だれかに話したくなる本の話

「髪の分け方」も要因に 体調不良を引き起こす悪い生活習慣

今年の冬は特に寒いと感じている人は多いはず。

外に出ると寒さに思わず身を縮めたり、背中を丸めながら歩いてしまうこの時期は、姿勢が崩れやすい時期でもあります。そして姿勢の悪化は、肩こりや腰痛をはじめとする体の不調や疲れやすさを感じる要因にも。

■知らないうちに姿勢が悪くなる こんなクセに要注意!

「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「ためしてガッテン」(NHK総合)などのテレビ出演でおなじみの医師・竹井仁氏は、著書『疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい: たった2週間で姿勢が整い体質が変わる方法』(誠文堂新光社刊)で、姿勢の悪化が体調に与える悪影響を指摘しています。

たとえば日常でついやってしまうこんなクセ。
これらはどれも、体のゆがみを引き起こして、姿勢を悪化させてしまう可能性があります。

・横座りをする時に、いつも同じ側の臀部を下にする
左の臀部を床につけるのが楽なら、左股関節が外に開きやすくなり、右股関節は内側に閉じやすくなります。これがクセになっていると左膝はO脚気味になり、右膝はX脚気味になっているかも。逆の場合は右膝がO脚気味になり、左膝がX脚気味になりがちです。

・椅子から立つ時、両膝をつけたまま立ち上がる
このクセがあると内股になりがちで、立って足を伸ばすとO脚になることが多くなります。

・立っている時にどちらかの足に体重をかける
左足に体重をかけて右足を少し横か前に出して立つクセのある人は、左の骨盤が右よりも高くなりがち。結果的に左脚がO脚気味になり、左足首を捻挫しやすくなります。逆に、右膝は腸脛靭帯炎や鵞足炎、右足は偏平足や外反母趾になりやすくなります。

・ショルダーバッグやトートバッグをいつも同じ側の肩に掛ける
バッグを掛ける側の肩が上がり、反対側が下がりがちです(女性の場合、バッグを掛ける側が下がることも)。これによって肩こりが悪化しやすくなります。

・椅子に座って足を組む時、同じ足を上にする
足を持ち上げやすい側の骨盤は、反対側よりも後ろに傾いてくるそう。これは歩き方に影響してきます。

・デスクワークやスマホゲームをしている時、頭が体よりも前に出ている
いわゆる「猫背」です。本人は楽な姿勢をしているつもりですが、「楽な姿勢=いい姿勢」ではありません。猫背が悪化すると、首や肩のこりや頭痛、腰痛など様々な不調につながります。

・横向きに寝る時、いつも同じ側を下にする
いつも右側が下になる人は、右肩が前に出て「巻き込み肩」になりがち。体の大きな人は逆に上になった左肩の重みで、左が巻き込み肩になることもあります。これもまた肩などの不調の原因になります。

■子どもの頃の習慣が「悪い姿勢」の原因になる

また、竹井氏によると、姿勢を悪化させるのは日頃のクセだけではなく、子どもの頃の環境や習慣も影響するそう。

・赤ちゃんのときのベビーベッドが壁際にあった
ベッドが壁際にあると、親は決まった方向からしか子どもに接することができず、赤ちゃんは壁を背にして寝るクセがつきます。ひどい場合は、頭の下になる側だけが絶壁になることも。

・小さいときから髪を同じ側に分けている
机の蛍光灯の位置や食卓とテレビの位置で、子どもの頃の髪の分け方は決まってきます。左分けなら右側は髪が邪魔になるため、必然的に顔が左側を向きやすくなり、右側にいる人と話す時は身体ごと右を向くクセがつきやすくなります。これも姿勢の悪化につながってしまいます。

・座る時は「あぐら」か「割り座」か
小さい頃からあぐらをかく習慣がある人は股関節が外側に開くためO脚にやりやすく、割り座をする習慣がある人は、股関節が内側に閉じてX脚になりやすくなります。

日常生活の様々な習慣やクセによって、私たちは知らない間に姿勢を崩してしまいます。

本書ではそれを正すために、竹井氏が提唱する「筋膜リリース」という手法を紹介。長い時間をかけて少しずつ崩れていった姿勢の改善と、疲れにくい体を目指していきます。

「疲れがとれにくい」「体のあちこちが痛い」など慢性的な体の不調を感じている人は、まずは自分の姿勢から見直してみると、現状を変えるきっかけになるかもしれません。
(新刊JP編集部)

疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい: たった2週間で姿勢が整い体質が変わる方法

疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい: たった2週間で姿勢が整い体質が変わる方法

不調、疲労は、マッサージや鍼灸、筋肉トレーニングをすれば解消する、というものではありません。
「全身のつながり」を意識した姿勢改善が必要なのです。
姿勢を意識して正しい方法でケアして、老化防止、肩こり、猫背、巻き込み肩、ストレートネックなど、体のあらゆる不調の改善や、「疲れにくい体づくり」を目指しましょう。

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