だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『戦争絶滅へ、人間復活へ―九三歳・ジャーナリストの発言』むの たけじ 著

提供: 本が好き!

101歳のジャーナリスト むのたけじさん。
昨年8月に亡くなられました。

5、6年くらい前、休職療養中に初めてむのさんの
この著書に出会いました。
人間復活、という文言のほうに引っかかったのが動機で
手にとってみたのですが。

どうして戦争はいけないのか。
もともと、なんとなく
『そりゃあいけないことに決まってるだろう』と
漠然とした感覚として抱いていた思いが、
この本をひととおり読んでから
はっきりと確信に変わりました。

従軍記者経験のある彼は、戦場に出た者が
絶対に語らないことがあると言う。

ああ…これは言えないだろう…

ここでは敢えて引用はしないことにしますが、
平易に、淡々と、しかし甘さのない語り口で語り抜く。

戦争は
モノや社会や文化だけでなく
人間の尊厳までもいとも簡単に破壊するもので
あるということ
だからこそ誰が何と言おうと絶対悪であるということ

人間は
自分の意見や主張は率直に表すこと
かつ、その根拠や裏づけをしっかりと持っておくこと

そういうことを著書で再認識したものでした。
ひとまずそのときは頭ではわかったものの、
具体的な行動に移せるほど血肉化できていたとはとても言い難く…
ここ1年半から2年くらいで
やっと少しずつ実践できるようになってきた気がします。

戦争は絶対悪

そう思っている人は少なくないでしょう。
ではなぜ悪なのか?

むのさんの著書をひも解けば、たちどころに具体的に
生々しく知ることができるのではないかと思います。

(レビュー:Naruki.K

・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」

本が好き!
『戦争絶滅へ、人間復活へ―九三歳・ジャーナリストの発言』

戦争絶滅へ、人間復活へ―九三歳・ジャーナリストの発言

敗戦の日に戦争責任をとる形で朝日新聞社を去った著者は、いま、その選択を悔いる。残って「本当の戦争」を伝え直すべきだった、と。週刊新聞『たいまつ』休刊から三十年、その深い思索と熱い主張の到達点とは―。従軍記者体験をふまえ、憲法九条のもう一つの意味、社会主義挫折への見方、そして未来を照らす希望の在りかを語る。

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