部下が疲れてしまう“がんばる”リーダーの落とし穴
リーダーとして部下のモチベーションについては頭を悩ませることだろう。自分本位になると相手に負担をかけ、疲れてしまう。心のケアもしっかりしなければ、仕事もはかどらない。では、そんなときに上司はどうすればいいのか。
『マネジメントはがんばらないほどうまくいく』(三宅琢著、クロスメディア・パブリッシング刊)では、産業医の著者が会社の最大の財産である「人」の扱い方や、部下にいきいきと働いてもらうためのマネジメント方法を紹介している。
■自分7割、部下3割。職場全体がいきいきするメンタルケアのコツ。
もし、「うつうつ」としている部下がいる場合、しっかり自分のメンタルケアに努めるよう働きかけることだと著者。自分の些細な変化にいちはやく気づき、自分に合った方法でケアできるのは、結局のところ自分だけだからだ。
さらに、もうひとつ大事なことがある。部下にセルフケアを促すためには、まず上司が自分自身のケアをしっかりすることだ。部下が不調になってしまう原因として、上司自身のメンタルが不安定という問題も大きい。
上司の機嫌の上下が激しく、情緒不安定だと、部下は余計な気を遣わなければいけなくなってしまう。著者は「自分のメンテナンスであるセルフケアが7割。そして、部下のメンテナンスであるラインケアは3割」だと述べる。
もちろん、部下の心身の安全に配慮するのは当然だが、大前提として上司が「自分思い」でいなくては、部下も気が滅入ってしまうことになる。
では、どのように健康管理をすべきなのか。そのひとつとして意識すべきなのは「遊ぶ」ことだと著者は言う。
脳と体をしっかり休ませることも重要だが、日々の生活のストレスをリフレッシュさせるには、自分の好きなことを満喫することが大切だ。
部下との接し方やモチベーションの上げ方に悩んでいるリーダーは、もしかしたら自分自身を振り返ってみた方がいいのかもしれない。疲れていたら周囲が見えにくくなり、溝が生まれてしまう。だからこそ、まずは自分自身の心身のケアをしっかりすべきなのだろう。
(新刊JP編集部)