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鼻は1分でよくなる!──花粉症も鼻づまりも鼻炎も治る!

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本書の解説

季節の変わり目は、風邪をひきやすい時期。熱やだるさも厄介だが、そんなときに一番苦しいのは「鼻」ではないだろうか。
呼吸がしづらいし。味がわからない。鼻をかみすぎて痛い……。風邪だけでなく、花粉症や慢性的な鼻炎を持っている人も同じような悩みを抱えているはずだ。

そんな「鼻」に関する悩みを解消するヒントを教えてくれる一冊が、『鼻は1分でよくなる! 花粉症も鼻づまりも鼻炎も治る!』(今野清志著、自由国民社刊)。
本書では、体の免疫力を高めて鼻をよくする「体の使い方」や「生活習慣」などが紹介されている。

その中から、鼻づまりのときの対処法や鼻の機能を最大限に活かすポイントを紹介していこう。

鼻がつまっているときの「鼻のかみ方」

鼻水が多くなったり、粘っこい鼻水がたまったりすると、「チーン!」と勢いよく鼻をかみたくなる。
しかし、力一杯に鼻をかむと、より症状が悪化することもあるようだ。

鼻の内側は粘膜で覆われており、表面をよい状態に保つため、健康な人でも一日1リットルから1.5リットルの鼻水がつくられているという。その大量につくられる鼻水は知らず知らずのうちに飲み込んでいるので、普段は全く気にならない。

しかし、風邪、鼻炎、花粉症などにより鼻の粘膜が腫れると、鼻水が増えたり粘っこくなったりして鼻の奥に鼻水がたまる。すると、鼻の奥にある「鼻腔」が狭くなり、さらに鼻が詰まりやすくなるという悪循環が生じる。
そんな状態で何度も激しく鼻をかむと、炎症が悪化。ますます状態は悪くなってしまうのだ。

かと言って、鼻をかまずに鼻水をすすっていると、鼻とつながる耳の管を通して、耳の内部に粘液や細菌が逆流して炎症を起こすこともあるという。

そんな厄介な「鼻づまりのときの鼻」のかみ方について、著者が教える方法は「片方ずつ静かにかむこと」。
両方の鼻を一気にかむと、高い圧力で空気の摩擦が起こり、炎症した部分がこすれて腫れがひどくなる危険性がある。そこでなるべく刺激を与えないように鼻をかむのが、最善の方法なのだ。

「鼻毛」は絶対に抜いてはいけない

顔の身だしなみとして大事なのが、鼻毛の処理。近年では、スティックに脱毛ワックスをつけて鼻の穴に入れ、一気に鼻毛を抜く方法も流行っている。
しかし、著者は「鼻毛を抜くのは絶対にやめてほしい」と述べる。

鼻の入り口にある鼻毛は、ホコリや細菌などの侵入を防いでくれる、いわば門番のような存在。
呼吸によって、のど、気管、肺につながる鼻に門番がいなければ、病原体は肺や体内に入り放題になり感染症にかかる危険性が高まってしまう。
また、抜いた毛穴に雑菌が入ると「鼻前庭炎(びぜんていえん)」という、鼻の入口が腫れ上がり、出血する病気になる可能性もあるという。

さらに、鼻毛は外から吸い込む空気の温度や湿度を調整する役割も持っている。気管や肺は、特に乾燥に弱く、乾いた空気をあびるとすぐに炎症を起こしてしまうため、鼻毛の存在は絶対に欠かせないのだ。

身だしなみのために鼻毛を処理するときは、「抜く」のではなく「切る」こと。
それも徹底的に短く刈り込むのではなく、外に出ないくらいにカットする程度が適切だろう。

鼻の悩みを抱えている人ほど「鼻呼吸」で生活しよう

呼吸は鼻と口、両方でするものと思っている人がほとんどだろう。しかし、著者曰く、人間は本来、鼻から呼吸をすることを前提に体の仕組みがつくられているという。

鼻は、超高性能のフィルターをつけた空気清浄機であり、加湿器であり、そして温度も調節してくれるエアコンの機能を兼ね備えている器官。その鼻を使って呼吸をすることで、私たちの体の機能は正しく働くようになっているのだ。

ところが、現代人は「口呼吸」をしていることが多く、それによって人間が本来持っている防衛装置である「鼻」が十分に働けていないのだ。
口呼吸が日常化すると、殺菌作用のある唾液が蒸発してウイルスや細菌が増殖したり、鼻のフィルターを通っていない外気がのどを直撃して扁桃が腫れるなど、さまざまな症状を引き起こす。
それは身体の免疫力を大きく下げ、鼻の不調にもつながっていく。

だからこそ、そもそも超高性能な器官である「鼻」で呼吸しているほうがいいのだ。

とはいえ、普段何気なく行なっている口呼吸を、いきなり鼻呼吸に切り替えるのは難しい。そこで鼻呼吸を習慣づけるために意識していきたいのが、次の二つだ。

  • ・普段から、起きている間は意識して口を閉じる。
  • ・ものを食べるときにも、口を閉じて噛む。

また、睡眠時にも鼻呼吸を習慣づけたいなら、市販のマスクで、鼻を出して口だけを覆う「口だけマスク」という方法や、薬局などで売られている、寝ている間に口に貼るテープを試すのもいいだろう。

何かとなおざりにしがちな「鼻ケア」だが、普段から意識的にケアをすることが大事だろう。
あなたはちゃんと鼻を大事にできているだろうか?

「鼻づまり」対処法

家でも職場でも手軽にできる「鼻づまり」対処法

あなたは、普段どこを使って呼吸をしていますか?

かなりの人が「口」と答えるのではないでしょうか。
でも、実は人間の身体は、「口」よりも「鼻」で呼吸するようにできています。

鼻が不調になると、日常生活でさまざまなつらさを味わうことになってしまいます。
そんな鼻の健康を保つ習慣や、家でも職場でも手軽にできる「鼻づまり」の対処法を『鼻は1分でよくなる! 花粉症も鼻づまりも鼻炎も治る!』(今野清志著、自由国民社刊)から紹介していきます。

実践!鼻にいい一日の過ごし方

朝イチの「鼻深呼吸」で一酸化窒素を取り入れる

私たちは呼吸するとき、酸素だけではなく「一酸化窒素」も吸い込んでいます。
一酸化窒素は肺の気道や血管を拡張し、鼻の健康にとって大切な役割を果たしています。
そして、鼻は一酸化窒素の貯蔵庫であり、鼻呼吸でないと一酸化窒素の恩恵を全身にめぐらせることができないといいます。

そんな一酸化窒素を効果的に取り入れられるのが「鼻深呼吸」。そのやり方はいたって簡単です。

  1. ①お腹を膨らませながら、鼻からゆっくりと息を吸い込む。
  2. ②お腹が膨らみきったところで、鼻から「フン、フン」と小刻みに息を吐き出す。

これを一度に3回繰り返すだけです。
小刻みに鼻から息を吐くと、静かに息を吐いたときに比べ、一酸化窒素をより多く体に取り込むことができると、著者の今野さんはいいます。

鼻がつまったら「鼻つまみ」

鼻がつまって苦しくなったら「鼻つまみ」をしてみましょう。

  1. ①鼻から軽く息を出したら、親指と人差し指で軽く鼻をつまむ。
  2. ②20秒ほど息を止めてから、静かに鼻で呼吸を再開する。

今野さんによると、こうすることで鼻の中が一酸化窒素で満たされ、鼻の気道が広がり、鼻づまりが解消できるそう。
ポイントは、少し苦しくなってきたところで、鼻をつまむのを止めること。鼻づまりがひどいときは、1分間のインターバルをおいて何回か繰り返します。

お風呂に入ったらタオルで鼻を温める

くしゃみ、鼻水、鼻づまりの大きな要因に「鼻の粘膜の腫れ」があります。これを防ぐには、日常的に鼻まわりの血流をうながすとよいそうです。

手軽、かつ、効果的にそのケアができるのがお風呂です。湯船につかるとき、タオルをお湯で濡らして鼻の穴をふさがないように乗せます。
タオルが冷えたら、お湯につけ直し、5分ほど温めればOK。

また、湯船につかる時間がないときは、濡らしてから電子レンジで30秒~1分程度温めたタオルを鼻にのせることで、同様の効果が得られるとしています。

やってはいけない「鼻に悪いNG習慣」

一年中マスクをつけるのはNG

風邪やインフルエンザが流行る時期には、一日中マスクをつけている、という人は少なくないでしょう。そのせいで、一年中マスクをすることが習慣になっている人もいます。

ところが、今野さんによると、鼻の健康のためには日常的にマスクをすることは好ましくないそう。その理由は、どんなに薄いマスクでも空気が通りにくく、「口呼吸」になりやすいためだそう。口呼吸は、鼻呼吸よりも酸素を取り込む量が少なく、喉や鼻を乾燥させやすいなどのデメリットがあります。可能な限り呼吸は鼻でするのが好ましいようです。

また、マスクを一日中つけていると、マスクの表面にウイルスや細菌が付着。飲食のたびにマスクを外すと、マスクを触った手や鼻からウイルスや細菌が体内に取り込まれるリスクが高まります。

どうしても、長い期間マスクをつけたいときでも、最低限、外出先から戻ったらマスクを交換する、翌日は新しいマスクにするといったことを心がけるべきだといいます。

うつ伏せや横向きで寝るのはNG

また、睡眠中の姿勢によっても口呼吸になりやすいと今野さんは指摘します。特に悪いのが「うつ伏せや横向きで寝る」こと。

睡眠時も鼻呼吸をキープするのに好ましいのは仰向けで寝ることだそうです。普段の癖で仰向けで寝るのが難しい人は「枕を低くすること」で仰向けの姿勢を保ちやすくなるといいます。

枕を買い直すのが難しいなら、バスタオルを折りたたんだものを、枕の代わりにしてもOK。くるくると丸めたバスタオルを首の後ろに当てると、自然な首のカーブを維持することができ、仰向けの状態を維持しやすくなります。

◇ ◇ ◇

どの対処法や習慣も、それほど難しいことではないのではないでしょうか。まずは手始めにどれか一つを実践して、鼻づまりのないスッキリした生活を目指しましょう。
(新刊JP編集部)

「鼻」のツボ

今すぐできる「鼻のトラブル」に効くツボ

身体の不調を感じたときに、手軽にできる「ツボ」を押すマッサージ。
21世紀に入って科学的な解明が進み、WHO(世界保健機関)が、ツボの位置の世界基準を発表するなど、その有効性は徐々に認識されてきています。

身体の特定の部位に効果があるとされるツボは、数多くあります。
もちろん、鼻も例外ではありません。そこで、今回は『鼻は1分でよくなる! 花粉症も鼻づまりも鼻炎も治る!』(今野清志著、自由国民社刊)から、鼻水、鼻づまりへの効果あると言われる「鼻に効くツボ」をいくつか紹介していきましょう。

即効性のある「鼻」のツボ

鼻水、鼻づまりに即効性があるのは、やはり鼻のまわりにあるツボ。
「迎香(げいこう)」と「天迎香(てんけいごう)」の二つです。

「迎香」と「天迎香」のツボイラスト

「迎香(げいこう)」は、小鼻が最もでっぱったところのつけ根。
「天迎香(てんけいごう)」は、「迎香(げいこう)」の上、小鼻のつけ根の両脇にあります。

このツボを押すときは、両手の人差し指の先で、斜め45度の角度で上に向かって押すのが効果的。
特に「天迎香(てんけいごう)」は、1回に20秒、長くても2分間押し続けることで効果が最大になると言います。
ただしこのツボは、効果が高いぶん繊細です。強く押すのではなく、そっと押さえるくらいの刺激に留めましょう。

「鼻の症状+α」の効果があるツボ

ツボにはいくつかの部位への効果が期待できるものがたくさんあります。
そこで、鼻の症状に加えて、他の症状やプラスの効果があるツボを紹介していきます。

まずは、「印堂(いんどう)」。
鼻水や鼻づまりをやわらげるのに加え、睡眠の質を高めて体全体の回復力をアップするツボとして知られています。

「印堂」のツボイラスト

ツボの位置は、左右の眉毛のちょうど中間あたり。
中指の腹を使って、頭の中心に向かって「イタ気持ちいい」と感じるくらいの強さで押しましょう。

そして、「百会(ひゃくえ)」。
「百(多種多様な)の経絡が、会(出会う、交わる)う」という意味を持つツボで、鼻づまりをはじめ、不眠、頭痛、目の疲れ、耳鳴り、自律神経の乱れなど、さまざまな健康効果を持つといわれています。

「百会」のツボイラスト

位置は、左右の耳の上端を結んだ中央。
中指の腹で、体の中心に向かって押すか、トントンとリズミカルに叩いてもOKです。

まとめて一気に効く!鼻にいい「耳」のツボ

耳のつけ根には、鼻水、鼻づまりに効果的なツボが密集しています。

「外鼻」「内鼻」「腎上腺」のツボイラスト

耳の穴の手前にあるふくらみの真ん中あたりにあるのが「内鼻(ないび)」。
その下にあるのが「腎上腺(じんじょうせん)」。少し上にあるのが「外鼻(がいび)」。

この3つのツボは、耳の穴に人差し指を入れ、外から親指ではさむようにして、もみほぐすのが効果的。一般的なツボのように押すのではなく、2分ほどもみほぐすといいでしょう。

◇ ◇ ◇

ここで紹介したツボはほんの一部ですが、移動中やデスクワーク、家事の合間やTVを見ながらでも、気軽に刺激することができます。
また、ツボの位置はだいたいの目安で大丈夫ですが、周辺の骨のまわりなどを探ると「ツーン」とくる位置があるはず。そんなポイントが見つかったら、重点的に刺激していくといいでしょう。
(新刊JP編集部)

書籍情報

目次情報

  • はじめに
  • 第1章 鼻は全身の病気に関わっている
  • 第2章 「鼻呼吸」で免疫力をグングン高める
  • 第3章 もう薬に頼らない!鼻がよくなる8つの習慣
  • 第4章 1分で鼻がよくなる「今野式トレーニング」
  • 第5章 花粉症の予防は3カ月前から始めよう
  • 第6章 ツボ押しで花粉症・アレルギー性鼻炎を遠ざける
  • おわりに

プロフィール

今野 清志

1953年、宮城県本吉郡で軍人の父と小学校教師の母親のもとに生まれる。
困っている人たちを見過ごせない父親は、毎日、人助けに明け暮れていた。 ついには知人の借金の保証人になり、所有していた木材加工工場などすべてを失ってしまう。 家にはお金を入れず、酒乱気味だった父だが、人望が厚く、 亡くなったとき町で一番多くの人たちが葬式に集まった。 著者はこの父親の生き方を見て、「人の役に立つ」人生を選択する。 そんな父親をあらゆる面で「超えたい」と体を鍛え、中学では柔道で東北大会のチャンピオンとなる。 高校時代も宮城県で1位となったが、高校2年のとき練習のしすぎでヘルニアになり、泣く泣く柔道を断念。 代わりに勉強に励み、中央大学法学部入学。 在学中は、海外文学に親しみ、演劇を目指したり、政治家を目指したりと、たくさんの可能性を探る。
卒業後、予定していた演劇留学がキャンセルとなり、さまざまな運命の偶然から、 慈恵医大のアイソトープ科に出向して医学を学ぶ。 当時日本で初めてのRIの血液検査を紹介しながら各科の医師との交流を深め、 患者を救うには予防医学が最も大切だということに開眼。 薬を使わない治療法の確立を、ライフワークとするようになった。 そして、中医学に出会い中国に渡り、 中国北京国際針灸倍訓中心結業・中国中医研究院で研修などを行う(現在提携院)。
30代から東中野・赤羽・銀座・日本橋などに整体治療院を開業。現在は日本橋茅場町本院と東中野分院に開業。
日本リバース院長 目と耳の美容室院長 目と耳の美容学院学院長 ベストセラー『目は1分でよくなる!』『耳は1分でよくなる!』『自律神経は1分で整う!』(自由国民社)他、 著書多数。