料理研究家が伝授! 「家族にもっと野菜を食べてほしい」ときのコツは?
アプリやインターネットで検索をすれば手軽にレシピを知ることができるようになった今、発売3ヶ月で9万部の大ヒットとなっているレシピ集がある。
『Yuuのラクうま♡ベストレシピ』(Yuu著、扶桑社刊)だ。
本書はインスタグラムのフォロワー51万人を誇る料理研究家のYuuさん(yuuyuu514)が、これまでブログやインスタグラムで公開してきたレシピの中から、料理が苦手な人でも作れる172品の「ベスト」を選んでまとめた一冊。
しかし、このレシピ集は単なる「ベストレシピ集」ではない。
細部に至るまでYuuさんのこだわりが張り巡らされ、「美味しい!」とともに「料理って楽しい!」を引き出す仕掛けが満載なのだ。
そんなYuuさんへのインタビュー、後編では本書に掲載されている中からおすすめレシピを聞いた。
(新刊JP編集部)
・インタビュー前編「夫婦の危機も救った!? 家族からの「美味しい!」を引き出すレシピ集」はこちらから
■食卓に上手く野菜を取り入れるコツは? Yuuさんに聞くおすすめレシピ
――ここからは、新刊JP編集部の編集部員から「このおすすめレシピを聞きたい!」という質問をもらってきたので、お答えいただこうと思います。
Yuu:はい、よろしくお願いします。
――まずは、「片付けがかさばらないメニュー、生ごみがあまり出ないメニューを教えてください」という質問です。
Yuu:片付けがかさばらないレシピだと、「ベストレシピトップ10」の第2位「白菜とツナのおかかポン酢あえ」がおすすめです。すごく簡単にできる副菜です。
白菜を手でちぎって、芯は薄切りにします。それを調味料とともにポリ袋に入れてよく揉み込み、5分ほど漬け込みます。最後に、もう1枚のポリ袋に移したらツナ缶のツナを油ごと加え混ぜ合わせて完成です。白菜を丸ごと使うので生ごみも出ないし、鍋やフライパンを使わないので片付けはかなりラクですよ。
――これは「あと一品ほしい」というときに作りたいメニューですね。続いては「野菜を丸ごと美味しく食べられる料理」はいかがでしょうか。
Yuu:実はこのレシピ集は野菜を丸ごと使う料理が多いんです(笑)。104ページ、105ページのさつまいも料理は、さつまいもを皮ごと使うのでおすすめです。あとは、100ページの「丸ごとピーマン豚巻きレモン南蛮漬け」は、ピーマンを丸ごと使います。
――ピーマンって、普通へたと種を取って捨てますよね。
Yuu:それらも全部使います。ピーマンって丸ごと調理すると、甘みが増して美味しいんですよ。
――特に子どもはピーマンの苦みが嫌いじゃないですか。そういうときにも。
Yuu:はい。さらに調味料でピーマンの苦みを消すようにしているから、抜群に食べやすくなると思います。
――野菜に関しては「野菜を上手く献立に取り入れるコツを教えてほしい」という質問も着ています。
Yuu:上手く取り入れるコツですか…。私はメインの料理をお肉だけで考えずに、お肉と野菜という組み合わせで考えるようにしています。
例えば、唐揚げを作るときに鶏肉だけではなくて、野菜の唐揚げも作ってみるとか。なんとかして野菜をメインに入れるようにしますね。サラダなどの副菜にしてしまうとどうしても箸が伸びにくくなってしまうので、そういう工夫をしています。
――これは私からの質問ですが、野菜に限らず食材を余らせてしまうことが多くあります。買い物の際にしている工夫がありましたら教えてください。
Yuu:買い物に行く前に冷蔵庫のチェックをします。それで残っているものから消費していくようにしています。また、量的に中途半端に残っているものもあると思うんですね。そういうときはスープに入れてしまいます。
――なるほど、スープに入れてしまう。では、調味料が余ってしまう場合はいかがですか?
Yuu:使いきれなさそうな調味料は基本的に買わないですね。このレシピ集の66ページでも紹介していますが、基本の調味料で代用できるものは多いんです。例えばオイスターソースでしたら、醤油、みりん、砂糖、鶏がらスープがあれば近い味にすることが可能です。
――巻末の139ページには3倍濃縮の「自家製めんつゆ」の作り方なども掲載されていますが、市販のめんつゆも使いきれないことが多いので助かるなと。
Yuu:そうなんですよね。めんつゆについては市販品を使わずに手作りしたいという方もいらっしゃるので、手作りのほうが安心するという方はぜひ作ってみてください。
■徹底的に丁寧! 料理初心者の人に試してもらいたいレシピ集
――『Yuuのラクうまベストレシピ』についてこだわった点を教えてください。
Yuu:一つは野菜の使用量をグラム表示にしているところです。初めてレシピ集を使ったときに「玉ねぎ4分の1個」と書かれていて、「でも、個体差があるのでは?」と困ったことがあるんですね。そのまま4分の1個使って、実は量が多すぎたという経験がある人もいると思いますし、何より味に影響が出てしまうんです。そういうことがないように料理初心者の方でも間違えないようにグラム表示にしています。
あとは、一つ一つのレシピに豆知識的な「調理POINT」というものを入れています。ここに書いてあることは、他のレシピでも応用できることが多いので知っておくとトクです(笑)。「何でこの作業をするんだろう」と疑問を持たれやすいところも答えています。
――前編でお話されたインスタグラムではないですけれど、とにかく丁寧ですよね。
Yuu:そこにはこだわっています。なので、ぜひ初心者の方にも試してもらいたいです。インターネットで検索すれば何でも分かりますが、この一冊を読めば料理のこと全般が分かるという本にしたかったので。
――Yuuさんお気に入りのページがありましたら教えてください。
Yuu:さっきもちょっと触れた、66ページの「私のおすすめ調味料」が好きです(笑)。ポン酢やコチュジャン、焼肉のたれなどの簡単な作り方を載せていますが、もし調味料がなくても代用できるよということを伝えたいです。
――確かに、作る手前までいって調味料がないと急にモチベーション下がることあります!
Yuu:ですよね? 足りないときにパッと作れたらいいじゃないですか。それに、オイスターソースなんかはアレルギーを持っている方もいるので、そういう方でも似た味を楽しめることを伝えたいです。
――付箋を貼ってすぐ本を開けるようにするか、ページを切り取って冷蔵庫に貼っておきたいです。では、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
Yuu:料理が苦手、自信がない。そんな方に向けて料理の楽しさを知ってもらいたいと思って作ったレシピ集です。料理は難しいものではなくて、簡単に、楽に、美味しく作ることができるから、その方法をもっと知っていただきたいと思いますね。
――最後にYuuさんが思う、料理の最大の魅力はなんだと思いますか?
Yuu:やっぱり自分の好きな味のものを作って食べられることですね(笑)。たまに勉強のために惣菜を買ったりするけれど、自分だったらこうするのに、と思うことも多いんです。自分好みの味の料理を作る。それが料理をすることの一番の魅力だと思います。
(了)