インタビュー
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『週1回15分スクワット 還暦でビキニになる!』は竹村さんの初めての著作です。まずは本書をお書きになった経緯を教えていただけますか?
竹村:私は普段スポーツクラブでエクササイズの指導をしているのですが、いらっしゃる方々に健康にまつわるお話をすると喜ばれることが多いんです。私自身、60歳をすぎてこれまでインプットした色々な知識や情報を直接お会いした方以外にも伝えていければいいと思ったこともあって今回の本を書かせていただきました。
健康や体について悩んでいる方は多いので、そういった方々に何か有益なことをお伝えするのも人生のお役目かなと思っています。自分自身の終活の一つでもありますね。
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どういった悩みが寄せられるのでしょうか。
竹村:やはり女性は痩せたい、男性はお腹が出てきた、というのが多いです。あとは運動不足で疲れが取れにくいとか、夜眠れない、病院で処方される薬がどんどん増えていく、高血圧や糖尿といった悩みもよく聞きます。
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そういった方がスポーツクラブにいらっしゃる。
竹村:そうですね。ただスポーツクラブに通っても、走ったり水泳をするだけではなかなか改善しない部分もあるんです。そういった方にこの本で紹介したようなA.R.M式スクワットを指導しています。
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年齢でいうとおいくつくらいの方々が多いのでしょうか。
竹村:スクワットのトレーニングに来る方は40代から50代の方が多いですね。
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ちょうど体力的にも下り坂になる年代です。
竹村:そうですね。若い頃運動していた方も多いのですが、そうはいっても筋肉の貯金は自然に減っていきます。今のうちから筋肉を増やすエクササイズはやっておいた方がいいと思います。
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竹村さんご自身もA.R.M式スクワットをされていると聞きました。始めてからどのような変化がありましたか?
竹村:私が始めたのは55、56歳くらいからなのですが、まずケガをしにくくなりましたね。それより前から運動の指導はやっていたのですが、捻挫とかちょっとしたケガをよくしていたんです。接骨院の常連になるくらい。それがスクワットを始めてからまったく行かなくなったというのが大きな変化です。筋力がついたのもありますが、体のバランスが良くなったのだと思います。
あとは太りにくくなったというのと、圧倒的に体力がついたと思います。今でも階段を走って昇れますからね。
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以前は引っ込み思案な性格だったと書かれていました。スクワットやそれによるフィジカル面での変化によって精神的にも変わったところはありましたか?
竹村:きついエクササイズを乗り越えたということでメンタルは強くなったと感じます。加えて、先ほどお話ししたように、スクワットによってケガをしにくくなったり、太りにくくなった一方で、周りの同年代の知人は老けていったり姿勢が悪くなっている。
それを見て自分がそれまでコンプレックスだった点が気にならなくなった気がします。「別に脚が短くてもいいや」とか「言葉がちょっとどもっていても自分はこれでいいんだ」と思えるようになりました。
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私も本を参考にやってみましたが、相当にきつかったです。「週に1回15分」と書かれていたので楽なように思っていましたが、「もう十分」という感じでした。
竹村:その15分間でやりきるというイメージですね。そこで使った筋肉の修復のために1週間空けます。
筋肉は限界を少し超えたところまで追い込まないと強くなりません。その意味では一人でやるとどうしてもきついところでストップしてしまうので、パーソナルトレーナーがついてくれるところでやる方がトレーニングとしてはいいと思います。
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A.R.M式スクワットの特徴はどんな点にありますか?
竹村:まず「スロースクワット」といって、腰を落としたり上げたりをすごくゆっくりとやる点です。また、通常スクワットというと、腰を落とした後一度膝を伸ばして立ってしまうのですがA.R.M式スクワットは腰を上げる時も膝が伸びるところまでは上げません。だからやっている最中は常に負荷がかかり続けているんです。
下半身のエクササイズだと思われがちですが、全身運動だという点もお伝えしたいですね。
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タイトルにある「還暦でビキニ」というフレーズがユニークです。竹村さんご自身も現在62歳とのことですが、サーフィンをする時にビキニを着ているそうですね。
竹村:還暦近くになった頃に友達と話していて「赤いちゃんちゃんこなんて着たくないよね」という話になったんです。相手がサーフィンの仲間だったこともあって、還暦を迎えた時にちゃんちゃんこを着て座布団に座るくらいなら赤いビキニをきてサーフィンをしたいということで、それが目標のようになりました。今でも海ではビキニを着ていますよ。
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なかなか勇気がいることのような気がします。
竹村:日本だとどうかわからないのですが、ハワイでは私よりも上の方でもビキニを着て歩いています。
日本でも周りの仲間は普通にビキニですし、そんなに勇気がいると思ったことはないですね。サーフィンをする時はきついウェットスーツよりもビキニの方が気持ちがいいですからね。70歳になっても80歳になってもこのスタイルでいけるように、A.R.M式スクワットやプッシュアップなどのトレーニングは続けています。
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平均寿命が延びている今、ただ長生きするのではなく「いかに健康に長生きするか」「健康寿命を延ばすために何をすべきか」がよく話題になります。本書で紹介されているスクワットは何歳になってもできるものなのでしょうか。
竹村:年齢問わずできます。元々腰痛など体の痛みの改善を視野にいれて作られたメニューなので、腰痛、肩こりなどの不調を持っている方も無理のない範囲でやっていただけたらと思います。
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お腹が出てしまったり、太ってしまったりと体型の変化から「運動をしなきゃ」と考えている方は多いと思います。こういう方々にアドバイスをお願いしたいです。
竹村:一言でいうなら「痩せるだけではもったいない」ですね。
「昔のようにスキーをしたい」、「昔着ていたワンピースをもう一度着たい」など、痩せるのがゴールではなく、「痩せたらこんなことをやりたい」を目標にするといいのではないかと思います。
そして、いかに健康的に筋肉を落とさずに痩せるかというところも意識していただきたいです。単に体重を落とすだけならいくらでもできるので。
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本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか?
竹村:慢性的な体の痛みがある方、あとはメンタル面で落ち込みやすい方にはぜひ読んで、実践してみていただきたいです。あとは還暦前の50代の方々にも取り入れていただきたいですね。
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最後に今あげていただいた方々にメッセージをお願いします。
竹村:自分の未来は今の自分の気持ち一つで変えられます。女性は痩せるだけではもったいないですし、男性はお腹をへこませるだけではもったいない。もっと上の健康を目指して、圧倒的な体力をつけていきましょう。
(新刊JP編集部)