軽装、下調べ無しで山に登った女の末路 ―大山旅行記
提供: 新刊JP編集部関東はまだ紅葉がはじまったばかりといった感じですが、空はすっかり高くなり、いよいよ行楽シーズンの到来ですね。
新刊JPデザイナーのハチマルです。
先日、大山に行きました。
大山といえば江戸時代にお参りが大ブームになるなど、昔から庶民に親しまれてきた山で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも掲載されています。
日本遺産認定!
バス停からケーブルカーまでの間は昔ながらのお土産物屋さんや、大山名物の豆腐料理店が並びます。
冷奴にごま豆腐
豆腐のみそ漬も美味しかったです(こちらはお土産で買ったもの)。
よくチーズに例えられますが、蒲鉾に近い食感で見た目ほどのしょっぱさはなく、味噌の香りが優しい珍味です。
お酒とよく合いそう。
大山の上には「大山阿夫利神社」という神社があるのですが、山の中腹にも「雨降山 大山寺」という寺があるので、まずはそこを目指します。
ケーブルカーがとてもカッコイイ!
なんとグッドデザイン賞を取っているんですって!!
大山でよく目にするのが「江の島」というワード。
昔、大山詣といえば、江の島と大山の両方を参拝するのが主流だったそうです。片方のみ参拝することは片参りと云うのだとか。
この「恋結びのベル・幸福のベル」も江の島が見えるところに建っています。
願い事によって鐘を鳴らす数が違うので要注意。
最初の目的地、大山寺は趣きある階段を上がったところにあります。
このお寺はスピーカーをつかって大音量で読経の声を流していて、お経を聴きながらの山歩きは少し異様な感じもしました。
いや、ありがたいお経なのですけども。
とても立派なお寺ですが
かわらけ投道場なるものが。
かわらけ投自体は珍しいものではありませんが、道場とは……?
とくに指導をして下さる方がいるわけでもないので、放任主義な道場のようです。
ちなみに輪はめっちゃ遠い。
これは無理です。入りません。
が、看板によると「一、投げて厄を落とし 一、砕いて厄を払い 一、通して願いが叶います」とのことなので、投げた時点で厄は落として払えているのでしょう。
願いは叶わないかもしれないけれど。
さて、お寺を出て山の上にある大山阿夫利神社を目指します。
ちょっと怪しげな橋を渡りました。
その名も「無明橋」。
実はこの橋、ちょっとした「いわくつき」でして……
橋を渡り切ったところに看板が立っていたのです。
『話をしながら通ると橋から下に落ちたり、忘れ物や落とし物をしたり、悪い事が起きたりするという』
……先に言ってよ、そういう大事な事はぁぁぁああああああ
おもいっきり喋ってました。女三人で来てますもん、そりゃ無言で歩きませんよ!
憤慨する筆者でしたが、この後、この不吉な看板は正しかったことを知るのです。
大山にはケーブルカーに乗るポイントが二か所あり、一つは先ほど乗った大山寺までのもの。もう一つは大山寺から大山阿夫利神社までのもの。
ケーブルカーに乗っていた時間はとても短かったので、大山阿夫利神社まで歩けるんじゃないかと安易に考えてしまったのが不幸の入口でした。
当初、ケーブルカーで上まで登るつもりで来ていたので、普段着にブーツというラフな観光スタイルでした。
とても山に登る格好ではありません。
軽いハイキングのようなイメージでいたのですが、登るごとに違和感を覚えます。
20分程歩いたところで正気に戻りました。
「これ、普通に登山だわ」
軟弱な私の足が早くも疲れを訴えてきました。
一日のほとんどを座って過ごすオフィスワーカーの足には辛い道です。
登山経験は一切無い筆者ですが、これだけは知っていました。
「山でしんどくなったら無理しちゃいかん。」
下山してきた登山客にお話を伺うと、「まだ先は長い」とのことなので、泣く泣く来た道を引き返すことに。
午後を過ぎてから山に入ったのですが、下りのケーブルカーの最終は5時でした。
もし大山阿夫利神社への到着が5時を過ぎた場合、山で一晩過ごさなくてはいけなくなる危険もあります。
来た道を戻った我々には、虚しい筋肉の痛みだけが、両足のももに残ったのでした。
ケーブルカー最高!!!!!!!!!!
神社はとても美しく
眺めも本当に良い。
境内には「神泉 大山名水」があり、透き通った水は飲むと長寿になれるのだとか。
この水がおいしい豆腐を作るのですね。
鹿もいました。
大山は東京から近く、おいしい豆腐や綺麗な眺めを楽しめる素晴らしい山でした。
これから紅葉が進めばさらに楽しめると思うので、ぜひ皆さまこの秋に足を運んでみてはいかがでしょうか。
とくに、ケーブルカーは最高ですよ!!
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