「定額おこづかい」はNG!わが子が将来貧乏になる親のしつけ
「我が子にはお金で苦労させたくない」というのは、子を持つ親なら誰でも願うこと。特に自分がお金に困った経験があればなおさら我が子には経済的に豊かになってほしい気持ちが強いはず。
お金を増やす方法は「稼ぐ」「貯める」「運用する」「もらう」の4つ。この4つのお金のスキルを我が子に授けるために、親はどんな子育てをすればいいのだろうか。
元メガバンクの支店長であり、マネーリテラシ―についての著作を持つ菅井敏之さんは、著書『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』(集英社刊)で、子どもへの「お金の教育」に言及している。
■「定額のお小遣い」をあげると子どものお金リテラシーが育たない
「お金を計画的に使えるようになってほしい」という思いから親がついやりがちなのが、子どものお小遣いを月額いくらという「定額制」にすること。しかし、この習慣はお金についての感覚を養うという意味ではあまりいい習慣ではないという。
菅井さんによると、子どもに「稼ぐ力」をつけさせるための第一歩となるのが、物事を経営者の視点で見ること。
たとえば、家族で外食している時に**「この店で一番稼いでいるのは誰だと思う?」**と質問することで、アルバイトや社員の店長、店のオーナー、さらには店が入っている物件の所有者など、店にどんな人が関わっていて、どのくらいのお金がどういう流れで動いているかを子どもに考えさせることができる。これによって子どもは大きな視点で世の中を見ることができ、お金を得るにはどんな方法があるのかを考えるようになる。これが経営者の視点を身に着けるということである。
一方「定額お小遣い制」とは、月に一回決まった額のお金を受け取る決まり。そこにはお金の流れや、なぜ自分がそのお金をもらえるのかを想像させる要素は少ない。これで身につくのは経営者ではなくサラリーマンの目線である。
■「先に宿題をやりなさい」はNGワード
また**「宿題は終わったの?」「お手伝いはいいから勉強をしなさい」**など、親がつい使いがちなこうしたセリフも実はNGワードだという。
子どもに経営者の視点を持たせるためには、子どもに「自分自身も“家庭”という企業の経営者の一人である」という意識を持ってもらうことが一番。共同経営者であるならば、家庭の運営にも携わらなければならない。
親はつい「勉強さえしていれば安心」と考えがちだが、子どもが自分の将来のために勉強をするのは当たり前のこと。それによって家族の一員としての働きを免除してしまっては、子どもからいつまでもお客様意識が抜けなくなってしまうという。
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ここでは「お小遣い」や「手伝い」という、身近なトピックについて親が行いがちなNG行動を紹介したが、本書では子どものお金のリテラシーを育てるために生活の中でどのようなはたらきかけをすべきかについて詳しく解説されている。
生き抜いていくために不可欠なお金の知恵。我が子にそれを学ばせるために本書から得られるものは多いはずだ。
(新刊JP編集部)