だれかに話したくなる本の話

死期が近いゾウが集まる「ゾウの墓場」は実在するのか?

死期が近いゾウが集まる「ゾウの墓場」は実在するのか?

「命の重さはみな同じ」と私たちはみな教わるが、年をとるごとに「どうも本当はそうではないらしい」ということもだんだんとわかってくるものだ。

たとえば唐揚げやフライドチキン、ナゲットなどになるブロイラーの寿命は5年から10年以上とされるが、彼らが天寿をまっとうすることはない。窓がなく暗い鶏舎に押し込められ、生後40日から50日で出荷され、殺され(生きたまま首を切られる)、食肉に加工され、若鶏として売られる。

その命は、もしかすると人間より軽いといえるかもしれない。しかし、ともあれこれがブロイラーの死にざまであり、生きざまだ。

生き物の死にざま

生き物の死にざま

すべては「命のバトン」をつなぐために──

子に身を捧げる、交尾で力尽きる、仲間の死に涙する……
限られた命を懸命に生きる姿が胸を打つエッセイ!

生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──
老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ、
地面に仰向けになり空を見ることなく死んでいくセミ、
成虫としては1時間しか生きられないカゲロウ……
生きものたちの奮闘と哀切を描く珠玉の29話。生きものイラスト30点以上収載。