【「本が好き!」レビュー】『きれいなシワの作り方~淑女の思春期病』村田沙耶香著
提供: 本が好き!壇蜜もコンビニ人間も紙一重。アラサ―後の女子たちは身体も精神も環境も曲がり角。
コンビニ人間の著者村田沙耶香は1979年生まれ。壇蜜は1980年生まれ。
壇蜜は「壇蜜日記」を書いていますが、
村田沙耶香は芥川賞を受賞する前から「anan」でエッセイを連載していました。
女性誌、特にアンアンなんて読まないものの、おそらく、毛色が違うんでしょうね。
それを加筆修正したのが本書。
40代を迎えた私も振り返ると、
30代半ばは確かに曲がり角だったなと思います(今も曲がり続けていますが)。
著者はそれを「淑女の思春期」という言葉で表現しています。
10代の「思春期」のころは「大人」になるための心身の変化を味わい苦労しました。
いざ、20代になって大人になったなと思ったら、
30代を過ぎたら「老化」による心身の変化が私たちを襲ってきます。
人生って理不尽だなとつくづく思います。非常に共感
著者は、
・「卵子の老化」を突き付けれた出産の問題
・「年齢相応」という世間の目と自分のファッション
・「最後のセックス」「大人のパンチラ考」など性的な問題
などなど
曲がり角を迎えた自分をコンビニ人間らしく描いていきます。
壇蜜と著者は外見も生きてきた経歴も違います。
ただし、思っていることはさして変わりません。
『コンビニ人間』を読了した後、過去の本をいくつか手に取りましたが、
あっさり挫折しました。その著者がこんなに面白い方とは思いませんでした。
『コンビニ人間』につながる要素もいくつも散見できます。お勧めですよ。
壇蜜もコンビニ人間も紙一重。アラサ―後の女子たちは身体も精神も環境も曲がり角。
(レビュー:祐太郎)
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