「働き方改革」「AI化」で年収が激減!? “給与クライシス”を乗り切るためには
2018年6月29日、働き方改革関連法案が国会を通過しました。
注目は残業時間に上限が設けられること。原則、年間360時間までとなります。
これで長時間労働のブラック企業が撲滅! 激務から解放されてみんなハッピー……かと思いきや、世の会社員は不安でいっぱい。
残業時間を減らす代わりに、残業代もごっそりカットする会社がないとは限りません。そうなると家計は大ダメージ。業務量は圧縮されずに結局は仕事を家に持ち帰ることになり、「残業代が減っただけで仕事は減っていない」という最悪の結果も。
会社員の危機はそれだけではありません。
最近の人手不足は深刻で、AIによる自動化が急ピッチで進むと見られています。オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表した論文では、今後10〜20年の間に半数近い職業がロボットに取って代わられるとされているほどです。ひと昔前までは「安泰な職場」とされていた日本のメガバンクでも大規模なリストラが断行されていますから、もはやどんな大企業でも安泰とは言い難いでしょう。
給料は増えにくく、逆に減ったりなくなったりするリスクは数知れずある。これからやってくる会社員の“給与クライシス”をくぐりぬけ、給与を上げていくためには、何が必要なのでしょうか。
『給与2.0 10年後も給与が上がり続ける新しい働き方』(髙橋恭介著、アスコム刊)では、給与を上げていける会社員の考え方と働き方が詳しく語られています。ここではそのポイントをいくつか紹介しましょう。
■あなたの時給はいくら?
給与アップのためには、より少ない時間で成果を上げ、生産性を高める必要があります。
その第一歩が、自分の給与を時給換算すること。
会社員の時給は、賞与や手当を除いた「基準内賃金」を「総労働時間」で割ることでわかります。
もし自分の時給が1000円だとしたら、1時間の仕事に対して会社は1000円のコストをかけていることになります。同じ仕事を30分で終える工夫ができれば、生産性は倍です。
このように時給で考えると、具体的な工夫がしやすくなります。生産性を上げることに成功すれば、会社に対して給与アップの交渉がしやすくなります。
■強みを伸ばして付加価値を高める
人手不足といわれる昨今、企業は業務をAI化するなどして効率化を進めています。「この人に仕事を任せたい」と思われるような付加価値がなければ、会社員の給与はどんどん下がっていくはずです。
付加価値を高める近道は、強みを伸ばしていくこと。これまでの人事評価制度では、「できていないこと」を補っていくダメージコントロールが主流でした。しかし、これでは欠点はなくても強みもない平均的な会社員になることがほとんど。そうではなく突出した強みに着目して、他の人にはない希少性を獲得しなければなりません。
■「雇われ感覚」から抜け出そう
いくら生産性や付加価値を高めても、それらが会社に正しく評価されなければ給与は増えません。
会社員は、つい「会社に雇ってもらっている」「給与をもらっている」と考えてしまいがちです。しかしこれからは、会社が求めているものを理解し、それに応える自分の価値を示して給与を「自分で決める」マインドが必要になります。
将来を見据えて、給与アップを実現する「働き方改革」にトライしてみてください。
(新刊JP編集部)