「部下の幸せ」を考えていますか? 良いリーダーの条件とは 【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】
みなさん、こんにちは!鬼頭あゆみです。
インターネットラジオ「本が好きっ!」、第33回目のゲストとしてお越しいただいたのは『リーダーの「対話力」ノート できる大人は「言葉選び」で人を幸せにする』(ぱる出版刊)を書かれた細谷知司さんです。
細谷さんは、東京大学を卒業後、大手損保会社で20年以上キャリアをつみ、その後独立。現在は人材育成コンサルタントとして活躍されています。
■一人ひとりの価値観を尊重する
本書のテーマは「対話力」。細谷さんは、組織が最大限の仕事を発揮するために必要なのは、「部下の幸せ」を考えることだと言います。
人は命令されて動くよりも、自らすすんでやる仕事の方が高いパフォーマンスを発揮するものです。そのために、対話を通して、部下一人ひとりが、「今ここ」という場所を理解し、今よりも幸せになることが、個人にとっても、そして組織全体にとっても大切であるのです。
では、上司は何をすべきなのでしょうか?
細谷さんは、部下の話を丁寧に聞き、この組織でなにをしたいか?」「なにがあなたの人生の幸せなのか?」を把握することが重要だと話します。かつては、みな似たような価値観であったのが、今は多様化しているからです。
人それぞれの幸せがあるので、それぞれの価値観にあわせて仕事上の役割を付与していくというのが、一番その人が働きやすく、一番結果につながる働き方になると細谷さん。確かに、そういう上司になれれば、信頼も得られるし、なにより幸せに近い働き方ができて、一人ひとりのパフォーマンスもすごく良くなりますよね。
■「あなたに幸せになってほしい」と伝えられるリーダーに
本には、「部下と対話する力がアップする10の原則」が分かりやすく書かれています。
今回、直接お話を聞く中で印象的だったのは「あなたに幸せになってほしい」と、恥ずかしいけれども、とても照れるけれども、思いきって伝える事が重要だということ。その上で、部下一人ひとりの事情を聞き取るのだそうです。
また、定期的になぜ対話が必要なのかを丁寧に説明することも必要だと言います。「あなたがこの会社、この組織で自分の人生の幸せを実現してほしいからいろんなことを聞くね」「どういう働き方がしたの? どういう生き方がしたいの?」を具体的に聞いていくのです。
対話の時に大切なのは、上司が答えを出すのではなく、答えをだすのは本人であるということ。自分自身も、きちんと理解できていない幸せになるために大切なことを、対話を通じて気づいてもらうことが必要だと言います。最終的に「自分でやります」と言ってもらう事が対話のゴールだというのです。
すべての根本は「幸せ」にあると話す細谷さん。「人の幸せを踏みにじるような仕事は決してあってはいけない」という言葉がとても力強かったです。インタビューでは、具体的な対話の方法も沢山お聞きしていますので、是非、細谷さんの言葉に耳を傾けてみてください。仕事をする上で、とても役立つことが多いはずです。
【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・鬼頭あゆみによる書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・オーディオブックJPにて配信中。本が好きっ!