午後4時には仕事は終わり? 2年連続幸福度1位のフィンランドの働き方とは?
2018年から2年連続で幸福度ランキング世界1位のフィンランド。昨年、世界最年少34歳の女性首相サンナ・マリン氏が就任したことでも注目を集めた。
フィンランドの人々の幸福感が高い理由として、仕事・家庭・趣味をバランスよくそれぞれを楽しむことができ、そのための社会環境が整っていることがあげられる。仕事のために何かを犠牲にしないで済み、ワークバランスがとりやすいから、ゆとりも生まれ、幸福度も高くなる、ということだろう。
では、フィンランド人はどんな働き方をしているのか。
■コーヒーブレイクは労働者の権利 フィンランド人の働き方
『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(堀内都喜子著、ポプラ社刊)では、ゆとりのあるフィンランド流の働き方と生き方の秘訣を紹介しているのだが、その内容は時間とタスクに追われながら働いている日本人からすると、うらやましいものに映る。
16時には仕事が終わる。労働時間によって回数は異なるが、コーヒー休憩をとることが労働者の権利として法律に組み込まれている。
肩書き、学歴、年齢、性別にこだわらない。週に1度以上、在宅勤務をしている人は3割。オフィスも自由に席を選べるフリーアドレスを導入している企業が増えている。フィンランドでは、いかに効率よく、心地よく仕事ができるか、が考えられている。
16時に仕事を終えられるというのは、今の日本企業では現実的に難しいことだろう。フィンランドでは、8時から働き始める人が多く、16時半を過ぎるとオフィスに人がほとんどいないという。
これは、企業レベルの努力というよりも、国や社会全体の常識として根付いているからだ。 法律で決められている1日8時間、週40時間以内という勤務時間は守られるべきで、休むことも社会人の権利であるという認識がきっちりと共有されているという。
しかも、官庁、大企業、中小企業、そしてどの業界も関係ない。平均的な勤務時間は週37.5時間という雇用経済相のデータもある。
また、フィンランドでは「人は人、自分は自分。既定の時間数働いたら帰るのは当然」と考えてられており、早く帰るからといって周りの人の顔色をうかがうということもないという。
既定時間働けば帰っていいという社会の常識の上に個々人の考え方がしっかり定着しているため、自分のペースで働き、プライベートも充実させることができるのだろう。
働き方改革やワークバランスなど、日本でも仕事だけでなく、プライベートも充実させたいという生活に注目が集まっている。 仕事もプライベートも充実し、心にゆとりのある生活ができるようになるためにも、本書にあるような、フィンランドのワークバランスやゆとりのある生き方から学ぶべきことは多いはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)