仕掛け人に聞く『漫画 君たちはどう生きるか』大ヒットへの道のり
“ヒット不作の年”という2017年の出版業界において、売れに売れている本がある。『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス刊)である。
1937年に刊行された吉野源三郎の児童文学『君たちはどう生きるか』を漫画化したもので、母子家庭の中学生“コペル君”(本名は本田潤一)が自身の挫折や実の叔父さんとのやりとりを通して成長していく姿を描いている。
2017年8月24日に刊行されて以来、順調に売れ行きを伸ばしていた本書は、10月から11月に大増刷が決定。現在までに53万部が発行されている。
特に10月21日にテレビ番組「世界一受けたい授業」で取り上げられた際の反響は大きく、“仕掛け人”であるマガジンハウスのベテラン編集者、鉄尾周一氏も素直に「驚いた」と口にする。
その一方で、この本がヒットするという予感は発売前から持っていたようだ。