作家が教える社交の3つの基本 「笑顔」「礼儀」ともう一つは?
人間関係に悩んだり、新しい環境に馴染めないという経験は誰にでもあるはず。
そんなとき、アドバイスをもらいたいのは、尊敬すべき人生の先輩だろう。たとえば、親だ。
作家の田口ランディさんも、母親として一人暮らしを始める娘に数々の言葉を贈ってきた。
『「ありがとう」がエンドレス』(田口ランディ著、晶文社刊)は、一人娘を大学へ送り出した田口さんが、人間関係のルール、自分とのつきあいかた、学ぶことの意味、恋愛など、娘に伝えておきたい言葉を紹介した一冊だ。
人間関係について、娘の「お母さん、どうしても気が合わない人とも仲良くしたほうがいいのかなあ?」という問いに著者はこう答えている。
「誰とでも仲良くしろという道徳教育は現実的じゃないね。誰にでも親切に。気の合った人と友だちに。苦手な人には近寄らない。接触するときは、社交する。そのために社交術があるんだよ」(P.8)
では、そんな田口さんの社交術とは一体どんなものなのだろうか。
田口さんは「笑顔で話を聞く。人の悪口を言わない。相手のことをほめる。笑顔で別れる」(P.10)と答える。社交はゲームと心得。一番キャラが立っている難しい相手を喜ばせるにはどうしたらいいかを考えるのだという。
また、大人の女性の社交の基本は、「笑顔」「礼儀」、そして「お世辞」の3つだと述べる。
社交は褒め合うためにあるものなので、愛想よく褒めて悪いことはない。
誰にでも褒める人は「お世辞がうまい」などと言われることもあるが、それは「言ってもらえなかった人が嫉んで言う」と著者。正直なところをいえば、褒められれば誰でも嬉しいものだろう。
進学や就職、一人暮らし、新しい生活を始める10代、20代の方に向けての言葉が多いが、社会人経験を積んだ大人が読んでも、日常の些細なことだが出来ているようで出来ていないこと、忘れていることを気づかせてくれる。
「言葉はあなた以上にあなただから、あなたのようなふりをして残り、伝わっていくから上手に使うのよ。優しい言葉で、どうか人をはげましってください」(P.127)と語る田口さん。 何かに悩んだとき、迷ったとき、本書の言葉から勇気や元気をもらえるはずだ。
(新刊JP編集部)