わくわく人生設計マップ
著者:知明
出版:幻冬舎
価格:2,200円(税込)
著者:知明
出版:幻冬舎
価格:2,200円(税込)
大人になると、「人生こんなものか」というような気持ちになることが多くなる。
同じことの繰り返しのような毎日、「わくわく」するようなこともなかなか起こらない。自分の人生サイズを自認して、そこから踏み出す気力もない。
もし仮にそうした日々を送っていて、それが「つまらない」「この日々から抜け出すきっかけがほしい」「本当はなりたい自分がある」と思っているのであれば、この本を手にとってみてもいいかもしれない。
『わくわく人生設計マップ』(知明著、幻冬舎刊)だ。
本書では、そのタイトルの通り、成功をつかむための「人生設計マップ」の作り方を指南している。
その「人生設計マップ」とは、「マンダラート」(もしくは「マンダラチャート」)という名前で知っているかもしれない。9×9マスの中心になりたい自分や叶えたい目標を入れて、それを達成するために必要なものを中心マスの周囲8マスに入れていく。その周囲の8つのマスには書くものは、なるべく具体的であるほうがいい。
そして、8つの必要なものを外側の3×3ブロックのそれぞれ真ん中に書き、それを手にするために必要な行動などを書いていく。
下記は本書の著者である知明氏の「人生設計マップ」だ。知明氏は1977年に生まれ、2006年に28歳で起業。2018年に会社を上場企業にM&Aし、2019年には新たな会社を立ち上げた。
そんな彼が2015年に描いたのが、このマップである。人に何かを教えることが好きだったという知明氏は「経営塾をつくり、そこに1000名の生徒がいる」という20年後の世界を想像して作ったという。
中心には「経営塾塾生1000名」とあり、その周囲に左上から「経営力」「RSHD年商300億円」「20名GRP会社社長にし成功させる」「人間性」「社会的存在価値」「幸運」「健康長寿」「日本に『ドイツ・ティアハイム』をつくる」と記入。それをさらに分解し、それぞれ8つの「必要なもの」を手に入れるための行動を書いている。
知明流人生設計マップの特徴は、まずマスを埋めたら「いつまでに達成するのか」を決めること。つまり、日付を決めるのだ。そうすることで「計画」が生まれて行動できるようになるという。
続いてのポイントは「具体的な計画を決める」こと。成功に辿り着くには、そこにどこまで近づいているのかが測定できる「数値」があると分かりやすい。お金でもいいし、行動すべき回数でもいい。数値化できれば、道筋が見えてくる。
最後のポイントは「カレンダーを用いて、日々チェックしていく」こと。カレンダーをつくって毎日チェックをしていくことで、自分の行動の振り返りができるようになる。もし、目標とした数値に達成していないのであれば、なぜ達成できなかったのかという反省もできるだろう。
◇
本書にはゲストとして元阪神タイガース監督の金本知憲氏も登場し、自身の野球人生を振り返りつつ、読者にアドバイスをしてくれる。
漠然と日々を過ごすのではなく、自分のやりたいことをまずは文字に落としてみる。それでクリアになることは多いはず。毎日がつまらない、何か変化を起こしたいと思っているのであれば、試してみてはどうだろう。人生の彩りが豊かになるかもしれない。
(新刊JP編集部)
■目標や夢は「見える化」によって達成に近づく
知明: 大きなきっかけの一つは自分の子どもでした。3年ほど前にそれまでやっていた会社を上場企業にM&Aして、実質アーリーリタイアしたような状態で、今は育児が生活の中心なんです。ただ、父親が働いていない、何で生計を立てているか分からない、友達に聞かれた時に答えられないっていうのは、あまり思わせたくないなと(笑)。そこで、どんな仕事をしているのか本を通して伝えたいと思ったということですね。実は私の子供が3回以上本書に登場しています。探してみてください。
知明: はい。「最高の父になる」というのが今の人生の夢です。そのためには仕事を楽しもうと思いました。その仕事の一つとして「本を出す」ということが出てきたんです。つまり、最高の父になるために本を出したのです。
知明: 目標や夢を「見える化」できるという点がポイントだと思います。「将来こうなりたい」と思っても、そのためにどうすればいいのかまで考えていなかったり、本気でその夢を目指しているけれど、何が必要なのか落とし込めていない人って多いんです。
マンダラチャートは、目標を達成するために必要な行動を「見える化」できるので、それを人に見せることができるようになる。そうなると、その人からアドバイスをもらえたり、助けをもらえたりできます。
今回タイトルに「設計図」と付けたのも、いろんな人たちの力を借りて夢が叶っていくということと、いろんな専門家が力を合わせて一つのものをつくり上げていくということを重ねたからです。
私は若い頃に建築関係の仕事をしていたのですが、家を建てる時には必ず設計図が必要です。その設計図をもとに、大工さんや左官屋さん、塗装屋さんといった職人さんたちが力を合わせて一つのものをつくり上げていく。夢も同じだと思うんです。設計図をつくって、いろんな人の力を借りながら、叶えていく。
マンダラチャートは元からあるフレームワークですが、自分としては「人生設計マップ」という名前にしたいなと。「マップ」というのは、設計図と冒険の地図という意味です。
知明: 設計図という部分ですね。みんなで作っていこう、力を借りていこうという部分。そのために、この設計図を人に見せたり、夢を言っていく。そのことで、自分の夢に対する責任感も増しますし、応援してくれる人のために頑張ろうという気持ちも高まるはずです。
もう一つ、普通のマンダラチャートと違うのは、「わくわくwatchシート」の存在ですね。これは「未来を予習」するためのシートで、2×2のマトリクス表の横軸に「リアル」「マインド」、縦軸に「for me」「for you」と入れて、それぞれ未来の「起こりうること」「感情」を入れます。
知明: そうです。ソフトバンクグループ会長の孫正義さんは「予祝」といって、プロジェクトを立ち上げるときに、そのプロジェクトが成功した未来を想像して最初にお祝いをするそうです。事前に祝杯をあげることによって、そのプロジェクトに対するワクワク感が増して、やり遂げようとなるわけです。
この「わくわくwatchシート」はまさにその「予祝」なんです。マンダラチャートに書いた自分の目標が達成されたら、どんな喜びが自分や大切な人たちに訪れるのかということを事前に考えて、ワクワク感を高めていく。そのステップがあることが、オリジナルの部分だと思っています。
知明: そういうことですね。実際、マンダラチャートって書くのが大変じゃないですか。苦労して埋めたからといって、すぐに変化が起こるわけでもないですから、未来に対するワクワク感を感じにくいですよね。だから、この「わくわくwatchシート」を使って、行動の後押しにしてほしいんです。
知明: 変わりましたね。私は経営者で、当時はずっと社長をやっていくのだろうと思っていたんです。でも、どれだけ会社に利益が出ても15年、20年先の自分がまったく見えなくて、不安がありました。
でも、この人生設計マップを作ったことによって、ゴールを決めることの重要さに気づいたんです。そして、社長のゴールとは何かと考えたときに「M&A」という選択肢が出てきて、自分の会社を売却したんですよ。
知明: そうですね。自分の決めたゴールに向かって進んでいこうという人生に変わりました。また、人生設計マップには64個の行動基準が書かれていますが、それに対する情報が日々入ってくるようになりました。日常の見え方が変わったし、こんなにヒントって落ちているんだなと。その意味でも、まったく変わりましたね。
■自分のやりたいことは「人に言え」! 目標達成するためにすべきこととは
知明: 私のマップの軸は「ワクワク」です。そこに書いたことは絶対にしないといけないという縛り付けるものではなく、人生設計マップに書いたことを実行してワクワクすることが大切なんです。ただ、ワクワクするものって、成長していく中で変わっていきますよね。新たな気づきを得られたら、新たなワクワクに出会える。そのワクワクする自分のマインドに従って、アップデートしていくという感覚です。
知明: そうです。それは私がワクワクを軸にしているからですね。今の自分にとっては「最高の父」になるということが、最高のワクワクということです。だから、育児も自分から率先して楽しんでやれているのかなと。自分の心に従い、それをどこに繋げるのか? ここが大切です。
知明: 今、私は新卒の子たちの研修をしたりしているのですが、確かに目標がないという声は多いですね。だから、そういう場合は「本当にやりたいことを見つける」ということを真ん中に書いてもらうようにしています。
真ん中は埋まらないけれど、その周囲は埋まるというケースも多いんですよ。「人間的に成長したい」「お金持ちになりたい」とか。「お金持ちになる」というのは目標に置きたくないけれど、やっぱりお金は必要だと。そういう風に周囲が埋まっていくという人が多い。だから、まず中心は置いておいて、その周囲に書いたことを一生懸命にやっていくうちに、夢や目標が見つかるというケースが多いんですよね。
知明: そこが一番の課題なんですよね。目標を達成するためには、スイッチを押し続けないといけない。ただ、そのモチベーションになるのが前半部分で話した「予祝」であり、周囲からの応援、期待だと思うんですね。
自分で書いて、こうなろうと誓う。それはいいのですが、自分の中に収めたままだと、その誓いって破りやすいものになってしまうんです。でも、他人との約束って破りにくいじゃないですか。私もたくさん人に人生設計マップを見せたことによって、「やらないといけない」という気持ちになりました。
知明: そういうことです。本書の38ページでも書かせていただいていますが、達成率100%にしようと思ったら、「人に言いまくる」ということは一番大事です。その意味では「わくわくwatchシート」だけではなく、「人に言う」というステップがあって完成でしょうね。
知明: 私はあらゆる人に言っています。出会った人みんなに言っていると、その中で私の考えていることに共感して、協力してくれる人が必ず現れるんですよ。
例えば、私の「人生設計マップ」の中に動物保護について書いている区画があるんですね。これはバージョンアップを重ねても変わらない部分です。
今、日本で犬や猫の殺処分が問題になっていますけれど、それをなくしたいと思っているんです。それをいろんな人に言うと、「ぜひやってほしい」ですとか「何かできることがあったら言ってください」という声をいただくんですよ。そのたびにプレッシャーを感じるのですが(笑)、本気で取り組もうという思いにはなりますよね。だから、人に言うということはすごく力を発揮するなと。
知明: 私がよく使う言葉に「何のために病」というのがあるのですが、今、世の中に「何のために頑張っているかわからない」っていう人がすごく多いと思うんです。私自身も会社を10数年やってきていろんな社員を見てきましたけど、やはり入社して半年はモチベーションが高いのに、年月が経つにつれて「何のために頑張っているんだろう」という思いが湧いてくる人って多いんですよね。
「何のために病」にかかると、いろんな現実がネガティブに見えてしまったり、上司や同僚などの周囲のせいにしたりして、結局退職してしまうということになります。だから、もし今、「何のために頑張っているか分からない」と思っている人には、ぜひ本書を読んでいただいて、もう一度人生と向き合う時間を設けてほしいなと思いますね。
また、将来的な野望なのですが(笑)、この本が小学校の授業で使われるといいですよね。「人生」という新しい教科をつくって。小さな頃から見たり触れたり、作ったりして習慣化することで、目標や夢に対してしっかり前に進めるのかなと思います。大人になってから「人生設計を書いてみて」と言われても難しいじゃないですか。だから、このシートが小学校の授業で使われているという未来を私は想像しています。
(了)
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知明(ともあき)
1977年 兵庫県尼崎市生まれ
2000年 摂南大学 理工学部 卒業
2000年 株式会社清水工業所(建設業)入社
2003年 株式会社光通信(営業職)入社
2006年 有限会社R・S設立(28歳)
2007年 株式会社R・Sへ変更
2010年 創業5年目で売上5億円到達
2014年 創業9年目で売上10億円到達
2017年 創業12年目で売上20億円到達
2018年 株式会社R・Sを上場企業にM&Aし、会長に就任
2019年 会長を退任し、新たにド真ん中株式会社を設立
著者:知明
出版:幻冬舎
価格:2,200円(税込)