赤字2億4000万円からの復活劇。危機の淵で社長が見せた「変化」とは
持ち前の営業力で結果を出し、仲間たちを引き連れ、意気揚々と起業。
しかし、創業から赤字続きで、負債は2億4000万円に膨らむ。
いよいよ倒産も見えてくる。どれだけ頑張っても上手くいかず、藁にもすがる思いでトイレ掃除やアファメーションなどのさまざまなスピリチュアルを実践し始めるものの、好転せずに窮地に追い立たされる。
「よい気分でいるといい」と本に書いてあったのを読んで、毎朝ユーロビートのナンバーを大音量で聴き、テンションを上げ続けたこともあります。
そのときは、それなりに気分も上がるのですが、午後になると支払いの不安が一気に襲ってきて……。気づいたら、発泡酒片手に映画館で酔いつぶれているのが常でした。
(『2億4000万円の大赤字を「引き寄せ」で何とかしました!』p.6-7より引用)
こんな状態から大逆転劇を引き寄せたものとは、一体何だったのか?
■人生の主導権を「エゴ」ではなく「心」に握らせる
「引き寄せ会社社長」の異名を持つ西山公人(まさと)さんは、冒頭のようなジェットコースターのような半生を歩んできた。
好転したのは2018年8月から。会社の売上はそこから劇的に伸び始める。
その時、西山さんの中に起きていたのは、「エゴ」から「心」へ、という人生の主導権の変化だった。
「エゴ」とは、「こういう風に見られたい」「認められたい」という思考のことだ。
一方、自分が本当に欲している声をあげるのは「心」だ。「魂」と言い変えてもいい。
「エゴ」は人生を動かすための強力な推進力にはなるが、本当の自分の欲求ではないため、それを優位にし続けていると、無理が生じてくる。
西山さんの考え方は、本来は「心」が主役であり、「エゴ」が脇役であるというもの。「心」が「●●したい」と欲し、「エゴ」が働いてそれを叶える方法を考える。それが健全な主従関係だと言うのだ。
西山さんにとって転換の大きなきっかけになったのは、高校3年生になる自分の息子の学資ローンの審査に通らなかったことだった。
そこでの西山さんの心の声は「オレ、稼ぐ」。
「いい人に見られたい」「稼いでいるカリスマ経営者として見られたい」と思ってきたエゴをはねのけ、「稼ぐ」という心の欲求がついに顔を出し、大きく変化したのだった。
■西山さんが実践している、心の声をキャッチする10個のこと
そんな西山さんは、心の声をキャッチするためにやっていることがあるという。
西山さんの著書である『2億4000万円の大赤字を「引き寄せ」で何とかしました!』(光文社刊)には、それが10項目紹介されている。
・口角を上げる
・自分に向かって「愛してる」
・ムカつくときは我慢しない
・イマココに存在する
・ふだんと違うことをする
・ゆったりくつろぐ
・ちゃんとしなくていい
・心の声が聞こえたら動く
・受け取り上手になる
・遊ぶ!楽しむ!
これらはすべて、心の声をかき消してしまう「エゴ」から脱するために必要なことだ。
ただ、もちろんこれらをきっちり遂行しなくてもいい。
例えば「ちゃんとしなくてもいい」では、真面目にスピリチュアルを取り組んだ結果、全くうまくいかなかった西山さんの体験談がつづられている。
一時期はスマホに「私はお金が大好きで、お金も私が大好きです!」と録音し、それを電車内で聴くというアファメーションを実践していた西山さん。
そうした「努力」「頑張り」ではないところ、引き寄せの本質を発見する。喜劇のような西山さんの復活劇は、読んでいて元気が出てくるはずだ。
(新刊JP編集部)