大人になってからの勉強に必須 効率的記憶術と記憶力低下防止法
大人になってから何か勉強するのはたいへんだ。
記憶力も集中力も学生時代と比べると落ちているし、そもそも勉強時間をなかなか取れない。結局、先延ばしにしたり、途中で挫折してしまうこともあるだろう。
そんなことにならないために読んでおきたいのが、『99%が気づいていない大人の勉強力』(ビジネスフレームワーク研究所著、青春出版社刊)だ。ここでは本書をひもといて、毎日忙しい社会人のための最短かつ最善の方法で結果を出すための「大人の勉強法」を紹介する。
■時間のない大人の勉強に必須の記憶術
年齢とともに記憶力は低下していく、というのは一般論として正しくはある。けれど、勉強をするならそんなことは言っていられない。大人が学んだことを記憶にとどめておく方法はいくつもある。
たとえば、「記憶のレミニセンス」を利用すること。これは勉強の直後よりも、一定の時間を置いてからのほうが覚えたことを思い出しやすいという意味の心理学用語だ。
この一定の時間とは、半日から一日くらいが目安。一度覚えたことを忘れかけたタイミングがいいという。たとえば、単語の暗記をするときは長時間で一気に覚えようとするのではなく、「20分集中して覚えて、半日から一日休む」を繰り返したほうが効果的なのだ。
ほかにも、脳のトレーニングで記憶力の低下を防ぐことができる。人体には、使わない部分は確実に機能が衰えていく「廃用性機能低下」という性質がある。
これは脳にもいえること。
そこで、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」をトレーニングすれば、記憶力の減退を抑えることができる。その方法は、昔の記憶を呼び起こす「回想法」を利用するだけ。たとえば、子供のころに住んだ家や通った学校の様子をできるだけ細かい部分まで思い返してみる。時間をかけて細部まで記憶を蘇らせるのが回想法のコツだ。そうすることで、海馬が活発に働き、記憶力が活性化する。
もうひとつ、記憶するときに大事なのが、「ハッピーな気分で覚えたことは忘れにくい」ということ。不安な感情は嫌なものなので、できれば忘れたいと思うもの。なので、不安を抱きながら覚えたものは頭の中に残りにくく、忘れてしまう可能性が高い。暗記の勉強をするときは、楽しく覚えることが重要なのだ。
仕事が忙しくても効率よく勉強すれば、その時間を取れるはず。そして、記憶力に自信がないという悩みは、大人になってからでも脳のトレーニングで衰えを抑えたり、記憶するテクニックはさまざまあるので解消できる。本書の勉強法を参考に、資格などの目標に向けて頑張ってみてはどうだろう。
(T.N/新刊JP編集部)