「あの人はデキる」と思われる話し方の習慣
できる人になりたい。成果の出せる人になりたい。
そう思って自己研鑽しても、なかなか結果に結びつかない。
確かに自分の実力をあげることも大切だが、その人が「できる人」かどうかを判断するのは他者。自分自身の印象を良くするためには、「言葉の使い方」に気を付けるべきだろう。
『できる大人は「ひと言」加える』(松本秀男著、青春出版社刊)は、日本ほめる達人協会専務理事の著者が、できる人が知らずにやっている「言葉1つプラスする習慣」を紹介している。
そのテクニックを本書からご紹介しよう。
■肩書きではなく、相手の名前を呼ぶ
人間関係を親密にし、自分を印象づけるためのポイントとしてあげられているのが、「相手を名前で呼ぶ」ということだ。
肩書きや各職名で呼ぶのではなく、「山田社長」「川口部長」というように名前を言う。
なぜこれが効果的なのかというと、名前で呼ぶことは「その人を業務上の役割や機能として扱っているのではなく、一人の人間として向き合っていますよ」という表明になると著者は指摘する。
つまり、名前を呼ばれることで承認欲求が満たされ、名前を呼んでいる人に対して親しみを覚えるのだ。
実際、アメリカ・テキサス州にある南メソジスト大学のダニエル・ハワード教授は、学生にクッキーを売るという実験において相手の名前を呼んだほうが、呼ばない場合と比較すると購入率が約2倍になったというデータを発表している。
また、これは個人名だけではなく社名も同様。「御社」ではなく相手の社名を言うことで、敬意が伝わるという。
■質問をするときは相手の頭を動かすものを
もう一つ。できる人とそうでない人の差は「質問力」にあるという。
例えば反射的にイエス・ノーや一言で答えられてしまうような質問ばかりしてしまうのは「できない人」の質問の仕方だという。一方で、できる人は即答できない、「脳を動かす質問」を繰り出す。
たとえば、「どういうところに力を入れていらっしゃるんですか?」というように、わざと漠然とした聞き方。まだ見ぬ未来のこと、誰もが考えていないことなどが、脳を動かす質問となるのだ。
松本氏自身、「ひと言プラスする習慣」を続けることで、自分の印象が変わり、信頼を得て、仕事も人間関係も人生も全てがうまく回り出したという。
ほんの一言をおぎなうことで、人間関係、自分自身の評価や未来も変わるのかもしれない。
(新刊JP編集部)