『わたし、定時で帰ります。』小説版はすでに続編が刊行。その後の結衣の働き方は?
6月25日夜10時より、延期となっていた吉高由里子さん主演の連続ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)の最終回が放送された。
このドラマの原作は、朱野帰子さんの小説『わたし、定時で帰ります。』(新潮社刊)だ。
昨年、新刊JPが朱野さんに行ったインタビューでは本作について、太平洋戦争で日本軍が行った「インパール作戦」をモチーフの一つにしていると語っいる。実際、作中において、主人公の結衣が「インパール作戦」を知り、自分たちの無謀なプロジェクトと重ねている。
・「組織に呑みこまれる怖さを書かずにはいられなかった」 “社畜”精神から生まれた新時代の仕事小説とは?(新刊JP)
そんな「無謀なプロジェクト」の中で交錯する人間関係と、それぞれの「働き方」に対するポリシー。
作者の朱野さんはこの時のインタビューで次のようにコメントしている。
「働き方改革」って言いますけど、なぜ働き方を改善するかというと、より良いビジネスをするためですよね。どうすれば社員が短時間で大きなパフォーマンスを出せるようにするかは、経営層が考えなくてはいけない。でも、今って「働き方」が個人の生き方に結び付いていて、個人が考えて「早く帰る」という話になってしまっていると思います。
でも、それだと何も変わらなくて、個々人が背負ってきた人生や、持っているポリシーがただぶつかり合うだけで、収集つかなくなっていくのは当然です。
「働く」とは何かを強烈に突きつける小説。それが『わたし、定時で帰ります。』だった。
そんな『わたし、定時で帰ります。』の続編となる『わたし、定時で帰ります。ハイパー』(新潮社刊)が今年3月に出版されている。
ドラマでこの作品を知った人は、ぜひ原作も読んでみてほしい。そして、『わたし、定時で帰ります。ハイパー』では結衣たちのその後が描かれている。それぞれの立場は変わるが、結衣の苦悩と奮闘ぶりをのぞくことができる。
まさに新時代を代表する「お仕事小説」となった本作。ドラマを観た人はぜひ小説でも作品を楽しんでほしい。
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(新刊JP編集部)