不安も生きづらさも消える!今こそ知りたいブッダの教え
将来に不安を感じたり、他人の行動で嫌な思いをしたり、ニュースで残酷な事件を目にしたり・・・。
私たちは生活の中で、様々な要因から心をマイナスの方向に引きずられ、やるべきことに集中できなかったり、リラックスしたいのにリラックスできなかったりする。心を平穏に保つというのは、情報があふれ、対人関係が複雑化している現代において、簡単そうで案外難しいのだ。
『脳を鍛えてブッダになる52の方法――Just One Thing :神経心理学によるブッダの智恵をもたらす脳トレーニング』(リック・ハンソン著、影山幸雄訳、サンガ刊)は、ブッダの教えを通して、容易に悲観的にならず、どんなことにも乱れない心と脳を作る方法を明かしていく。一日のどこかで、こんなことを意識してみると、ともするとざわつきがちな心が少しだけどっしりとするかもしれない。
■完璧でないことに対する不安を和らげる
私たちは不完全な物事に対して不安を感じる。
それは散らかった部屋や汚れた服から、ケガや病気、外国で起きる戦争や飢餓まで同じだ。もちろん、改善できるものは改善すべきだが、自分の問題も世界の問題もすべてが完璧に片付くことなど不可能だ。だから、不完全であることに耐性をつけなければならない。
完璧さや完全さを求めすぎると、自分だけの正義を他人にも押しつけるような人間になってしまう。理想も標準も私たちに必要だが、それを満たすことにこだわりすぎるのは自分を苦しくするだけだと気づくべきだ。
■自分の問題としてとらえない
たとえば、仕事の同僚や上司、友人に厳しく非難されたら、誰でも落ち込み、自分のどこが悪かったのかと考えるだろう。
しかし、たとえ直接の原因があなたの落ち度だったとしても、激しく非難した裏には相手の個人的な悩みがあるかもしれないし、あなたに関係のない別の問題からストレスを抱えているのかもしれない。幼少期の経験から怒りやすい性格なのかもしれない。あなたに問題があったのかもしれないが、相手が非難したことには他の要素も絡んでいたのだろうと考えることで、気持ちが楽になるはずだ。
ほとんどの場合私たちは他人の人生ドラマの端役に過ぎません。(P312)
自分に起きたことについて、私たちはつい自責一辺倒になりがちだが、もっと広い目で見てみると、すぐに落ち込んだりしなくなるのではないか。
■もっと安心して生きられる!
メディアを通して伝わる残酷な事件や自然災害、経済の混乱、あるいは「AIで仕事が奪われる」のような暗い見通しや大病への警鐘。日々こういうニュースに触れている私たちは、どうしても身の周りにあるリスクや脅威を過大評価しがちになる。結果、不安にさいなまれることになる。
しかし、人生に対して必要以上に身構えることで毎日を楽しめないのなら、もう少し緊張をといてもいいはずだ。将来に備えるなということではない。様々な脅威を告げる情報に触れつつも、ここまでどうにか生き抜いているのなら、もう少し安心して生きてもいいのではないか、ということだ。
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本書では、日々不安や迷いと隣り合わせの私たちが、リラックスしてポジティブに過ごすための52の知恵がつづられている。毎日の生活の中で取り入れたい具体的な習慣や行動についても解説されているため、実践しやすい内容だ。
(新刊JP編集部)