「8時間で500万」。人気ヘアメイクアーティストが花嫁にお金の話をする理由
いま結婚式の日取りを、会場やお日柄ではなく、カリスマヘアメイクアーティスト服部由紀子さんの空いている日で決める。そんな現象が一部の花嫁の間で起きているそうです。
なんと一番遠い予約は2年半先。
「そんなに結婚式を待ってでも?」と思ってしまいますが、そこにはどんな女性もモデル並みの美人花嫁に変えてしまうメンタル教育と確かな技術力がありました。
『どうせ24時間 印象に残る女になれ』(KADOKAWA刊)は服部さんのヘアメイクアーティストとしての経験や仕事、人生に対する考え方などをまとめた本です。
服部さんのインスタグラムは、フォロワー11万人。上げられている花嫁の写真は、本当に美しい方ばかりです。
そのため「服部さんのインスタには美人しか載ってないけど、私なんかが依頼をしてもいいんですか?」と気後れしてしまう花嫁も多いのだとか。
ですが、服部さんによれば、その美しさは「自信と精神教育」が要因であり、服部さんと打ち合わせや準備をすることで、自然と皆「モデル並みの美人さん」になるのだそうです。
では、具体的に、どのようにして彼女たちに自信をつけさせるのでしょうか。
服部さんは、花嫁に対して「式の予算はトータルでいくら?」とズバッと訊きます。そして、「500万です」と答えた場合、「おお、500万かぁ。その500万を、式当日の8時間ですべて使い切る、ということだよね」と、なるべくリアルな感覚を呼び覚ますように注意しながら話を続けるといいます。
そうすると、たいていの花嫁さんは「そうなんですよ……」と、自分がしようとしているイベントの盛大さに気づくのです。
一般的なプランナーはここまでの生々しいお金の話はしないそうです。
さらに式当日、服部さんは新郎新婦にもう一度ハッパをかけます。
「今、ここに来て私と会った。これから8時間後にはすべてが終わっているからね!」
「一生に1回の8時間がもうすぐ終わるよ。500万も飛んでいく。これはもう楽しむしかなくない?」
このように話すと、「間違いない!」と新郎新婦は納得し、スイッチが切り替わるそうです。
「時間は一瞬で過ぎていく。残るのは思い出だけ。緊張している暇はないよ」
「何十万円のドレスを着て、私という一流を呼んだんでしょう?」
あえて自分のことを「一流」と呼び、「そうだ、私がこの人を指名したんだ!」と再確認してもらう。一瞬一瞬が惜しいものだという感覚を持つことで、表情が変わるのだといいます。
服部さんの心のこもった言葉の数々で、両親や友人が驚く程のいい表情になる花嫁たち。式を待ってでも服部さんに依頼したいと思うのも頷けます。 プロとしての仕事に対する姿勢や、人生への考え方など、服部さんの言葉には多くの女性を励ます力があります。24時間しかない1日を、前向きに頑張る活力をくれる一冊です。
(ハチマル/新刊JP編集部)