解説
Amazonなどを通して商品を仕入れ、販売するネットビジネスは、その手軽さや参入しやすさもあって会社員の副業として広まりつつある。
このビジネス、始める人のほとんどは「お小遣い稼ぎ」が目的だろう。しかし、中には会社員としての給料をはるかに上回る収益を出す人も。
本書の著者、有本周平氏はネットビジネスで成功。給料以上の額を稼ぎ出すようになると会社を辞め、このビジネスを「本業」にした。「商品の売買」からさらにビジネスの手を広げることで、年収は会社員時代の実に20倍にもなったという。
もちろん、ネットビジネスで収益を上げていくためには、ある程度の道順がある。
ここではその一例を紹介しよう。
まずは輸出・輸入で基本を身につける
他のビジネスと同じく、ネットビジネスも「安く仕入れて高く売る」が基本。つまり、売れそうな商品をリサーチして見つける「目利き」としての力を養うのが第一ステップになる。
ちなみに、国内の商品を国内に売ってもいいが、物価の差がある海外から商品を仕入れたり、売ったりするほうが儲けは大きいという。
たまったノウハウを発信する
商品の売買である程度稼げるようになる頃には、利益の出やすい商品や、それをどう売るかについての自分なりのノウハウがたまっているはずだ。そのノウハウを商品にするのがネットビジネスにおけるキャリアアップの第二段階である。
ブログやメルマガ、それがうまくいったらセミナーを開くなど、自分のノウハウを発信することでお金を稼ぐのがこのステージである。
年間契約でマンツーマン指導
ネットでの商品売買のノウハウを商品化できたら、次のステップとなる。
それは「コンサルタント」になること。
年間契約で、コンサルタントとしてネットビジネスで思うように稼げない人のサポートをするのがこのステップだという。
ネットビジネス勝者の証「プロダクトローンチ」とは。
コンサルタントとして実績ができてきたら、ネットビジネスに関しては立派な専門家だろう。これまでに得てきた知識やノウハウを商材として販売し、広く普及させる。これを「プロダクトローンチ」と呼ぶ。
有本氏によると、ここまでこれた人の中には億単位の利益を出す人もいるようだ。
時間に追われたり、嫌な上司に怒られたり、ノルマを押しつけられたり、といった会社ならではのストレスから、有本さんはネットビジネスによって解放され、会社に左右されない人生を手に入れた。
どこまでやるかはその人次第だが、会社員としての生活に不満を感じていたり、もっと収入がほしいという人にとって、ネットビジネスは一つの選択肢であることはまちがいない。
まずは会社で働きながら、副業として始めてみると、これまでには考えもしなかった自分の可能性に気付くかもしれない。
イベント情報
『1億総バッタ時代~自由になりたかった僕らの独立術~』の出版記念セミナーが、7月24日(日)と7月31日(日)の二日間、それぞれ大阪と東京で開催されます。
詳しい情報は公式ページでご確認ください。(http://arimoto-shuhei.com/semi/)
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・7月24日(日)/ハートンホテル北梅田 2階ぐんじょうにて14:00~17:00
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・7月31日(日)/フォーラム8 1106号室にて14:00~17:00
インタビュー
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サラリーマン時代の経験が、有本さんがこの本を書いた大きな動機になっています。「会社を辞めたい」とはっきり思った時のことを覚えていますか?
有本:僕はもともと電気機器メーカーのオムロンで営業をやっていて、その傍らで副業としてネットビジネスをやっていました。その副業の収入は順調に増えていて、お金の面で言えばいつ会社を辞めてもいい状態だったんですけど、やっぱり怖さがあってなかなか辞めることができずにいました。
そんな時に、勤め先の会社の業績があまり良くなくて、OEMっていうんですけど、新商品の自社開発をやめて、他社が開発した商品を自社のブランドで売る方法に切り替えるという決定があったんです。
もちろん、自分たちで開発費用が出せないのであれば、他社の商品を仕入れてくるしかないというのは理解できます。ただ、僕はメーカーで働いているという自負がありましたし、自分がいつか上司になった時に、部下にこういう決定について説明するのは辛いなと思ったんです。それが決め手でしたね。
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ずっと踏ん切りがつかずに迷っていたということでしたが、実際辞めた時の感覚はどのようなものでしたか。
有本:やはり、プレッシャーは感じました。「本当に大丈夫かな?」という不安もありましたし。
ただ、それまでも稼げていたので、「このままがんばれば収入は伸びる」とは思っていたんです。実際、会社を辞めてネットビジネスに本腰を入れたら、途中働きすぎでヘルニアになったりしたこともありましたが、その通りになりました。
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副業として始めたネットビジネスでしたが、軌道に乗るまではどれくらいかかりましたか?
有本:何をもって「軌道に乗った」とするのかにもよりますが、始めて1年くらいで月収100万円くらいはありました。
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確かに、そこまで稼げてしまうと、会社で働く理由はないかもしれません。ネットビジネスを始めて、実際に会社を辞めるところまで行ける人というのは全体のうちどれくらいいるのでしょうか。
有本:1割前後でしょうね。稼げるようにはなるので、あとは実際に辞める覚悟というか、意思が必要です。
もちろん「副業で満足」という人もいるはずで、それはそれで否定はしません。ただ、「辞めたくなったら辞められる」という選択肢を持っておくのは大事なことだと思います。「会社が嫌だけどお金がないから働かざるを得ない」という人生はしんどいので。
生きるためのお金を得たいのならば、会社で働く以外の方法もありますし、より効率的に稼ぐ方法もあるということは、この本を通じて伝えたいですね。
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ネットビジネスを始めてみたものの、うまくいかなかったという人もいるはずです。このビジネスで成功するかどうかを分けるものは何だとお考えですか?
有本:どんなビジネスでもそうですけど、正しく情報を集めて、正しい行動をとれるかどうかでしょうね。
性格的なお話をするならば、ある意味で「バカ」で「素直」な方が成功しやすいです。まずは何も考えずに、本で読んだことや人から教えてもらったことをやってみる。自分なりの要素を加えずに、そのままやってみる。僕はネットビジネスについてセミナーを開いたりもしていますが、こういう人の方がうまくいくことが多いように思います。
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人からアドバイスを受けることの大切さも書かれていましたが、「稼げるノウハウ」のようなことは、みんな秘密にしたがるのではないですか?
有本:もちろん、そこは人によりけりなんでしょうけど、自分の知る限り、秘密にしたがる人はあまりいません。
僕にしても、聞かれたら深く考えずに「もっとこうした方がいいんじゃないか」というようなアドバイスをしています。
自分のビジネスの核心の部分を明かしたところで、みんながみんな実践するとは思えませんし、そのおかげでビジネスが成功して感謝されたらうれしいので、僕は秘密にすることなく、アドバイスを求められたら答えるようにしています。
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現実的に考えると、たとえばAmazonを通して商品を売り買いして利益を出すためには、「どんなものが売れるか」を見極める目を養う必要があります。この目は経験を重ねることで誰でも手に入れることができるものなのでしょうか。
有本:続けていけば商品を見る目は誰でも身についていくはずです。
一つポイントを挙げるなら、「自分が売りたい商品」ではなく「売れている商品」を売りなさい、ということですね。
ありがちなのですが、うまくいかない人ほど「自分の好きな商品」を売ろうとしてしまうんです。でも、お金を稼ぐのが目的ならば、すでに売れている商品を安く仕入れて売る方が間違いなく効率がいいですよ。
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目安として、いくらくらいの商品が扱いやすいですか?
有本:あまり安いと利益が薄くなりがちですし、かといって10万以上するものが売れまくるということはなかなかありません。そのバランスを考えると3万円前後の商品が扱いやすいように思います。
僕がネットビジネスを始めた頃、ある人気ブランドのiPhoneケースで定価が80ドルくらいのものが、アメリカで250ドルくらいに値段が高騰していることに気がついて、仕入れて売ったらかなりの利益が出たんです。
その時はただ流行に乗ったというパターンだったのですが、もっとコンスタントに利益を出せる方法も紹介しているので参考にしていただきたいですね。
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また、ネットで商品を売買するというところから、どのようにビジネスを発展させていけばいいのかについても書かれていて印象的でした。
有本:ネットビジネスでどのように収益を求めていけばいいのか、というストーリーを本の中で示してあります。この通りにやれば年収1億円くらいまではいくと思います。
ただ、これは一つのケースでしかありません。商品の売買が好きならそれを極めればいいと思いますし、商品の売買を通じて得たノウハウ自体を商品にする方法もありますし、コンサルタントの道もあります。ネットビジネスでの経験を応用できる場所はたくさんあるということは知っていただきたいですね。
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参考までに、有本さんがこれまで稼いだ最高額をお聞きしてもいいですか?
有本:月収で5000万円くらいですね。売り上げだと2億円くらいいったことがあります。
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夢のある話です。最後になりますが、会社を辞めたいと思いながらもやめられずに働いている方々にメッセージをいただければと思います。
有本:もし今の生活が辛くて、何か嫌なことを我慢しているという感覚があるなら、その状態が自分にとって本当に幸せなのか考えていただきたいんです。
僕も会社員時代、異動や転勤が多いのが嫌でしたし、残業も嫌いでした。その割に収入が少ないのもストレスを感じていました。この状態が何十年も続くと思うと憂鬱でしたし、腹立たしくもありました。
そこから脱出したくてネットビジネスを始めて、こうして自由な生活を送ることができるようになってみて思うのですが、嫌なことをいつまでも我慢している理由はないですよ。
もちろん、ネットビジネスを始めたからといって我慢することがなくなるわけではありません。でも、それは自分で決めた目的のための我慢ですから、成長につながるはずです。
間違いなく言えるのは、せっかく生きているのだったら、自由に楽しく生きた方がいいということ。ネットビジネスに限らず、そんな人生を実現するチャンスがある世の中なので、ぜひ行動を起こして、自分の人生を変えていただきたいですね。
僕の本やセミナーが少しでもその役に立つのであれば、すごく幸せなことだと思います。