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Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定 受賞作は松浦寿輝氏『名誉と恍惚』

Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!受賞作は松浦寿輝氏『名誉と恍惚』

Bunkamuraが主催する、「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」が決定し、小説家や詩人、批評家として知られる松浦寿輝さんの『名誉と恍惚』(新潮社刊)が受賞した。

『名誉と恍惚』

名誉と恍惚

ふるさとなんかどこにもないが、生きてやる。おれの名誉と恍惚はそこにある。日中戦争のさなか、上海の工部局に勤める日本人警官・芹沢は、陸軍参謀本部の嘉山と青幇の頭目・蕭炎彬との面会を仲介したことから、警察を追われることとなり、苦難に満ちた潜伏生活を余儀なくされる……。祖国に捨てられ、自らの名前を捨てた男に生き延びる術は残されているのか。千三百枚にも及ぶ著者渾身の傑作長編。