“おっさん”が語る「おっさんレンタル」の日常
「おっさんレンタル」というサービスがある。
名前の通り1時間1000円から、“おっさん”をレンタルできるサービスだ。頼める仕事は決まっておらず、依頼人と相談で決める。
ネットやテレビで知っている方も多いだろう。
『「おっさんレンタル」日記』(大和書房刊)の著者、西本貴信さんはおっさんレンタルの発案者であり、自身も本業の傍らおっさんレンタルとして働いている。
西本さんの元には、どのような依頼が来るのだろうか。
日々のレンタルの様子を綴った『「おっさんレンタル」日記』には、年齢も性別も、依頼内容も様々な依頼人が登場する。中には「話を聞いてるだけでお金をとるのね」などと言われてしまったり、ひたすらナンパをさせられるような過酷な依頼もあるという。
一方で、西本さんが毎週楽しみにしているレンタルがある。
それは89歳のおばあちゃんと公園を散歩するというもの。初レンタルのとき、健康のために散歩を勧めたことがきっかけだったそうだ。
おばあちゃんは西本さんに会うと、必ず亡くなった旦那さんとの思い出を話す。「生まれ変わっても一緒になりたいな」そう話すおばあちゃんの言葉に、胸が熱くなるという西本さん。
このおばあちゃんのように、依頼人と会うことで、人生や仕事、家族の大切さに気づくことがある。それを西本さんは「依頼人からのプレゼント」だと感じているそうだ。
本書はそのプレゼントの、ほんの「おすそ分け」だという。 依頼人に寄り添いながらも時には厳しいことも言う、人情味あふれる西本さん。
「おっさんレンタル」に興味がある方はぜひ、一読してみてはいかがだろうか。
文:ハチマル
『「おっさんレンタル」日記』
著者:西本貴信
出版社:大和書房