足立区が分かれば未来が分かる!? 足立の隠れた可能性とは
「東京都足立区」に、どんなイメージを持っているだろうか。
SUUMOの「関東 住みたい街ランキング2018」を見ると、「住みたい自治体ランキング」で足立区は45位。決して高いとは言えない。ところが、「穴場だと思う街ランキング」の1位は北千住。足立区だ。
再開発が進む北千住駅は、6路線が乗り入れ、利便性が良く、家賃や物価も安い。テレビや雑誌などにも取り上げられることも多く、大きな注目を集めている街なのである。
そんな北千住を擁する足立区とは一体どんなところなのか。
『なぜか惹かれる足立区~東京23区「最下位」からの下克上~』(池田利道著、ワニブックス刊)では、一般社団法人東京23区研究所所長の著者があらゆるデータを用いて徹底分析。足立区をはじめとする東京東部に隠れていた日本の未来を読み解くヒントを紹介する一冊だ。
■足立区が分かれば未来が分かる!?
所得水準が低い、全国平均の2倍を大きく超える生活保護率、犯罪最多発区、ヤンキーが多い…。こんなネガティブなイメージを持たれているのが足立区。ところが、東京23区で定住率が1位なのも、実は足立区なのだという。
大きな課題を抱えている足立区だが、だからこそ池田氏は日本の未来の可能性を見出す。
日本は少子高齢化による人口減少社会と向き合っていかなければいけない。これは東京も同じことだろう。否応なくまちが存続を競い合う時代を迎えようとしている。
その競争に勝ち残るポイントは2つあると池田氏。
1つ目は、「自分たちの置かれている実態を正しく把握し、理解すること」。2つ目は「的を絞って突破口を開いていく都市経営の戦略性を磨くこと」。
この視点から、足立区は区民を巻き込んだ動きの広がりを実感できると池田氏。「足立がわかれば、未来もわかる」という言葉の根拠はここにあるのだ。
イメージの悪い面もありながら、70万人近くが住み、今も人口が増え続け、さらに定住率は23区でトップ。そんな足立区の可能性が本書を通して分かるだろう。足立区民や東京都東部に住んでいる人だけでなく、地元の地域のことを考えている人にも参考になるものがあるはずだ。
(新刊JP編集部)