『世界のおつまみレシピ』本山尚義著【「本が好き!」レビュー】
提供: 本が好き!日本なら枝豆・唐揚げ、ドイツならソーセージ、イギリスならフィッシュ&チップス・・・?
ざっくり思い浮かびますが、さほどお馴染みでない異国のおつまみって、すごく面白いじゃありませんか!
というわけで本書は、フランス料理人である著者が海外30カ国を旅して知ったおつまみを、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アフリカ、アジアに分けて紹介している本です。
その国以外で手に入りにくいorあまりお馴染みでない材料は、日本の家庭にあるものや、スーパーで簡単に揃う食材に変更し、気軽く作りやすいレシピになってます。
ですので、安心してください。バロット(孵化しかけの雛入り卵)とか、カイモッデーン(蟻の卵スープ)などは載ってません(笑)
大変美味しそうなのが、
1 ブルガリア「パニッツァ」(ここでは春巻きの皮に2種のチーズを挟んだチーズパイ)
2 マーシャル諸島「ポキ」(マグロとアボカドをごま油+醤油で和えた簡単おつまみ)
3 チュニジア「タジン」(鍋ではなく、ひき肉・玉ねぎ・ジャガイモ入りのオムレツ)
4 ニジェール「ザルマチキン」(スパイスの効いた鶏バーグ)
5 インド「アルゴビ」(カリフラワーとじゃがいものスパイス炒め)
・・・ああ、キリが無いほど美味しそうなものがいっぱい!
お国が違えば好みが違うということで、微妙なのが、
アルバニア「チフチ」(ごはん+ミント+チーズのコロッケ)
ジャマイカ「ジャークポーク」(スパイス+オレンジジュース+ライム果汁で焼いた豚肉)
ツバル「オタ」(白身魚のココナッツミルクマリネ)
・・・食に保守的な私はちょっと・・・ですが、好きな人はきっと大好き。
おつまみのページのまとめに、各地で定番+つまみに合わせたオリジナルのカクテルが紹介されているのも楽しいです。
●個性的&○美味しそうなのを、挙げときます。
●「デビル」・・・ミントリキュール+ブランデー+ソーダの上に粉唐辛子!?
ヨーロッパの皆さんは、普通に飲んでるのかしら?
私は飲んだ瞬間に炭酸入り唐辛子に、ブホォッ!!って吹きそうな気がする・・・。
○「ホット レモンチェッロ」・・・イタリア定番リキュールのレモンチェッロ+お湯+レモンスライス
優しくさわやかに甘い冬向けカクテルですねぇ。ちょっとだけ、ハチミツ入れたいわぁ。
●「パクチー モヒート」・・・カクテル王道モヒートのミントをパクチーに変更したヤツ。
ぎゃぁーーーー!パクチーだーーっ!逃げろーーー!!
○「オレンジ ブロッサム」・・・ジン+オレンジジュースの飲みやすい(でも強い)カクテルでカクテル言葉は「中和」です。
が、このジンをウォッカに変えると、より一層口当たりと香りの優しい(そして強烈なアルコール度の)「スクリュー ドライバー」になりまして、カクテル言葉は「油断」・・・このカクテルは「女殺し」です(笑)。
ちなみに、巻末の索引がこれまた大変面白く、
① 素材別に探す
② スパイス・調味料から探す
③ 地図から国別に探す
・・・と、3タイプに分かれています。
索引を読んで、料理を確認するって読み方も楽しめます。
これから増えていくお酒の席の準備に、本書をどうぞ。
自分のために、家族・恋人のために、お客様のために、いつもとちょっと違うおつまみで、美味しく楽しい話題作りにもお役立ちの一冊です。
(レビュー:薄荷)
・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」