INTERVIEWインタビュー
知らなきゃ損! 25歳をすぎると肌が急激に「劣化」しはじめる理由とその対策
最近、肌の衰えが気になる。
そう思いながらも、つい「まぁでも、この歳だし……」と諦めてはいませんか。
『「卵殻膜」美容術』(幻冬舎刊)の著者、長谷部由紀夫さんによれば、加齢とともに肌が衰えはじめるのには、明確な原因があるそう。その原因をしっかり理解して対策をとれば、肌の衰えは充分、止められるといいます。
美肌のカギを握るⅢ型コラーゲンという存在
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まずは、長谷部さんと卵殻膜との出合いから教えていただけますか。
長谷部: 最初の出合いは、昭和18年、私が小学校1年生のころです。当時、戦況が悪化し始めて、空襲がかなり激しくなっていたので、私は当時住んでいた名古屋から、新潟県の糸魚川市というところへ疎開することになりました。
一応、名古屋で育った都会っ子としては、疎開先でも以前と変わらず半ズボンで生活していたのですが、これが良くなかった。ブヨに喰われ、両足に大量のおできができてしまったんです。
何を塗っても治らないし、痛みも引きません。やっと治まってカサブタになったと思ったら、すぐ出血してしまう。この繰り返しで傷は治らず本当につらかったことを記憶しています。
そんなとき、疎開先に住んでいた祖母が「これを貼ってみなさい」と言って卵殻膜をくれたんですね。さっそく貼ってみたら、何を塗っても治らなかったのに3日もしないうちにキレイさっぱり治ったんです。これが卵殻膜との最初の出合いです。
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「最初の出合い」ということは、その後さらに卵殻膜の力を強く意識するような出来事があったのでしょうか。
長谷部: ええ。25、6歳のころ、プロレスラー・力道山のインタビューをテレビで見ていたときのことです。
アナウンサーが「外国人レスラーはすぐ血だらけになってしまうのに、なぜあなたは血だらけにならないのですか」と質問したところ、力道山がこんなことを言っていました。
「外国人レスラーは切り傷になったところをすぐに縫ってしまう。だから縫った部分の皮膚がかたくなり、切れやすくなる。でも、自分は縫わずに卵の薄皮を貼る。これだと早く治るし、皮膚もかたくならないので切れにくい。だから血だらけにならずに済むんだ」と。
このやりとりを見ながら自分の少年時代の体験を思い出したとともに、「やっぱり卵殻膜はすごい!」と自分のなかで確信が生まれました。
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ちなみに、なぜ卵殻膜を貼ることで傷が治るのでしょうか。
長谷部: 卵殻膜を傷に貼ると、物の見事に治ります。そして傷痕がキレイになります。卵殻膜を直接貼ると、先ずは傷口にⅢ型コラーゲンの動きで止血をし、その後にⅠ型コラーゲンで完全に修復をします。
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なるほど。皮膚の修復に有効ということは、美肌にも効くと。
長谷部: その通りです。今、「細胞レベル」という言い方をしましたが、肌を形づくる細胞のなかには、線維芽細胞といって、美肌に欠かせないⅢ型コラーゲンを生み出してくれるものがあります。そして傷によって肌のバリア機能が壊れているところに直接働きかけます。
この線維芽細胞とⅢ型コラーゲンを効率的に増やす意味でも、卵殻膜は有効なんです。
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線維芽細胞と肌の関係について、もう少し詳しく教えていただけますか。
長谷部: 線維芽細胞が活性化していれば、Ⅲ型コラーゲンはもちろん、肌にハリや弾力を与えるエラスチン、うるおいを与えるヒアルロン酸などの新陳代謝がスムーズに行われるようになります。
なかでも、Ⅲ型コラーゲンは重要です。肌だけでなく、骨、臓器など、身体のあらゆる部分を成長させてくれます。つまり、Ⅲ型コラーゲンがあればあるほど、肌はどんどん成長し(=細胞が入れ替わり)、若返ってくれるのです。
しかし、Ⅲ型コラーゲンを生み出してくれる線維芽細胞は、25歳をすぎるとどんどん減っていきます。だから一般的に、歳をとると皮膚にシワやタルミが現れやすくなるのです。
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ということは、線維芽細胞が増えれば増えるほど、肌はきれいになるのですか。
長谷部: いえ、そう単純な話ではありません。線維芽細胞が増えすぎてしまうと、細胞がひしめき合い、「呼吸困難」状態になってしまいます。すると、せっかく増えた細胞が死んでしまうんです。
元々、人間は約60兆個の細胞でできていますが、この範囲内で細胞を活性化してあげることが重要。細胞が元気になれば、肌も元気になる。きれいな肌というのは、元気な細胞によって作られるんです。
肌を細胞レベルからきれいに! 肌ツヤに大きな影響をおよぼすⅢ型コラーゲンとは
油性インクの汚れは、ミカンの皮をこすりつけるとよく落ちる。
使用済みの紅茶のティーバッグは、冷やしてまぶたの上に乗せると腫れがひく。
日本には昔から、このような「おばあちゃんの知恵袋」と呼ばれるものが数多く言い伝えられており、実際に効果があるものもあります。
『「卵殻膜」美容術』(幻冬舎刊)の著者、長谷部由紀夫さんも少年時代、ブヨに喰われておできだらけになった足に、おばあさんの助言で卵の薄皮を貼ってみました。するとあっという間に治ったといいます。
そして長谷部由紀夫さんは現在、このときの体験を生かし、「卵殻膜」の力を利用した商品開発をおこなっています。卵殻膜には、どのような可能性があるのか。詳しくお話をうかがいました。
肌のシワやタルミに卵殻膜が効果的な理由
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本書では、「卵殻膜を自分で剥がし取って、肌に直接貼りつければ美肌になるわけではない」と書かれていましたが、これはなぜですか?
長谷部: もう少し正確にいうと、試合を終えたレスラーのように肌が傷ついている状態、つまり傷によって肌のバリア機能が壊れているようなときには、卵殻膜を直接貼ると、そこにⅢ型コラーゲンで止血をし、すぐに治ります。
でも、「傷はないが、肌にシミやタルミが目立ちはじめた」といったような場合に直接貼っても、変化は起きません。
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卵殻膜の力を効率よく肌に届けるためにはどうすればいいのでしょうか。
長谷部: そのために「スーパーオーディ」という美容液を開発しました。この開発がなかなか難しく、特に、卵殻膜がきわめて頑丈な繊維構造を持つという点に悩まされましたね。
どういうことかというと、卵殻膜は水にもお湯にも酸にも熱にも溶けてくれないんです。水に溶かすことだけを考えたら「アルカリ溶解」という選択肢もあるのですが、アルカリ成分は皮膚を荒れさせてしまう危険性が高い。
そこで、できるだけ中性にしつつ、水に溶けるような原液を作るというのが最も難しいところでした。
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全身で卵殻膜の美肌効果を体感するにはどうすればいいのでしょうか。
長谷部: 卵殻膜を塗って良いなら、食べてみたらもっと良いだろう、と思いませんか。しかし、卵殻膜はそのまま食べても消化吸収できませんので、卵殻膜を独自に微粉砕化して、摂取できるようにしたサプリメントがあります。
消化吸収できるレベルまで卵殻膜を微粉末にすることで、卵殻膜のアミノ酸成分が血中に取り込まれ、細胞中のミトコンドリアが活性化します。
ミトコンドリアは、生命活動の源ともいえる大切な細胞器官です。したがって、ミトコンドリアが元気になれば、細胞の生活環境が良くなり、細胞レベルで肌が修復され、美肌に導いてくれます。
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ちなみに、実際にこの美容液を使ったことで美肌効果が出た例として、どのようなものがありますか。
長谷部: 知人に89歳から卵殻膜を利用したスキンケアを始めた方がいます。私がお目にかかったのはその方が96歳のときだったのですが、とてもツヤツヤとしてシワも少なく、90代とは思えない肌でした。
前回も触れたように、Ⅲ型コラーゲンは25歳を境に減っていきます。なので、高齢になればなるほど、肌にツヤを取り戻すだけのⅢ型コラーゲンを作り出すのに時間がかかってしまうのです。
しかし、だからといって手遅れというわけではなく、この方の例が示すように、卵殻膜の力をうまく活用できれば、何歳であっても肌を若返らせることは可能なのです。
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ところで、卵アレルギーの人が卵殻膜を使うことのリスクはないのでしょうか。
長谷部: 卵アレルギーの多くは、卵白に含まれるオボアルブミンという成分が原因だと言われています。しかし、卵殻膜自体にはこの成分が含まれていませんから、アレルギーのリスクは低いといえます。
ただし、卵から膜を取り出す際、オブアルブミンが付着してしまう可能性がゼロとは言い切れません。リスクがあるとしたら、そこですね。しかし製造過程で卵殻膜を洗浄してから加工処理をしていますので、かなり低いと考えています。
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最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。
長谷部: 表面的にではなく、細胞レベルから肌をきれいにしてくれる。そんな卵殻膜の価値をもっと多くの方に知っていただき、卵殻膜の「応援団」になっていただけたらなと思っています。
私どもはこれまで東京大学との共同研究を進めてきましたが、国内における卵殻膜の認知度は低く、充分な理解を得られているとは言いがたい状況です。
ノルウェーではすでに7億円もの国家予算がついて、卵殻膜の研究開発が進められていますが、日本ではまだ、我が社が自ら年間1億円の研究開発費を投じて研究を進めているにすぎませんから。
まずは本書を手に取っていただき、卵殻膜の可能性を知っていただけたら嬉しいですね。