶでしょう。それをキャッチします。抱えているモヤモヤと関係のないものでいいのです。潜在意識から浮かんできたそれを、しっかりつかまえましょう。
●ステップ3.「解除のイメージは何?」と聞く(解除のイメージが浮かぶ)
「ブロックのイメージ」をキャッチしたら、それを頭のかたすみに置き、次に「解除のイメージは何?」と聞きます。そうすると、またイメージが浮かびます。それが「解除のイメージ」です。「解除のイメージ」も脈略のないものでOK。何も考えずに浮かんできたもの。それが、マインドブロックを解除する鍵になるのです。
●ステップ4.「ブロックのイメージ」と「解除のイメージ」を入れ替える
最後のステップでは、「ブロックのイメージ」と「解除のイメージ」を頭の中で入れ替えます。例えば、「ブロックのイメージ」を黒板消しのようなもので消して、消したところに「解除のイメージ」が現れるスタイルであったり、スマホのスワイプのようなスタイルでもいいでしょう。
それぞれのイメージを入れ替えたら、あとは放っておきます。栗山さんいわく、こうすることで知らず知らずのうちに潜在意識が変化するといいます。
本書では、「ブロック解除」の際に気を付けたいポイントや、「夢を邪魔するブロック」「お金のブロック」「人間関係・恋愛のブロック」の手放し方などが説明されており、実際に「ブロック解除」を続けていくことで、どうなっていくのかということが分かります。
この「ブロック解除」は1回わずか3分ほどで出来てしまうのが特徴です。ちょっとモヤッとしたときに、少し心身をダラッとさせて、浮かんだイメージをキャッチしてみる。イライラやモヤモヤは抱えないほうがいいのは当然ですから、ちょっとしたタイミングに実践してみると、心が晴れやかになるかもしれません。
(新刊JP編集部)
■心がニュートラルになる。マインドブロックを解除する方法とは?
栗山: 無意識に自分の行動や発言を制限してしまう思考や感情のことです。無意識の領域まで刷り込まれた思い込みのほかに、本人が実際に経験したことないような事柄が表面化することもあります。
栗山: そうですね。自分には自覚がないけれど、他人から見ると分かる思考の癖ってあるじゃないですか。例えば写真を頑なに拒否する人にその理由を聞いても、「人前で笑うのが好きじゃない」とか「魂を抜かれる」とかいろいろ挙げるんだけど、はっきりとした理由がないことが多いですよね。それは無意識の段階で写真を撮られるのが嫌だと拒否しているわけです。
つまり、言語化できないけれど、心で抵抗感を感じるときの無意識のベースとなっているものがマインドブロックなんです。潜在意識のマインドブロックは、物心がつく前の乳幼児期に体験した、傷ついたことや自分の中でなかったことにしていることに対して生まれます。
栗山: 思春期になってからの体験は強く覚えていて、不快に感じる理由が自覚されやすいと思います。傷ついた経験があって恋愛に対して積極的になれないというのは、「恋愛をすると傷ついてしまう」という自覚があるからそうなるわけですよね。だから、潜在意識ではなく、顕在意識の段階でブロックされているということになります。
栗山: 「数えられない」というのが答えです。マインドブロックが多いように感じる人は、「言語化できるメンタルの問題が多い」のであって、ブロックが多いのではなく、それが言語化できるために自分の言葉で自分を傷つけている可能性があります。
(*1)4つのステップは下記の通り
ステップ1.「やる気」をなくす(リラックスする)
ステップ2.「このブロックは何?」と聞く(ブロックのイメージが浮かぶ)
ステップ3.「解除のイメージは何?」と聞く(解除のイメージが浮かぶ)
ステップ4.「ブロックのイメージ」と「解除のイメージ」を入れ替える
栗山: とにかく「不快」だと感じたら、マインドブロックを解除することをおすすめします。4つのステップを見ていただくと分かる通り、場所も時間も選ばずできます。これは「その場でできる」ということを狙っているからです。すぐにやることが変化につながります。
栗山: マインドブロックの解除よりもアンガーマネジメントの方がより意志的です。アンガーマネジメントは怒りを自覚して、それを抑えたいという意識の上で行うものですが、ブロック解除は無意識的にやる必要があります。「さあ、ブロックを解除しよう」という意志を持ってはいけません。
また、よく勘違いをされるのですが、「ブロックのイメージ」と「解除のイメージ」の入れ替えというのは、嫌なことや苛ついた具体例をイメージで浮かべて、良い状態のイメージと入れ替えるわけではないんですよ。そのイメージはその不快やモヤモヤとは何の脈絡のないものであるべきなんです。
栗山: このメソッドの真髄が、人が「顕在意識」を発動しないことで潜在意識につながる、というものだからです。
「やる気をなくす」というのは寝ている状態に近づけるということです。その状態で出てくるイメージが、潜在意識から呼び起こされたものです。寝ているときに見る夢にいちいち意味づけしませんよね。それと同じで、そのイメージに意味づけをしないことが大事なんです。
栗山: ひどく落ち込むことが減り、常にフラットな心持ちに近づいていきます。
ヒーリングなどと違うのは、あちらはセッションを受けると一時的に気持ちが上がるのですが、やはりその後、下がっていってしまうのですね。ですが、ブロック解除は上がる、下がるといったことではなくて、心をニュートラルに持っていくものなので、気持ちが一気に上がることはないけれど、落ち込むこともなくなるということです。心がどんどん穏やかになっていく感じですね。
■ブロック解除は「満員の通勤電車」の中で編み出されたメソッド
栗山: 2008年くらいから友人の発信でヒーリングやスピリチュアルなワークを知るようになり、それに近づいていったのですが、その学びの中で「心のブロック」を特に意識するようになっていきました。
栗山: 実は私はあまりヒーリングやスピリチュアルといったものには興味がなかったんです。一方で、人が思い通りに生きられないのは、無意識に自分を枠の中に閉じ込めているからじゃないかと考えていました。
人間はいつ死ぬか分かりませんし、全てを完璧にやり切って終わりを迎えることなんてほとんどの人はできないでしょう。だとすれば、今、生きているこの日この時間がどうしたらベストな状態になるのかと考えたときに、心のブロックを解除していくことが一番効果的なのではないかと思ったのです。
栗山: マインドブロックの解除は、すごくそぎ落としたシンプルな技法なので、マインドフルネスはもちろん、仏教に似ているとも言われます。突き詰めると同じところに辿り着くのでしょう。
栗山: 満員の通勤電車の中で作りました。当時、私は教師をしていて、夫も教師で共働き。男の子3人を育てながら、忙しい日々を送っていました。日々のイライラが募っている中で、電車に乗っていて当時習っていたとある瞑想法を試してみたんです。ただ、難しい手順をふむ瞑想法で電車の中ではできなかったため、それを簡略化し、自分なりにアレンジしていった結果、ブロック解除の技法が生まれました。
栗山: どこでもできるので、電車の中だけでなくて、仕事中にもしていました。デスクワークの人も執務中にできるのでおすすめです。
栗山: 「結論がこうなってほしい」という相談が一番難しいですね。
例えば、「ブロック解除をすれば、その人と復縁できるようになりますか?」と聞いてくる方がいます。しかし、ブロック解除は自分の進むべき人生に足を進ませるだけなので、必ずしもその先に復縁があるとは限りません。潜在意識が、復縁した方が人生は豊かになるとなっていればそうなるでしょうし、もっといい人と出会う可能性もあります。
だから、復縁を望んでブロック解除を依頼された場合は断るようにしています。
栗山: そうですね。より人生が豊かな方向へ進むためのものです。
栗山: まずは「自分は人と比べて劣っているのではないか?」とコンプレックスを持っている人。それに、自分の生きづらさは「マインド」だよねと自覚している人。また、子育て中の方や子どもが巣立って気が抜けている人、カップルなんだけどうまくいってない人にもぜひ実践してほしいですね。
栗山: まさにそうですね。「人生このままでいいの?」と悶々としている人や、人に感謝をされる仕事がしたい人も。
それに、おそらくこのメソッドと相性がいいのは男性よりも女性です。というのも、私のもとに相談に来る方の9割9分が女性なんですよ。それは多分、「心のブロック解除」という言葉にピンと来て、その心のブロックを解除して人生を変えていきたいと願うのが、女性が多いからだと思うんです。
男性は、まず自分に心のブロックがあることを認めることができない方が多いんですよね。一方で女性はブロックがあることを認めて、変われるためにどんどん動いてくれるんです。だから、まずは女性の方にぜひこのメソッドを実践してほしいですね。
栗山: 栗山:まずは心のことに興味のある人。40代から60代の女性。それに、今、心のブロック解除を受けようかどうしようか?と悩んでいる人。先ほどと重なりますが、子育て中の人や子どもが巣立って気が抜けている人。うまくいってないカップルにもぜひ読んでほしいです。
(了)
栗山 葉湖(くりやま・ようこ)
日本マインドブロックバスター協会代表
1967年生まれ 東京都出身。1990年神奈川大学外国語学部卒業。横浜市に中学校教諭として採用。中学校3校、特別支援学校2校で計20年勤務。2008年から趣味として複数のヒーリングワークにふれ、ワークショップや講座を受講、インストラクター資格を得る。2009年11月、それまでの癒しの手法への疑問から独自に現在のマインドブロックバスターの技法を開発。体験した人からの口コミとSNSで人気を集め、セッション希望者が国内・海外から殺到。2010年に教職を辞し、マインドブロックバスター養成講座を開講。2021年3月に卒業生が1万人を超える。マインドブロックバスター体験者は10万人以上。「悩みが消えた」「願ったことが現実になる」「人生が変わった」など、多くの喜びの声が届いている。
著者:栗山 葉湖
出版:河出書房新社
価格:1,540円(税込)