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本が好きっ! ブックナビゲーター矢島雅弘のインタビューラジオ

『矢島雅弘の「本が好きっ!」』は、ブックナビゲーター矢島雅弘が、話題の本の著者をゲストに招いてお送りするインタビュー番組です。本についてはもちろん、ゲスト著者の人となりや、成功体験、考え方、ビジネスのちょっとした気づきやなどを、矢島が自身の持ち味である軽妙な対談形式でお聞きし、リスナーの皆さまに「軽くて楽しい」けれども「知的」な時間をお届けします。

ゲスト: ビジネスプロデューサー 道幸 武久さん

『壁を崩して橋を架ける 結果を出すリーダーがやっているたった1つのこと』

道幸武久さんと矢島雅弘ツーショット写真

「9つのラベル」でコミュニケーションが盛り上がる

矢島: 本の真ん中あたりに、人と会話をする際に「9つのラベル」が自分に貼ってあると良い、というお話がありましたね。これはなんのためですか?

道幸: 自分自身を整理するためですね。周りと比べて自分という人間はどんな存在かをバランスよく知ることが出来るんです。

矢島: 相手を知る前にまずは己を知る必要があるという事ですね。ちなみに、このラベルというのはどんなものを貼ればいいんでしょうか?

道幸: パッと頭に浮かんだものでいいんですよ。例えば、私は北海道出身だから「北海道」というラベルを付けていますし、眼鏡をかけているから「眼鏡」というのもラベルになります。他にも好きな食べ物や嫌いな物など何でもいいので、とにかく自分を表すものを書き出していくんです。

矢島: なるほど。今おっしゃいました北海道と眼鏡のお話は本の中にもありましたけど、眼鏡というラベルを付けた人同士が会話をするときに、かたや「眼鏡をかけている自分が嫌い」という人と、「自分は眼鏡にこだわっている」という人が向き合い、ディスコミュニケーションになるかと思いきや、良好な関係を築くということもあるんですよね。この話は興味深かったです。

道幸: そうですね。似たようなケースで、慶応大学を出ている人でも「慶応大学」というラベルを書く人と書かない人がいるんですよ。書く人は慶応大学を誇りに思っている人、書かない人は慶応大学に興味がなくなっている人なんです。また、書いたとしても慶応大学を好きじゃないという人もいるだろうし。それをディスカッションしていく事で話が盛り上がるんですよ。

矢島: 自分を示す言葉をいざ9つ挙げるとなると意外に出てこないものかもしれませんが、「ラベル」を用意しておけば、初対面の人と接するときや自己紹介の場で役立つんですね。

道幸武久さん写真

相手を見て感じる「壁」と自分自身が生み出す「壁」

矢島: 本の中で「どんな状況においても、人と人が初めて出会った時には壁がある」とおっしゃっていましたね。感覚としては分かるような気がするんですが、具体的にはどんな壁があるんでしょう?

道幸: 例としては、相手を見たときに「この人苦手だな」と勝手に思い込んで作ってしまう壁や、「目上の人だから」という遠慮から生じてしまう壁などがあります。他にも「この人が相手だと自分を出せない」という自分の性格上の壁もあります。壁というのは車で例えると「ブレーキ」のようなものなので、決して不要な物ではないんですけど、踏み過ぎるのは良くないですね。

矢島: 壁はあって当然の物ではあるけれど、作り過ぎ、つまりブレーキを踏みすぎると前に進めないという事ですね。金髪でピアスをたくさんつけた厳つい人でも、話してみるとものすごく義理堅い良い人だったりしますもんね(笑)。このあたりは自分の意志で変えていけそうではありますが、もう1つの「目上の人に対する遠慮や気遣いから生じてしまう壁」というのはどうやって壊していけばいいんでしょう?

道幸: まずは年下の相手に対等に接してあげる事で、年上の相手との壁も感じなくなってくるものなんです。ですから選り好みはせず、なるべく幅広い層に興味を持った方がいいですね。自分と離れた層との間の壁を崩すには、その相手に合わせた自分を伝えていき、相手の考えをきちんと受け取る「器」と「センス」が大事かなと思います。

矢島: なるほど。今「器」という話が出ましたけども、確かに包容力のある人はまず自分を認めてくれるイメージがあります。

道幸: そうですね。自分のラベルを見せ、相手のラベルを認証し、お互いの価値観を交換する事でコミュニケーションが深まっていくと思います。

道幸武久さん、矢島雅弘写真

普通の会社では「木の橋」くらいの人間関係が丁度良い

矢島: タイトルにもあります「橋」について伺っていきたいんですが、本書の中で、壁を崩した後に架ける橋の種類を「糸の橋」、「ロープの橋」、「丸太の橋」、「木の橋」、「石の橋」と表現されていました。これらはそれぞれどんな状態を表しているんでしょうか?

道幸: まず「糸の橋」というのは文字通り薄い関係を表します。そして最後の「石の橋」というのは非常に強固な関係で、例えばバレーボールの日本代表チームのように、朝から晩まで常に活動を共にし、全員が同じ志を持っている状態を言います。普通の会社は「ロープ」か「丸太」くらいの関係が多いと思うんですけど、私は「木」くらいの関係が良いんじゃないかなぁって思います。

矢島: ふむふむ。ちょっと勘違いしてしまったんですけど、糸から始まった関係を、ロープにして、丸太にして、木の橋にして、最後には「石の橋」にしましょう、というお話かと思いきや、全ての人間関係において「石の橋」を目指す必要はないんですよね。会社は全部「木の橋」の関係でいいんですか?

道幸: 超一流目指している会社で、社員全員が非常に高い志で上場を目指している、というような環境であれば、経営者や管理職は「石の橋」の関係を築く必要があるかもしれませんが、一般的な会社で退職まで勤めたいと思う会社なら、木か丸太くらいの感覚でいた方がコミュニケーションが楽だと思いますね。ただ、それよりも下のレベルの橋を架けている会社が多くあるので、そこはグレードを上げた方がいいのでは、というのが私の提案です。

矢島: 確かに密すぎるコミュニケーションというのも疲弊を生んでしまいますしね。

道幸: それに重いですよね。3年とか5年とか短い期間なら大丈夫かもしれませんが、30年となると相当苦しいような気がします。

矢島: 身の周りの全ての人を一生の友達にしようと思ったら相当疲れますもんね……。そのあたりにも気を付けつつコミュニケーションの改善を図っていく必要があるんですね。

著者プロフィール

道幸武久

1972年北海道生まれ。ビジネスプロデューサー、神道研究家、合資会社諸葛孔明 無限責任社員。
大学卒業後、一部上場企業など複数の会社でトップセールスマンとなり、29歳のときに独立したのち1年半で年収が9倍となり、処女作『加速成功』(サンマーク出版)がベストセラーに。現在、ビジネスプロデューサーとして月間5,000万PVのホームページ運用者へのコンサルティング、全国100店舗の整体院グループやシリーズ累計200万部の健康関連書籍のプロデュース、上場企業のアドバイスなど、企業の成長戦略やブランディングに特化したコンサルティング業務を行う。

パーソナリティプロフィール

矢島雅弘

1982年埼玉県出身。2005年よりスタートしたPodcasting番組「新刊ラジオ」のパーソナリティとして、これまで約1800冊の書籍を紹介。ビジネス書から文芸、サブカルなどさまざまなジャンルの本を簡潔に分かりやすいナレーションで解説し、支持を得ている。また、インタビュアーとしても確かな腕を持っている。モットーは『難しいことを、面白く分かりやすく』。

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