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書籍タイトル
  • 著者:
    今野清志
  • 出版:
    あさ出版
  • 定価:
    1,300円+税
  • ISBN-10:
    4866670487
  • ISBN-13:
    978-4866670485

本書の解説

パソコンやスマートフォンは、もはや私たちの生活と切り離すことはできません。

それだけに、現代人にとって目のケアは必須。長時間見続けることによる視力低下やドライアイといった問題に多くの人が悩まされています。

本書の著者で、中医学の見地から体の不調のケアを行う「日本リバース」院長の今野清志さんによると、視力低下やドライアイの原因の一つは「血流悪化からくる目の栄養不足」なのだそう。

目のケアは血流改善から

今野さんが目のケアの方法として提唱しているエクササイズの一つに「タッピング」があります。

これは目の周辺を指先や拳で軽くたたくことで、酸素を運ぶ血流を促進するというもの。以下の手順通り試してみましょう。

  • 1.眉毛のすぐ上のラインの眉間を、親指以外の4本の指の指先で10回タッピング。こめかみ方向へ少しずらして10回、さらにずらして10回と、眉毛の上のラインに沿って眉尻までタッピングします。
  • 2.目の1cm下も同様に10回ずつタッピングします。
  • 3.こめかみから頭頂に向かって同様に10回ずつタッピングします。

タッピングは軽く、リズミカルに(1秒に3回くらいの速さが適切)が秘訣。続けていると目の周りの血行が良くなっていくのを実感できるかも。

現代人が失いつつある「正しい呼吸」

「ほとんどの病気は酸素の欠乏が原因で起きている」と語っているように、今野さんが目のケアを含めた体の不調のケアで最も重視しているのが「酸素」です。

目や耳、手足など、体の末端にまで酸素を行きわたらせるためには、前述のように血行を改善するのも一つの方法ですが、呼吸によって体内に酸素を取り込む力を強くしておくのも、より根本的な対処法なのだそう。

そもそも現代人は猫背になりがちですし、スマホを見ることなどで首を下に曲げ続ける姿勢をとることが多くなっています。猫背はお腹を圧迫しますし、首を下に傾けると気道が狭まります。
今野さんによると、こうしたことから十分な呼吸ができていない人が多いのだとか。

しっかり酸素を吸い込む呼吸をするには、まずは姿勢を正すこと。そのうえで大切なのが

  • ・最初に、肺の中の空気を残らず吐ききること
  • ・6秒以上かけて吐き出すこと

だといいます。

「酸素を取り込む呼吸」というと、息を思い切り吸えばいいと思うかもしれませんが、ポイントはむしろ時間をかけてしっかりと息をすべて吐ききること。これによって深い呼吸ができ、同時に呼吸筋が鍛えられていくといいます。

本書では、「酸素」というキーワードで、視力低下やドライアイだけでなく、頭痛や肩こり、耳鳴り、目まいといった体の各部の不調について、その症状を改善するための方法がまとめられています。

いずれも日頃のちょっとした心がけと簡単なエクササイズを組み合わせたものばかり。
「最近目が悪くなったかも」
「耳の聞こえが悪い」
「肩こりが治らない」

いずれの人にとっても、本書からは役立つ情報を得られるはずです。
(新刊JP編集部)

インタビュー

「からだ全体で一つの臓器」その真意

著者・今野清志氏お写真

―― 今野さんは『酸素不足が病気をつくる』で、多くの体の不調は酸素不足によって起こるとされていますが、この考え方は今野さんのご専門である中医学では一般的な考えなのでしょうか。

今野:中医学、東洋医学ではもちろん一般的ですが、西洋医学にもある考え方です。ただ、その重要性を十分にわかっている人は多くないのではないでしょうか。

―― 加齢とともに呼吸からの酸素の摂取量は減っていき、それが体の不調の要因になっていると。

今野:そうです。横隔膜や内肋間筋といった呼吸筋を使えなくなって呼吸が浅くなってしまう。加齢の影響もあるのですが、最近では若い方にも多くなっています。

呼吸筋を使えなくなる要因は「胃腸の硬化」です。おなかが硬くなって筋肉の伸縮が妨げられた結果、十分な腹式呼吸ができず体に酸素を十分に入れられなくなっている。

今回の本では固まった胃腸を柔らかくするエクササイズも盛り込んでいるので、ぜひ試してみていただきたいですね。

―― 「からだ全体で一つの臓器」も独特な考え方で、新鮮でした。

今野:西洋医学では、耳の調子が悪ければ耳鼻科に、泌尿器に関わることなら泌尿器科に、というように体をパーツごとに分けて、調子が悪いパーツの専門医のところにかかることが多いと思いますが、体というのは各部が連動しているものです。様々な要素が関わるなかで、一番負担が大きかったり弱かったりするところに症状が出ているにすぎません。

だから、体全体を見る視点を持たないと、根本的な解決にはならないことが多いんです。中医学では望診(ぼうしん)といって、歩き方や顔色、肌色などその人の全部を見るというのが基本的な視点としてあります。最近では大学病院など総合病院でも、体をトータルで診られる医師を増やそうとしているところもありますね。

―― 本書では体の各所の不調を改善するためのエクササイズが書かれていますが、すべての基本になっているのはやはり「呼吸」です。自分が正しく呼吸できているかどうかをセルフチェックするにはどんな点を見ればいいのでしょうか。

今野:今回の本で書いている「ペットボトル呼吸法」を試していただくのが一番なのですが、普段の生活のなかで呼吸を止めたり、強く吐いたりといったことがどれだけスムーズにできるかを自分で把握しておくといいと思います。たとえば、息を何秒間吐き続けていられるかを計ってみるというのも一つの方法です。

先ほどもお話ししたように、若くても呼吸の力が衰えている人は多くて、風船を膨らませられない人が増えています。呼吸というのは生きることの基本ですから、深く呼吸する力を常に保っていただきたいですね。

暖かくなりはじめの春先に起こりやすい体調不良とは

著者・今野清志氏お写真

―― 体の不調には、気候も関わってくるかと思います。気温の上がり下がりが激しい今の時期にありがちな不調としてはどのようなものがありますか?

今野:冬の時期は腎経といって、腎臓につながる耳に不調が出やすいのですが、春先のこの時期は肝経、つまり肝臓が悪くなりやすい時期です。肝臓は目とつながっていますから、目の不調にも要注意です。

春先は何かとだるかったり眠くなったりする時期ですが、これも肝臓と関係があると言われています。肝臓は血筋と筋肉を司る器官ですから、ここの調子が悪いと血流が十分に行き渡らずにだるくなったり眠くなるというわけです。

付け加えるなら、春の肝経、冬の腎経に加えて、夏は心経(心臓)、秋は肺経(肺)と、季節ごとに調子の悪くなりやすい器官があります。

―― では今の時期は肝臓に要注意という。

今野:そうですね。もう少し経って夏が近づくと、今度は心臓の不調が出やすい時期になりますが、夏は自律神経も乱れやすいのでそちらにも注意が必要です。

―― 今、目や耳のお話が出ましたが、今野さんの本ではこれらの不調にも酸素不足が関わっているとしています。目も耳も急に悪くなることがありますが、こういう時に体では何が起きているのでしょうか?

今野:視力の急激な低下や、あるいは突発性難聴のような症状も、長い期間にわたっての体の負担が、ダムの決壊のように一気に表面化したものだと考えるべきです。症状だけを見れば急激な変化のように思えますが、実際はそこにいたるまでに長い時間がかかっているんです。

―― 今まで、目、耳、口の不調についての本を書かれてきて、今回は体全体の不調について書かれたのはなぜですか?

今野:たくさんの人が体のあちこちに不調を抱えるなかで、自分の体を弱くしているものが何なのかを考えていただきたくて書きました。

病気や不調について、普段の努力で防いだり改善できるものは少なくありません。じゃあその普段の努力としてどんなことをすればいいのかというのをこの本では紹介しています。

―― 最後に、治療院にくる人が絶えず多忙ななかで、今野さんが本を書き続ける理由を教えていただきたいです。

今野:この治療院をやっていると「なんでもっと早くこなかったのか」と後悔している人がたくさんきます。目の病気が悪化して取り返しがつかなくなってから来た人もいますし、他の体の不調もそう。こちらに発信力があれば、症状が改善しないまま病院に通い続けている方々の道しるべになることができると思って本を書いています。

患者さんにとって適切なものを提供するということに中医学も西洋医学も関係ありません。何年も病院に通ってもよくならないなら、少なくともセカンドオピニオンを受けてみるべきですし、こんな考え方もあるんだということを知ってもらえればいい。

本を通して、目や耳をはじめとした体の不調に自律神経がどれだけ関わっているかを訴えてきましたが、最近では眼科でも自律神経の話をする先生が増えてきたと聞いていますから、少しずつ本を書き続けてきたことが浸透しているのかもしれませんね。
(新刊JP編集部)

書籍情報

目次情報

  • 第1章 からだ全体を1つの臓器と考える
  • 第2章 短期間で元気を取り戻す10の今野式トレーニング
  • 第3章 組み合わせトレーニング①【慢性的な不調を解消編】
  • 第4章 組み合わせトレーニング②【気づいたらすぐ対処したい症状編】
  • 第5章 継続は力なり! 習慣力を身に付ける

著者プロフィール

今野清志

1953年、宮城県本吉郡で軍人の父と小学校教師の母親のもとに生まれる。
困っている人たちを見過ごせない父親は、毎日、人助けに明け暮れていた。ついには知人の借金の保証人になり、所有していた木材加工工場などすべてを失ってしまう。家にはお金を入れず、酒乱気味だった父だが、人望が厚く、亡くなったとき町で一番多くの人たちが葬式に集まった。
著者はこの父親の生き方を見て、「人の役に立つ」人生を選択する。
そんな父親をあらゆる面で「超えたい」と体を鍛え、中学では柔道で東北大会のチャンピオンとなる。
高校時代も宮城県で1位となったが、高校2年のとき練習のしすぎでヘルニアになり、泣く泣く柔道を断念。代わりに勉強に励み、中央大学法学部入学。
在学中は、海外文学に親しみ、演劇を目指したり、政治家を目指したりと、たくさんの可能性を探る。
卒業後、予定していた演劇留学がキャンセルとなり、さまざまな運命の偶然から、慈恵医大のアイソトープ科に出向して医学を学ぶ。当時日本で初めてのRIの血液検査を紹介しながら各科の医師との交流を深め、患者を救うには予防医学が最も大切だということに開眼。薬を使わない治療法の確立を、ライフワークとするようになった。
そして、中医学に出会い中国に渡り、中国北京国際針灸倍訓中心結業・中国中医研究院で研修などを行う(現在提携院)。
30代から東中野・赤羽・銀座・日本橋などに整体治療院を開業。現在は日本橋茅場町本院と東中野分院に開業。
日本リバース院長 目と耳の美容室院長 目と耳の美容学院学院長
ベストセラー『目は1分でよくなる!』(自由国民社)他、著書多数。

書籍画像

酸素不足が病気をつくる

  • 著者:
    今野清志
  • 出版:
    あさ出版
  • 定価:
    1,300円+税
  • ISBN-10:
    4866670487
  • ISBN-13:
    978-4866670485