インタビュー
不妊治療の前に、まずは妊娠しやすい体づくりを
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『きれいにやせて、授かる りんどう式妊活メソッド』は花森さんにとって初めての著書となります。本書を通して一番に伝えたかったことを教えていただきたいです。
花森:赤ちゃんが欲しいと願いながらもなかなか授からずに悩んでいる女性がたくさんいらっしゃいます。病院に行って不妊治療を受けているのになかなか授からない方もいますし、経済的な問題で不妊治療を受けられない方もいるでしょう。同時に、今の時代、情報があふれかえっていて、妊活をするにしてもどんな方法を選んでいいのかわからないという方も多いはずです。
様々な形で授からないことに悩む人がいるなかで「少なくとも病院で不妊治療を受けることが妊娠するための唯一の方法ではない」ということは伝えたいと思いました。また、そうした治療を受ける前に、まず自分の体を妊娠しやすい状態に整えることの重要性も知っていただきたかったんです。
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たしかに、なかなか自然妊娠をしないということであれば、まず不妊治療が頭に浮かぶでしょうね。
花森:そうですね。そして不妊治療を受けたからといって妊娠するかどうかはわかりません。健康の専門家として「こんな方法もあるよ」ということを今回の本では伝えたいです。
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花森さんが提唱している「りんどう式妊活メソッド」とはどのようなものなのでしょうか。
花森:「体の外側と内側を同時に整える」がりんどう式メソッドの最大の特徴です。外側は整体で、内側は漢方で整えていくのが基本なのですが、これが両方整えられるところは少ないんです。
加えて自分でできるタイミング法、そして子どもを授かる愛ある「夫婦のあり方」。これらがメインになっています。
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花森さんは現在東京と福岡で「漢方整体サロン りんどう」を運営されていますが妊活にはいつごろから携わっているのでしょうか。
花森:「漢方整体サロン」を開業したのは4年半ほど前なのですが、開業まで16年間女性のココロとカラダの不調の専門家として妊活も含めてもっと広い範囲の不調のケアに携わってきました。だから、妊活に関わっている期間は20年ほどでしょうか。
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女性の体の不調というとどのようなものですか?
花森:肩こりや腰痛から、冷え、むくみ、だるさなど様々です。そうした症状の改善に取り組んでいく中で、お客様から「体の不調が原因でここに来たんだけど、通っているうちに何年も不妊治療をしても授からなかった赤ちゃんを授かった」とおっしゃる方がいらっしゃったんです。
「健康と妊娠はつながっている」ということを改めて実感しました。妊娠が叶うように体を整えることは命の誕生に携われる尊い仕事だと思いました。実は私自身も不妊や死産を経験することになり、いざ我が身にふりかかったとき初めてその苦しさを知りました。とてもつらかったです。この経験が妊活を専門にするきっかけになったと思います。
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母体の健康と妊娠は関係している。
花森:そうです。妊娠中や出産はもちろん、産後もお母さんの体にはものすごく負担がかかります。出産で弱った体が完全に回復しきっていないうちに今度は子育てが始まるわけですから大変ですよね。睡眠時間がまちまちになりますし、食事もままならない。旦那さんが全面的にサポートしてくれればいいですが、そうではない人の方が多いでしょう。だからこそ体を整えてから妊娠・出産に望んだ方がいいんです。
実際、不妊だからということでいらっしゃって、赤ちゃんを授かるために妊娠前から体のケアをしていた方から産後の体が楽だという声をいただくことが多いです。りんどうに来る方は「二人目不妊」「三人目不妊」の方も多いのですが、自然に授かった最初のお子さんよりも、サロンで体のケアをして生んだ二人目三人目のお子さんの方が産後が楽だという声もいただきます。だからこそ、妊活中の期間は、女性の体を整えるのにとても重要な時期なんです。
不妊は個人の問題ではなく「社会問題」
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不妊と一口にいっても人それぞれ原因が異なりますし、そもそもはっきりした原因がない不妊も多いと聞きます。花森さんのメソッドはどういったタイプの不妊を対象にしているのでしょうか。
花森:おっしゃる通りで、不妊には色々なものがあります。何かの原因で卵管が詰まっていたり旦那さんの精子がゼロだったりといったケース。これらは病院に行かなければ対処できません。
このように物理的に妊娠が難しい方以外については、不妊にはっきりした原因がある方もない方もまずは赤ちゃんを授かれる体にすることが先決です。私は原因のあるなしにかかわらず、産むための準備を整えるお手伝いをしています。健康な赤ちゃんを産み育てるための体のケアをするということですね。特に35歳を過ぎてから産む方は体への負担が大きいということで通って来られる方が多いです。
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赤ちゃんが欲しくても授からない方は昔も今もいると思うのですが、現代の女性が昔よりも妊娠しにくくなっているという感覚はありますか?
花森:あります。私は、不妊は社会問題だと思っています。女性が働いて社会に貢献することが求められている時代ですから、どうしても晩婚化しますし、そうなると妊娠・出産の年齢も高くなっていく。高齢出産がいけないということはないのですが、妊娠・出産のリスクが高くなったり母体の負担が大きくなるのは事実です。
また、人間が抱えるストレスが大きくなっていること、昔と比べると食べ物が悪くなっていることもあげられると思いますね。
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本の中で夫婦の営みへのアドバイスもされていましたね。確かに「子作り」だけが目的になってしまうと、男性の方が夫婦の営みが嫌になってしまうというのはあるのかなと思いました。
花森:赤ちゃんが欲しいのにセックスレスというご夫婦は珍しくありません。もちろん、それでは授かるはずがないのですが。
おっしゃったように、子作りだけが目的になると、どうしても夫婦の営みが作業的になってしまうんだと思います。そうはいっても女性としてはタイムリミットがありますから今欲しいという気持ちが大きい。そんな時にパートナーの男性が協力的でないと傷つきますし、ストレスにもなります。
「子どもが欲しいのに、頼んでも夫がしてくれない」という相談はとても多いです。男女間での子作りについての温度差についてのこうした相談にも乗っています。
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旦那さんがその気にならないとどうしようもないですからね。
花森:ただ、女性側が変われば男性も変わるんです。そのための極意があるのですが、それは男性(記者)には内緒です(笑)。
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また妊娠しやすい体づくりについて、不妊の原因として体の歪みを挙げていましたね。これにはどういったメカニズムがあるのでしょうか。
花森:女性の体を見ていて思うことですが、骨盤が開きすぎている方、骨盤が歪んでねじれてしまっている方は多いです。女性の方はご自身を振り返っていただきたいのですが、スカートのファスナーの位置がいつのまにかずれていたり、ネックレスが回ってしまっていたりするなら、それは骨盤が歪んでいる可能性があります。こういう方は下半身が大きくなり、お腹周りに肉がつきやすい。生理痛や腰痛も出やすくなってしまいます。
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それが妊娠にも影響してくる。
花森:そうです。骨盤が開くことでその空いた隙間に内臓が下垂してしまいます。具体的には膀胱、腸、子宮ですね。これらが下垂することで折り重なってしまい、血行が悪くなってしまうんです。そうなると当然内臓の機能が落ちてしまう。
妊娠にも影響がありますし、便秘になりやすくなったり、生理痛がひどくなったりといったことになりやすいんです。
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一度骨盤が開いてしまうと元には戻らないのでしょうか。
花森:戻らないということはないのですが、自分で行なう運動やストレッチ、体操では難しいと思います。専門家の手が必要だと思いますね。
ただ、専門家といっても女性の骨盤やお尻、内腿に触れるわけですから男性がやっている整体に行くのは抵抗がありますよね。知識と技術を兼ね備えた女性のセラピストが施術するところに相談することをおすすめします。
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最後に、不妊に悩む女性の方々にメッセージをお願いいたします。
花森:問題が問題だけに一人で悩む方が多いですし、情報が多すぎて何をしていいのかわからない人、経済的な問題で不妊治療を受けられずに妊娠を諦めるしかないと思っている人もいるはずです。
そんな方々に、「どうか諦めないで」と伝えたいです。私は、不妊は“まだ見ぬ赤ちゃんからのプレゼント”だと思っています。授かるための取り組みのなかで、自分の体やパートナーとの関係、自分達の暮らし方と向き合い、見直すことになるからです。あなたの赤ちゃんは必ず待っています。どうか相談に来ていただきたいですね。