だれかに話したくなる本の話

話を上手くまとめられない人が抑えるべき、説明力アップの3つのポイント

他人を動かすときには、なぜそれをすべきなのかという「説明」がカギを握る。説明が上手ければなんなく人を動かすことができるが、下手だと相手は納得するどころか逆にいら立ってしまうこともあるだろう。

説明力は「知性」であると述べる人がいる。教育学者の齋藤孝氏だ。
何気ない会話の中で「この人は頭がいいな」と思うタイミングがある。そんなときはたいてい相手が難しい話を理解しやすく説明しているときではないだろうか。時にユーモアを交えながら、無駄なく的確に伝えたいことをまとめている。そこに「知性」を感じるのだ。

■説明力を高める3つの要素とそのポイントとは?

では、説明力を上げるにはどうすればいいのか。
齋藤氏の執筆した『頭のよさとは「説明力」だ』(詩想社刊)はそのタイトルの通り、「頭のいい人」たちの理解力を分析しながら、説明力を上げるために必要なことを教えてくれる一冊だ。

齋藤氏は、説明力を高めるためには下記の3つの要素を伸ばすことが効率的な方法になると述べる。

・時間感覚(的確に効率よく伝える)
・要約力(内容の本質をつかむ)
・例示力(具体例を挙げる)

では、どのように鍛えればいいのだろうか?
その方法についても齋藤氏は教えてくれる。

まず「時間感覚」だが、実際に自分が1分でどれだけ説明できるか、30秒でどれだけ話せるか実際に体感してみることが大事だ。「意外と話せる」「全然足りない」など、どれだけのことが伝えられるか分かれば、その感覚に沿って話す内容を構成できるようになる。斎藤氏が「練習したことがあるないかではっきりと差が出ます」と言うように、訓練が大切だ。

続いての「要約力」だが、これは説明が「一語」で完結することが理想だ。ただ、そこにたどり着くまでには訓練が必要。そこで、まずは話のポイントをできるだけ少ない数に絞り込んで話すようにすることを心がけるよう。つまり、全てを説明しようとするのをやめるのだ。また、絞り込む際のポイントの数は3つ程度がいい。4つ以上になると、聞き手が分かりにくくなる可能性がある。

最後の「例示力」は、分からないものをおおよそ分かるもので説明をするという方法が基本となる。具体化はその一つで、「たとえば、こういうことです」と一例を挙げて説明することで相手の理解を早めることができるはずだ。

本書にはこの3つのポイントを高めるためのトレーニングが掲載されている。

人から説明を求められたとき、しどろもどろになってしまい、話の半分も伝わっていなかったという経験がある人は少なくないだろう。
例え考えていることやアイデアが素晴らしくても、伝わらなければ意味はない。その伝える力を身に付ける上で、本書の内容は参考になるはずだ。

(新刊JP編集部)

頭のよさとは「説明力」だ

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